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エッセイ「ニッポンのジレンマ。」

NHKの番組で「ニッポンのジレンマ」という番組がある。

数年前の元日の夜、ふとテレビをつけたらやっていて、

それから秘かに元日の楽しみのひとつになっている。

2017年の元日スペシャルのテーマは

『“Post-Truth”の逆襲 未来は明るいか?』

だった。

―――――ニッポンのジレンマHPより―――――

トランプ旋風から、イギリスEU離脱、人工知能ブームまで、政治、経済、文化、サブカルチャーまで硬軟様々な話題、事象から2016年ニッポンを総括、迎え来る2017年、その後への展望を切り開く。

世界は事実より感情を優先する、そんな文脈でPost-truthが今年のキーワードに選ばれるほど、理性と感情のジレンマに引き裂かれているのか?
非寛容、生きにくさ、が広がる現状をどう考える?

各分野の最前線を走る十数人の”異端児”が集結、200人以上の同世代のオーディエンスが見守る中、見えてくるのは果たして希望か、絶望か、それとも…?

――――――――――

「ポストトゥルース」とは、

世論形成において、客観的な事実より、虚偽であっても個人の感情に訴えるものの方が強い影響力を持つ状況。

(オックスフォード英語辞典の「2016 Word Of The Year」に選ばれている。)

視聴して、思ったことや心に残った言葉を備忘録を兼ねて残そうと思う。

―――――

「日本のジレンマ2012年は東日本大震災があったこともあり『俺たちが日本を変えてやる』という空気感だった。しかし、今はそういう空気ない。」

と論客の一人が言っていた。

なんとなく、腑に落ちた。

なぜなのか。

それは「大事なのは国じゃない」とそれぞれが感じ始めたからではないか。

それより「個人が幸せ」の集合のほうが強く結果的に効果的だということを感じてきたからではないか。

国(=全体)を大事にしたい人たちは、保守の人たち。

往々にして既得権がある人たち。

自由で能動的な人たちは個人レベルの見方を進めているのではないか。

「国」を変えようとすることが、国を変えるのではなく、

「個人の幸せを追求すること」が結果的に国を変える。

(国を変えようとすること
 =全体を変えようとすること
 =制度の見直しや、政治家の追及など)

(個人の幸せを追求すること
 =個人のやりたいことを仕事、奉仕として活動すること
 =目の前の人を幸せにすること。自分が楽しむこと。)

―――――

ー資本主義が終わる、終わらないの話ー

これまでは資本主義のシステムに頼り過ぎていたのではないか。

働けば収入が増え、買えるものが増え、幸せになれる。

それ以上考えてこなかった。

だから人間の精神的な豊かさまで踏み込めていなかった。

これからは資本主義のシステムに甘えていられない時代になった。

甘えていたら幸せにはなれない時代になった。

自分で自分の幸せを考え、獲得していかなければならない時代になった。

それは、幸せになるには「物質的なものではなく精神的なものが必要」ということ。

―――――

これから資本主義は二極化の時代。

グローバル(世界)のトップになるか、ローカル(地域)のトップになるか。

その二極しか生き残れない。

国内のトップでは勝てない。誰も選ばない。

(日本製の家電の現状を見て。)

―――――

より良い日本の作り方は「投票」だけではない。

多様な政治参加の形ができてきている。

ボランティア、地域のイベント、、、

若者は、政治、既存システムの変化に期待していない。

だからこそ、それ以外のことを変化させようとしているのではないか。

自分たちでつくる街のイベント、自分の生き方、収入形成、、

―――――

相方の言葉。

「どう思う?」という僕の質問に対して。

「好きな人といるだけで幸せ。

 あとはおまけ。

 すでに満たされている。

 それ以上に細かいこと、難しいことは考えていない。」

「子供一人一人が夢を持てればいいな。

 好きな人と幸せになるとか簡単なものでいい。」

なるほど。

この人の言葉はいつもシンプルで力強くて光のように僕の胸を指す。

―――――

制度的なところから見直し始めるやり方は間違っているのかもしれない。

もっと心の中から、幸せ感から、感覚的なものから見始めるやり方こそ、本質的に豊かな答えが導かれるのかもしれない。

システムは所詮システム。完璧ではない。

重要なのは、そのなかで自分がどう動くか、どう幸せを得るか。

論理的な頭より感覚的な頭のほうがいいのかもしれない。

―――――

これからの社会を良くしていく答えのひとつは、

『多様性の容認、応援』ではないか。

俺は例えばその分野では、世界一周の旅を語れる。

それが俺にとっての社会貢献、そしてそれ自体が俺個人の幸せになる。

これからは、仕事とは別に、

「幸せ、感謝、社会的居場所を得るための活動」

が必要になってくるのかもしれない。

「お金を得るための仕事」と「社会的な役立ち感を得るための活動」

これが、お金がだけでは幸せを感じられなくなったこれからの時代のバランスの良い生き方なのかもしれない。

(ビルゲイツやザッカーバーグなど億万長者の行動を見ていると、我欲の先の世界が見える。)

好奇心で突き進めば、それが仕事になり、社会奉仕活動になる時代。

最高の時代に僕らは生きている。個人が生き生きと能動的に生きられる時代。

思考し行動する人が対価を得られる時代。

なんと健全なことか。

―――――

番組は「みんなでこれからのビジョンをみつけよう」というような進行だったが、まったく意見はまとまらなかった。

それは根本的にまとまるものではないからだろう。

十人十色。

ビジョンは人それぞれ、利己的なものでいい。

それが実現できる時代なんだから。

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いなか日記。55『家のイチョウの紅葉。』

ゆうです^^

11月上旬の話ですが、
家のイチョウがとてもきれいに紅葉していて感動したときの話です。

家族でもみじ谷に観光に行った日の夕方でした。

新潟観光大使。26『弥彦村「紅葉のもみじ谷」。』

僕の家は少し変わっていて、国道をはさんで反対側にも土地があり、

そこに一本イチョウの木が植わっています。

土地が分断されているのは、元々我が家があった土地のど真ん中に国道116が計画され、道路用地として買収されたからでした。

杉の緑のなかに輝く一本の黄色のイチョウの木。

畑に行くには国道の下をくぐる地下道を通ります。

ほとんど我が家のためにあるような地下道です(^^;)

地下道の中は、、、

なんとも言えない廃墟感。

または「安藤忠雄」感。
本能的に感じる恐怖の中に、建築的な美しさが感じられて僕は好き。

「トンネルを抜けるとそこは、、、」

青空の背景に黄色が広がる。
コントラストがとてもきれいで心が打たれた。

夫婦銀杏。背景のコケもいい感じ。

まるで、油絵の具で黄色く塗られたようなイチョウの葉。
青・緑・黄。いいね!

―――――

「イチョウきれいんだなー」とはしゃいでいたら、、、

素敵なブローチが飛んできました♪

なんだか幸せな気分になれました^^

紅葉には、春の桜が散るのに似た「哀愁」がある。

紅葉のあとには厳しい冬がきて、植物たちとはしばしお別れになるから。

そんな感性がとても日本らしくてとても好き。

「哀愁」があるとまた、お酒の味がよりいっそう美味しくなる♪

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「良い現場の条件『仮設トイレ』。」

「良い現場」とは良い仕事がなされている現場のこと。

あなたの家が建てられる現場は「良い現場」でしょうか。

見分けるコツをお教えします。

その現場が「良い現場」か「悪い現場」か簡単に見分ける方法があります。

その答えは現場の「仮設トイレ」にあります。
下の写真は、現在建設中のある大工さんの現場のもの。

とてもきれいに清掃、整頓されていました。

良い現場は仮設トイレが、

・きれい
 (便器が掃除されている。紙などが散乱していない。床が泥だらけでない。)

・トイレットペーパーがや洗浄液が切れていない。

さらに、この現場は消臭剤まで置かれていました。

トイレを見れば、その現場で働く大工さんの力量が測れます。

想いを持って丁寧な仕事をする大工さんの仮設トイレは必ずきれいです。

それは、トイレは自分たちだけでなく、

電気屋さんや設備屋さんなど他の職人さん、

僕ら設計士、

そして、もしかしたら現場に来られた建て主さんだって使用するかもしれません。

そう考えれば、当たり前にきれいであってほしいですよね。

しかし、ついつい忙しさにかまけてトイレ掃除はおろそかになってしまうもの。

様々な人が使う現場のトイレ。

汚したのが自分でないならば掃除が億劫になる気持ちもわからなくはありません。

現場トイレをきれいにされている大工さんにこんな話をしたら、

「きれいにしとくのは当たり前でしょ。(アホなん?)」

と言われてしまうかもしれません。

しかし僕の経験上、当たり前ではありませんでした。

僕はいままでトイレがきれいな現場もきたない現場もいろいろと見てきました。

「トイレがきれいな現場=良い仕事をしている現場」

「トイレがきたない現場=良くない仕事をしている現場」

これは、ほぼ100%言えることだと思っています。

あなたが検討するメーカーの現場にもし行く機会があれば、

現場のトイレを見てみると、いろいろなことが見えるかもしれませんよ。

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いなか日記。54『初雪と祝い酒。』

ゆうです^^

新潟では初雪が降りました。

見慣れた風景は、紅葉の彩りあふれる景色から銀世界へと変ぼうしました。

昨日は、新潟市で建築業界の大先輩方からお誘い頂き忘年会に参加してきました。

ネイティブディメンションズの鈴木さんやサトウ工務店の佐藤さんなど、

その他大勢の先輩方と美味しく楽しいお酒を頂きました。

帰り道に初雪が降り出したのですが、タイヤはまだノーマルタイヤ!

少し焦りながらの帰り道でしたが無事に帰ってくることができ、

早々に双太郎のタイヤをスタッドレスタイヤに交換!

雪国の男は自分でタイヤ交換ができなければ務まらない。
「なるほどサスペンションこうなっているのか。」
「ボディ下のサビの具合はこんな感じね。」
と体験が知識に変わる。これが「学ぶ」ということなんだろう。

ナットを締める。自分の安全は自分でという責任感を改めて感じる。

白銀の世界に少しの紅葉が混じる。
例年11月に初雪が少し降る。この季節があるから一年が豊かになる。

―――――

無事にタイヤ交換を終え、お誘いを受け、友人宅へ。

生後2ヶ月前後のベビー持ちの3家族が集合^^

みんな元気にスクスク育っている。三人三色♪

『生後2ヶ月記念&初雪記念』とかこつけて旦那衆と、、、

美味しいお酒を頂きました^^

僕の地元柏崎の酒蔵「原酒造」のお酒「越の誉(こしのほまれ)」の大吟醸を。

原酒造は、2007年に起きた中越沖地震で社屋の約7割が倒壊するという大きな被害を受けました。

柏崎市民としてとても痛々しい記憶であると共に、
より一層、応援する気持ちや愛着が増した出来事となりました。

2007年の頃、僕はビールばかりで日本酒はまだまだ不慣れでしたが、
日本酒大好きの現在「越の誉」は僕が一番好きなお酒になりました。

―――――原酒造HPより抜粋―――――
創業は江戸時代後期の文化11年(1814年)。
1972年(昭和47年)日中国交正常化に際し、当時の田中角栄首相より、「越の誉」が北京の人民大会堂にて記念晩餐会の乾杯酒となりました。
中越沖地震によって弊社は社屋の約7割が倒壊するという大きな被害を受け、全壊した木造の酒蔵五棟は土壁が割れ、柱はひしゃげ、瓦屋根は目線の高さまで崩れ落ち、大小約三百あるタンクのうち、約二百のタンクが瓦や屋根に埋もれるという状況でした。

その後、新蔵である和醸蔵の完成。蔵元直売所である酒彩館が完成し現在に至ります。
明治44年に柏崎大火、2004年の中越地震、2007年の中越沖地震など数々の災害にも怯むことなく苦難を乗り越えてきた酒蔵なのです。

――――――――――

越の誉には「幸せを呼ぶ酒」という副題が付いている。
「生まれたてのベビーたちに幸せを。」(とかこつけて酒を呑む)

辛すぎず程よく辛い。甘すぎずほんのり甘い。
正に『水の様に呑める酒』。
精米歩合50%で米の味が引き立つ「これぞ大吟醸」という呑み口。

友人からもらったおそろいのベビー服。

幸せそうに眠っている顔を見ると、こっちが幸せになる。

歳をとって、結婚したり、家族が増えたり、

人生に深みが増すごとに、酒の味が旨くなる。

幸せな仲間たちがいる幸せな環境に感謝。

幸せを呼ぶ地元の酒に感謝。

―――――
今日来れなかった親友へ。

原酒造の特別なあの酒は今度一緒に呑もう。

その日まで楽しみが出来たよ。

お互い仕事を頑張り、その分旨い酒を呑んでいこう!

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S邸リノベーション。12「インスペクション実行『室内③床下』。」

ゆうです。

S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。

 前回のブログ→S邸リノベーション。11「インスペクション実行『室内②床』。」

今回は「床下」の報告です。


前回、1階の床壁に高低差5cm以上の傾きがあることが明らかになりました。
はたして原因はなんなのか。
それを探るべく床下の調査へと進みました。
床下のインスペクションのポイントは大きく、
①構造材(木材)に腐朽、シロアリ被害はないか
②基礎が適切に配置してあるか
③基礎にヒビなどの不具合がないか
④配管等の劣化具合は問題ないか
⑤床下断熱材の施工は適切か
⑥床下の防湿措置は適切か
⑦筋交い金物の施工は適切か
などが上げられます。

現在、床の傾きから「地盤の沈下」の可能性が疑われている状況でした。
その確認は、「③基礎にヒビなどの不具合がないか」から判断します。
もし、地盤沈下があれば、
「地盤沈下→基礎が傾く→床が傾く」という流れが起きており、
その過程で、「家の重さに偏りが出て基礎のどこかにヒビが発生する」からです。
どうだったのでしょうか!?
家の床下へは床下点検口から。
床下収納(写真左の白い箱)としても使われるためキッチンにあることが多い。
床下はクモの巣やほこりや湿気にまみれていることが多い。
そんなときに役に立つのがこの全身不織布スーツ!+マスク+手袋。
点検後に物件を汚さないためにも役に立つ。

―――――

【床下】

①構造材(木材)に腐朽、シロアリ被害はないか
土台、大引、根太(写真の木部)には、シロアリ被害や腐食は見られなかった。→○
構造材は十分に乾燥していた(含水率は別の写真による)→○

⑤床下断熱材の施工は適切か
床下断熱材が施工されていることが確認できた。(厚さ60mmほどで少ない→△)
断熱材は比較的きれいに密実に施工されていた。→○
脱衣室と浴室の間の土台に水が流れた跡があった。
現時点では腐朽は進んでいないがこのまま使用するには補修の必要がある。→△
⑥床下の防湿措置は適切か
床下の防湿措置は防湿シートをそれなりにひいただけだった。(施工は荒め→△)
ところどころめくれているところもある。
シートをめくり下の地面を確認すると、砂地だが湿り気があった。
地下水位は高いと思われる。(←液状化マップで確認したとおり)
しかし、構造材が問題なく乾燥しているのでリスクは少ないと思われる。
(床下通気が効果を発揮している。→○)
⑦筋交い金物の施工は適切か
土台の上に筋交いが施工されているのが確認できた。
しかし、適切な金物は施工されておらず、地震時に耐力を十分に発揮できない。→×

火打ち(斜めの部材)の色が濃く染みているように見えるのは防腐剤を塗布しているため。(問題なし)

土台の上(外周部の壁)に断熱材(グラスウール)が施工されていることも確認できた。

配管を通すために土台が欠かれていた。

構造耐力上適切な施工方法ではなく、必要に応じた補強が必要になる。→×

また、土台火打ち(落下している木材)が外れていた。

配管を施工する際に外したと思われる。→×
和室の床下。和室の床裏には断熱材は施工されていなかった。→×

土台は防腐剤注入材。土台と基礎の間には通気パッキンが施工されていた。→○
基礎はとてもきれいでヒビはない。→○

そして、傾きのあった問題の1階リビングの真下へ、、、

1階リビングの床を支える束が束石から浮いていた!(約15mm)
施工不良。床を歩いたときのたわみの原因と考えられる。→×

(一瞬、地盤沈下を想像したが、重さが乗っていない束石が沈むことは通常考えられない。)

床束の根元が染みているように見えるが、これは防腐剤が塗布されているため。
含水計で測定すると含水率は18%ほど。
構造材の要求乾燥レベルである20%以下のため問題なし。
④配管等の劣化具合は問題ないか
給水管は鉄管ではなく、可とう管(自由に曲げることができる管)であることが確認された。(断熱材が巻かれている)
ポリエチレンのような素材であれば、鉄管のようにサビや腐食の心配が少ない。→○

配水管も塩ビ管が使用されていた。
(劣化具合の詳細な調査は未確認。)

そして、問題の基礎の状態は、、、

③基礎にヒビなどの不具合がないか
基礎表面の状態は良好で、家全体を通して目立ったヒビ割れ等の問題は見られなかった!→◎
築20年以上でも健全な基礎。
リノベーションする価値のある物件かどうかの第一関門クリア。
これなら前向きにリノベーションを考えることができる。

では床の傾きはなぜ??

この日は明確な判断ができなかったため、
(僕が床下の奥までに入れなかったため納得できなかった。)
インスペクションの後日、齋藤建築設計の齋藤さんと再度現場に訪れ、床下の傾きについて再調査を行いました。
(最初の不織布スーツの写真は後日のもの。この日は奥まで入り、全てを確認し原因を突き止めた。)
齋藤大工さんと共に床下を調査する。
そして、原因を突き止めました。
原因は僕の想像を超えたとても単純なものでした。
左側の材が「土台」。右側の材が「大引」。大引の上に乗っている材が「根太」
根太の上に床材が敷かれている。

床が傾いていた原因は、写真の赤丸の部分の取り付け高さを間違っていたからでした。
左端は「土台上端+20mm」。右端は「土台上端+50mm」と言った具合に、、、
床下地の取り付けミスがそのまま床の傾きにつながっていたという、、、
(初歩の初歩のミス)
実はこの可能性は先日のインスペクションの際にも指摘されていたものでした。
アズ建築の佐藤さんいわく、
「基礎にヒビがなく健全なため、地盤沈下の可能性は低い。」
「だとすれば、床の下地の取り付けミスによるものだと思われる。」

という報告でした。

しかし、僕は半分納得しながらも半分はまだ疑ってました。
「大工さんが5cmも取り付け高さを間違うか??」
「プロなら歩いた瞬間に傾いていることがわかる。これをそのまま気づかずに完成させるなんてことはあり得るのか??」
と。
そのため、
「大工さんによるセカンドオピニオンとしての再調査」と、
「僕自身が床下に入り調査し、自分の目で見て確認する」
ことの必要性を感じたのでした。
そして、再度調査をしてみれば、
アズ建築さんの言ったとおり、床下地の取り付けミス。
齋藤建築さんいわく、
「昔の建物にはよくあることです。
 建売建設ラッシュとかで若い大工が担当していたり突貫工事だったりして、下地材の取り付けを間違っている物件はよく見ます。」
とのこと。

後日、この物件のオーナーさんに確認を取ったところ、
「床が傾いていることには気づいていなかった。
 おそらく、新築当初からそうなっていたんだと思う。」
という話でした。
大工さんの中にも、ピンキリの技量を持った人がいるということですね。
勉強になりました。

(いままでそういう技量の低い大工さんに会ったことはありませんでした。
 きっと良い会社と良い大工さんに恵まれていたんだと思います。)

さて、右往左往ありましたが問題は解決されました!
地盤沈下の可能性は低い!
床の傾きは単なる施工ミス!
(直せば問題なし、構造的にも問題なし!)
ホッと肩をなでおろしました。
(その場にいたS様いわく、僕がホッとした様子が僕の表情からすぐに感じ取れたそうです。)

―――――

山場を越えましたが、インスペクションはまだまだ続きます。
次回は、基礎の次に重要視される「小屋裏」についてです。
雨漏りがあるかどうかも大きなポイント。
どうだったのでしょうか!?
次回に続きます。
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『設計』とは。ー重心をとらえるー

『設計』とは。

『設計する』とはどういうことか。

僕は、設計するとは、

『条件や要望の重心をとらえ、示すこと。』

だと考えている。

設計士にプランを依頼すれば、

十人十色のプランが出来上がる。

それは、それぞれの設計士の

「重心のとらえ方」が異なっているから。

デザイン性を大切にする設計士

使い勝手を大切にする設計士

素材感を大切にする設計士

居心地を大切にする設計士

売れやすく作りやすくクレームの出にくいことを優先する設計士もいるでしょう。

いろいろな設計士がいるなかで、

僕が大切にすることは、

『イニシャル・ランニングコスト・メンテナンスコストを抑えること。』

『冬暖かく快適に過ごせること。』

設計するとは、

条件や要望の重心をとらえ、示すこと。

バランスをとる。と言ってもいい。

建て主にとってどの要望が大きく、どの要望が小さいのか。

重心をとらえるためには、建て主の条件や要望を整理することが必要になる。

要望の中には、建て主が今は自分では気がついていない潜在的なものも含まれる。

(例えば、新築して30年後にかかってくる費用など。)

それらを分かりやすく整理して、具体的な形にして提示する。

理由を説明し、納得して家づくりを進めて頂くことも重要になる。

『条件や要望の重心をとらえる。』

そこには工学的な判断や、美的な判断が複合的に絡み合ってくる。

そして、経済的な判断も。

時には、子供のためを思う道徳的、教育的な判断もあってもいい。

(素材からの刺激、庭や植物、経年変化するもの、、)

その判断がとても難しく、そしてまた面白い。

―――――

建築の魅力は、

『美術』『工学』の要素を併せ持っているところだと思う。

耐震性や断熱性を確保するために、

必要な量を割り出すために、

理論や計算は必要。

しかし建築には、理論や計算だけでは割り切れない部分がある。

それが美的(感覚的)な部分。

空間の心地良さ。

雰囲気。

印象。

人と人の距離感。

町の風景。

情緒。

、、、

それらのバランス(重心)をとり、具体的な形に示す。

重心の位置は、建てる人によって異なる。

それを感じ取り、そのほかの条件とのバランスをとって

設計に落とし込む。

それが、『重心をとらえ、示す。』

という作業=「設計」なんだと思う。

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いなか日記。53『夕日とハヤシライスの32回目の誕生日。』

ゆうです^^

私ごとですが、先日32回目の誕生日を迎えました。

自分へのプレゼント?と思い、この日は仕事を早上がりして海岸ドライブを♪

夕日ドライブは久しぶりでした。

日暮れも早まってきたし、天気の崩れる日も増えてきましたしね。

なので、きれいな夕日を見ながらドライブできたことは本当に幸運でした。

 秋の終わりの空も良い。雲が薄く広がる。波も穏やかだった。

天領の里の橋から。街灯と夕日がノスタルジック。

お気に入りの秘密の場所から。
この時期に水平線に沈むきれいな夕日が見れるのは奇跡的だと思う。

特別な日の特別な夕日に感謝。

そして、 家に帰ると、、、

相方が僕の大好きなハヤシライスを作って待っていてくれました^^!

美味しかったー!義母の話では相当熱心に作っていたそうです。

奥の緑はマグロアボカド。オーストラリアで学んだ相方の得意料理。

隠し味も効いていてこれがお酒に合う!

エームニシヤマのシブストも買ってきてくれていてとても美味しかった^^

もちろん義母、義父も一緒の家族水入らずの誕生日。
歳とともにこういう団欒に大きな幸せを感じる。ありがとう。

仕事中に携帯に送られてきた写真。
びっくりしたよ!いつもありがとう^^

―――――

そして次の日は、、

柏崎の「蒔之鼓(まきのこ)」で仲間が誕生日を祝ってくれました^^

家族と仲間に祝ってもらうことがどれだけ幸福なことか。

それだけで幸せ。豊か。みんなありがとう♪

この日は日本酒を飲みすぎた笑
仲間と飲む地酒は最高に美味しかった。

―――――

31歳はいろいろと挑戦し、やりたいことをやってこれた。

・一級建築士合格(2016年試験)

・一級建築士資格学校講師に初挑戦(2017年試験)

潮風マラソンに出場!仲間と一緒に20km走破

・風の陣でムービー「みんなで作ろう僕らの未来」作成!

・妊娠&出産&子育てスタート

・ブログ日々更新、習慣化

・仲間とみんなでとびら旅行×2回企画(20人+子供)

・地元の新しい仲間とのつながりを増やせた

・初日の出を見に本州最東端の魹ヶ崎

・S邸リノベーションスタート

エスネルデザインブランディング深化

その他もろもろ、、、、

32歳もどんどん新しいことに挑戦し、成長していきたい。

旅行やブログや仕事はもちろんとして、新しいことを。

考えていることは、

・S邸リノベーションで良い仕事をしてS様に満足して頂く。
 それをきっかけにリノベーションという選択肢(生き方)を世の中に示す。

・新築住宅1棟目を建てる!

・息子も一緒に初家族旅行!

・人前で世界一周の話をする!『旅トーク!』

・子供二人目、妊活スタート!?

そして、一番の象徴的な挑戦として、

潮風マラソン42.195kmにチャレンジ!!

やります!!

31歳は20kmだった。

「だったら32歳は42km走るしかないでしょ!」

と、頭の中のもう一人の僕にあおられて

「逃げられない、、」と観念したので

ここで宣言します!!

はたして、無事に完走できるのか!?

32歳の私にも乞うご期待!笑

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新潟観光大使。26『弥彦村「紅葉のもみじ谷」。』

ゆうです^^

弥彦神社で息子のお宮参りをしたあと近くの「もみじ谷」へ家族で行ってきました。

天気も良く、紅葉もバッチリで最高でした♪

新潟観光大使。25『息子のお宮参り「弥彦神社」へ。』

弥彦神社から温泉街を歩いて弥彦駅のほうへ向かい大駐車場の脇を進むと、
「もみじ谷」へ抜けることができます。

この日は屋台が出ていた。
女性陣は買い食い、男性陣は我先に進む。その中間で困る僕。

道を進むとトンネルがあり、、
(写真はトンネルを抜けた先)

トンネルを抜けると 、、、

どーーーん!!

もみじ一色の「もみじ谷」に到着です^^

この日は平日にも関わらず人がとても多かった!
(土日はどれだけ人が来るのか!?)

―――――もみじ谷(にいがた観光ナビより)―――――
日本の風情を感じられる弥彦公園。
中でも、もみじ谷は紅葉の名所として知られ、彩られた木々が観月橋を覆います。
また、夜はライトアップされ幻想的な世界に変わります。
JR弥彦駅からも徒歩ですぐの場所にあるのでお気軽にお越しください。

――――――――――

紅葉のピークはもう少し先のようです。
僕はピーク(真っ赤)もいいけど、七分くらいの赤・緑・黄色が混じっている景色のほうが好みですね^^
それに空の青が加われば最高!この日はベストコンディションでした。

赤・緑・黄が混じると、みずみずしく立体的な絵になる。
光もとても良い感じ^^

もみじの葉形は繊細に光と空を切り取ってとても瑞々しい。
日本的な美しさを感じさせてくれる。

弥彦山をバックに。
人工物のない風景はなんだか心がとても安らぐ。

松も入って、赤・緑・黄色がはっきりと。
子供が見たら「信号機と一緒だー!」とか言いそう♪

「いいねー♪」と家族で話しながらまったり進む。
(それでも父親衆の足取りは速い)

もみじ谷は観光するのにほどよい規模だと感じた。

広すぎず、狭すぎず、ちょうど良い。

じっくり見てもいいし、さらーっと見てもいい。

新潟の11月の観光は、「弥彦山+もみじ谷」で決まりですね^^

毎年家族や仲間ときたいな♪

池に映った景色もまた良い♪

―――――

もみじ谷の観光を終えたあとはご飯へ、、、

寺泊の和風食事処「庄屋」さんへ。
ずっと気になっていたが入れなかった。良い機会だと思い勢いで。

とても素敵だった!開放されたガラス張りの部屋に感動。

日本海に面した「夕日の間」でお食事。
夕日時もいいね^^

信濃川が日本海に注ぐ河口(大河津分水)を見ながら海鮮料理が頂ける。

づけサーモン丼。あぶらが乗ってておいしかった!

ハマチづけ丼とせいろそばセットの弥彦定食。こちらもおいしかった。

ご飯を食べながら、

それぞれの家族の近況を話したり、

初孫をあやしたり、景色を見たり、、、

家族みんなで幸せな時間が過ごせました。

縁があって一緒になった家族。

機会を設けてこうして一緒に時を重ねていきたいものですね。

「子はかすがい」

もとい、

「孫はかすがい」

ですね。

とても豊かな一日でした。

息子も長時間のお出かけ+初外食頑張った!

えらいぞ^^お疲れ様。

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新潟観光大使。25『息子のお宮参り「弥彦神社」へ。』

ゆうです^^

先日、両家の家族一同で弥彦神社に息子のお宮参りに行ってきました。

天気に恵まれ、家族の良い思い出になりました。

最高の晴天!
そして、弥彦神社はいつ見てもカッコいい!!

息子は今日でちょうど誕生2ヶ月を迎えました。

夜もしっかり寝てくれて元気でスクスク育っています^^

お宮参りの目安である1ヶ月は過ぎてしまいましたが、
家族で予定をあわせ弥彦神社へ。

行き道ものどか。正面に弥彦山が見える。

神社の前にまずは相方の希望の記念写真を撮りに柳田写真館さんへ。
ここは、3年前に結婚式のときにも僕らの写真を撮って頂きました。


家族集合の素敵な写真をたくさん撮ってもらって相方も満足そう^^
ベビーの笑顔を引き出す写真屋さんのテクニックには脱帽でした。

その後、歩いて神社へ。お互いの母同士の話が弾む。
弥彦神社周辺は車道がとても混む!少し離れたところから歩いて行くと楽で早い。

一の鳥居。とても立派で迫力がある。
この前で仲間に祝福されてから早3年。

―――――こちらのHPより―――――
彌彦神社は越後国一宮。
正式には「いやひこ」だが、一般には「やひこ」と呼ばれる。
越後平野西部の弥彦山山麓に鎮座し、弥彦山を神体山として祀る神社である。
彌彦の大神は、神武天皇即位の大典の際に自ら神歌楽を奉奏したとされる。
社殿は1912年に焼失し、1916年に現在地に移って再建された。
――――――――――

写真は弥彦観光協会WEBより

鳥居をくぐると杉林の参道へ。樹齢は何年だろう。
紅葉した広葉樹も混じっていてきれい。

堀を流れる水と朱色の太鼓橋が良い感じ。

弥彦神社はちょうどこの時期は「菊祭り」が開催されている。

色とりどりの菊が勢ぞろいする。

テーマは「赤城山」だそう。

観光客も多くみんな楽しそうで自然と笑みがこぼれる^^

手水舎で参拝前に手と口を清める。
手水舎も唐破風でとても立派。さすが越後一宮(いちのみや)。

そして、参道を進んでいくと、、、

この建築的プロムナードに最高に感動させられる。

石段をあがり、楼門をくぐると、、、

どーーーん!!!

背景は山と空のみで大きく抜ける。

そのふもとに、山の稜線に沿うように慎ましくも雄大に拝殿が建つ。
まるで天から降り立ったような形。

僕は日本一きれいで格好良い神社だと思っています。
(背景の山も含めて。)

境内にも様々な菊が展示してあった。

新潟の銘酒が奉納されている。
なかなかの迫力。県外の人が観光に来るならオススメしたい。

そして、目的のご祈祷へ。

―――――お宮参りとは(白山神社HPより)―――――
古来、赤子の命ははかないものでした。
やっと世に出たその命が、わずか二日三日で果ててしまうなど日常茶飯事のことでした。
そんな赤子が何とか生を永らえ、赤子は生後はじめておまいりをし、赤子の名前を読み上げてもらい誕生を祝い、無事に産まれた感謝と健やかな成長と幸福、ますますの健康を家族でお祈りする日本人の古くからの人生儀礼です。
―――――

祈祷殿は総ヒノキ造り。
新潟らしい荒々しい杉も良いけど、スッキリとしたヒノキもいいね。

無事に御祈祷してもらいお守りを頂きました。
弥彦神社は「二礼四拍一礼」でした。

家族で集合写真を。結婚式ぶり。一人増えたね!

天気も良く無事にお参りもできとても良い日になりました。

やまと、よかったな♪

これからも元気で一緒に育っていこう!

家族みんなでたくさん思い出作っていこうな。

このあとは弥彦神社の隣のもみじ谷へ。
そちらも最高の紅葉が見れてとても幸せでした♪

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S邸リノベーション。11「インスペクション実行『室内②床』。」

ゆうです。

S邸リノベーションのインスペクション報告の続きです。

 前回のブログ→S邸リノベーション。10「インスペクション実行『室内①壁』。」

前回から引き続き「室内」の報告です。


前回、壁に問題ないとされる基準の倍以上の傾きでがあることが明らかになりました。

今回もまた同じような問題が、、、

―――――

【室内床】

キッチンのおそらくカップボードを置いていたであろう部分の床に「水染み跡」があり劣化が確認された。

フローリングの巾木の間に隙間が確認された。
床の傾斜か施工ミスと考えられる。

むむむ、床の傾斜?

畳をはぐった裏面の様子。
畳に特にカビ等もなく、床下地も健全だった。これは朗報。
床下が湿潤だと畳はかびやすい。床下は乾燥していると思われる。

厚さ6cmの天然の藁床畳だった。
(最近の畳は発泡スチロールを入れた新建材畳が多い)

脱衣室の床の隅に著しい沈みがある部分があった。
巾木と床の取り合いはシーリングされている。(住み主がやった?)
お風呂の水がかかり、床下地が腐朽してしまった様子。

下地だけの腐朽であれば、下地の交換で問題なし。
腐朽が他に広がっていないかが問題。
土台などの構造材にまで広がっている場合、その部分の交換が必要。

また、腐朽・湿潤状態の木材が多いとシロアリを呼ぶリスクが高まる。
→床下での目視点検を注意して行う必要あり。

そしてついに、問題の床のレベルの調査へ、、、

レベラーで壁に水平のラインを投影し、そのラインから床までの長さを測ることで床の傾きを確認する。

そして、リビングの床には著しい傾きが!!

iPhoneのコンパスアプリに表示された傾きは1度!

(僕はこの機能を知らなくて、S様とFPの昆さんに教えて頂きました。)

1度ってどれだけの傾き?小さいんじゃないの?

いやいや1度は相当な傾きです!通常なりません!

1度ということは、1m先は17mm傾いているということ。

実際に、レベラーで計測してみると、

最低部と最後部の差は5cm以上もありました。

離れ距離約5.5mで段差約55mm→55/5500=10/1000!

許容範囲内と判断できる6/1000を大きく超えています。

(実際の傾きは0.6度ほどか。アプリでは四捨五入して1度になったと思われる)

青字が床の高さの差。赤字は柱の傾き。

これはどういうことか!?

壁の報告で書いたとおり可能性としては、

①地震によって基礎の上の構造が傾いた。

②地盤沈下によって基礎ごと建物が傾いた。

③施工時(完成時)から傾いている。(施工不良)

が考えられます。

2階の柱の傾きは、

・クロスのゆがみがみられなかったこと

・施工ミスという可能性があること

から、「施工時から傾いている可能性が高いのでは」と考えていましたが、

1階の床は違います。

なぜなら、

「1階の床は基礎のすぐ上に乗っているため、傾きが出ることは稀」

(基礎の上端の高さは基本的に水平。液体のコンクリートを流し込むから。)

そして、

「床で5cmも高さが違うような施工を大工さんがするか!?」

という疑問。

から、

もしかして、施工不良ではなく、完成したあとに

地盤沈下が起きたのかも、、

と想像しました。

(S様はこの物件を買う前のため、そうだったとしてもS様に被害はありません。)

地盤沈下した家を直すには大きな金額が必要になるため、リノベーションする価値はグッと下がります。

そんな家をS様にお勧めするわけにはいかないため、インスペクションにいっそう身が引き締まりました。

確かめる手段は床下にあります!

ということで次回から床下の調査に進みます。

果たして地盤沈下しているのか!?

S様の家づくりは白紙に戻ってしまうのか!?

ドキドキでした。