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【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

ゆうです^^

前回、ロールスクリーン(以下:RS)の有り無しによる室内温度の比較をしました。

結果は、17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」では
天井壁床に約10℃の差がつきました。

なぜ10℃も温度差がついたのでしょうか??

前回の調査結果。
RS有りと無しで天井壁床に10℃程の差がついた。

なぜでしょう?

「夏の直射日光が室内に入って暑くなったからじゃないの?」

と思いますよね。

しかし、違うんです!

というのは

13時以降は「直射」は遮られていたんです。
(窓が東向きのため、午後は直射が入らない)

そして13時時点では室内は同じ温度でした。

「え!夏は直射を遮ればいいんじゃないの!?」


「そのために屋根を出すとか今よく言われてるじゃん!」

と思いますよね。

近年ちまたにあふれる「屋根(軒)を出して夏期の日射を遮りましょう」の図。

もちろん、軒を出すなどして直射を遮ることはとても効果的です。

しかし、「直射」だけ遮れば良いのでしょうか?

実験の話に戻りますが、「RS有り」も「RS無し」も13時以降の直射は遮られていました。

それでも、夕方にはRS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなりました。

なぜでしょうか?

もう分かりますよね^^

「直射」がなくても部屋は明るいですよね。

光が入っているからですね。

その光は直射ではないですよね。

そう!それは反射光です。

日光は2つに分けられます。

「直射光」「反射光」です。

(学術的には「直達日射」と「散乱日射」と言われる)

反射光は、空中のチリや雲や空気分子に反射し、空中で乱反射しています。

反射光ももちろん「熱」の原因になります。

RS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなった原因は、

反射光(による熱)を遮っていたから。

ということですね^^

それを裏付ける写真が撮れました。

東面(左)と北面(右)。
どちらも直射は当たっていません。
しかし!オレンジの円の中に注目すると、、、影が!

「影の中に影」が出来ています!

そして「影の中の影」はなんと全方位でほぼ同様の高さに出来ていました。

南面(左)と東面(右)

西面。

北面(左)と西面(右)。

この「影の中の影」こそ反射光によって出来た影ですね。

方位性がないことこそ、空中で光が乱反射している証ですね。

(雲などの条件の違いにより影がどう出来るかは変わる。)

全方位から入射する反射光。

影を見る限りおよそ下図のようになることが分かります。

(正確には光=熱ではなく、光(赤外線)がもの当たることで分子が振動し熱が発生する。)

大事なことなのでもう一度。

正確にはこうではなく、、
こう!
結論を言うと、
夏期の日射遮蔽は
直射光を遮っているだけでは片手落ち!
(=反射光も遮ったほうが効果的!)
ということです。

話を実験に戻すと、その反射光の影響で
17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」で、天井壁床に10℃の差がついたわけですね。

夏の日射熱を単純にとらえるなら、

(直射光だけでなく反射光も含めて)
光が入っている(室内が明るい)
≒熱が入っている。

という認識で良いかと。

すだれや遮光カーテンで光を遮れば、熱も遮れるということ^^

 

今回は以上です^^

僕自身、反射光で影が出来ることを初めて知りました。

「考えながら過ごしていると新しい発見に気付けるものだなー」

と改めて実感しました。

…………….

さて、

今回の記事を読んで、疑問が浮ばないでしょうか^^

「直射光と反射光の影響はそれぞれどのくらいなの??」


「反射光の影響って直射光に比べれば微々たるものなんじゃないの?」

調べました!(詳しくは次回)

正確ではありませんが、
おそらく全ての熱の影響を10としたとき、その内訳は、

反射光による熱:約4
直射光による熱:約6

くらいだろうと。

どう感じられますでしょうか。

僕は反射光の影響が想像よりとても大きいことに驚きました。

夏期の日射遮蔽は「直射を防ぐだけでは足りない」かもしれません。

詳しくは次回に!

(夏の日射熱調査シリーズ、意外と続きます(^^;))

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【関連記事】…………….

【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

ゆうです^^

今回が「夏の日射熱調査シリーズ」のメインの回になります。

目的は「夏の適切な日射遮蔽方法はなにか?」

具体的に言えば

「遮蔽ロールスクリーンの効果はいかに!?」

今回、その結果が明らかになりました^^

(ロールスクリーン:以下RS)

実験方法は簡単で、

・朝から晩までRS全開にしたときの室内温度

・朝から晩までRS全閉にしたときの室内温度

の差を調べるというもの。

調査日は7/22(全開)と7/23(全閉)です。

気温・日照時間などの外部条件は概ねそろっていた。
(が、7/22(全開)のほうが気温が少し高かったことに要留意)

※当該居室は、2階・東向き・築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス。

7/22(8:10)

7/23(8:10)

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

比較しやすいよう、7/22・7/23を並列します。

夏季は日の出が早いので8時の時点で室内温度に差が出ている。
全開と全閉で、天井・壁・床で約3℃の差があった。
(全開室温30℃ほど、全閉室温32℃ほど)

…………….

7/22(11:20)

7/23(11:30)

並べて比較する。

7/23は午前の日射が少なかったのでこの比較は少し極端。
(それでもRSの日射遮蔽効果が分かると思う)

全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ13℃程の差が出た!

…………….

7/22(13:05)

7/23(13:25)

これが非常に興味深い。
並べて比較する。

全開も全閉もほぼ同等の温度になっていた。
最初は正直ナゾだった。
(なんで温度差がなくなったの?)

追って気温と日照時間を調べてみると原因が分かった。

7/22(全開)の13時前後は日照時間がほぼゼロで気温も下がっていた。
(実際曇っていた)

「日射」の室内温度への影響がとても大きいことが分かる。

※部屋は東向きのため13時頃から「直射」はなくなる。

…………….

7/22(17:40)

7/23(17:55)

並べて比較する。

(外部条件が多少異なるのでこの比較は少し極端だが)
全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ10℃程の差が出た。

室温は約35℃と約33℃。

室温(空気の温度)は差は少ないが、
天井壁床温は大きな差がついたことが分かる。

天井壁床の蓄熱が放熱するため、

「冷房して、室温も下がっているのになんか部屋が暑くて不快。」

さらに、冷たい風と暑い天井壁床の差で「なんか気持ち悪い、、」

ということになる。

これが「エアコンしても暑い」「冷房病」の真相です。

…………….

実験が無事に終了しました^^!

結論をまとめると、

RSをすればRS無しに比べ室内への蓄熱を低減できる。

(しかも割と効果が高い)

エスネルデザインがお勧めする夏期の日射遮蔽方法の第一は
「遮光ロールスクリーン」(または遮光カーテン)
となりそうです。

理由をまとめると、

・日射遮蔽効果が高いこと。

・取り付け手間が少ないこと。
 (すだれの毎シーズン設置は少し大変)

・住まい手が自分で交換できること。
 (外部RSは自分で交換できない)

・コストが割高でないこと。
 (外部RSは少し高額。交換も高額)

・保管が不要なこと。
 (すだれは保管場所が必要になる。)

・窓の種類を選ばないこと。
 (すだれ取り付け・外部RS上げ下げのために引き違い窓や内開き窓にする必要がない。
  →気密性もコスパも良い「外開き窓」を採用できる)

などです。

RSの△な点としては、

・日中在宅時に室内が真っ暗になってしまうこと。
(休日のリビング、日中帰宅後の子供室など。)

それを避けたい場所は遮光にしなくて良いでしょう^^

(遮光と採光を両方使えるプリーツスクリーンなどもあります。)

また、

「すだれの雰囲気が好きです。(手間も問題ありません)」

「外部ロールスクリーンが好きです。(コストも問題ありません)」

という方はそちらもお勧め致します^^

【補足】…………….

一般的に、日射遮蔽部材(ex.すだれ、カーテン)を

・窓の「外側」に設置すると日射熱の約7割をカット出来る。
 (→約3割の熱が室内に入る)

・窓の「内側」に設置すると日射熱の約3割をカット出来る。
 (→約7割の熱が室内に入る)

と言われています。
(外で遮蔽すれば窓自身は熱されないため)

これだけ見れば「日射は外でカットするほうが良い」となりますが、
「内」につけた場合でも、「反射率」がより高いもの(ex.遮光カーテン)を使用すれば遮熱効果を上げることが出来ます。

…………….

ここからはさらに面白い話を^^!
(興味がある方にだけ)

17:30にはRS全開とRS全閉では10℃ほどの温度差がありました。
(天井壁床温)

・13時の時点では同じ温度だったのに。

・13時以降はRS全開にも「直射」はなかったのに。

なぜでしょうか??

次回、その理由を掘り下げていきます。

お楽しみに^^!

【ヒントは「影のなかに出来る影」です。】

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

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【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

ゆうです^^

前回から夏の日射熱の影響を調べています。

比較実験を始める前に室内のいろいろな場所の表面温度を調べてみました。

サーモグラフィー、面白いです♪

まずは7/19帰宅後の室内を調査。

実験のため、朝からロールスクリーン(以下RS)を全開にしておいた。

※RSは遮光タイプ(室内側設置)。

※実験物件は、築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス住宅。

左端のRSもオープンにして出社。

※部屋のものやインテリアはすべて相方のもの(^^;)
 僕のセンスや性格ではありません。(マスオである僕の権限は少ない)

さて、帰宅後、どうなっていたかというと、、

窓上の壁は39℃まで熱を持っていた。(20:05)
窓(外)が冷えても壁や天井が熱を保持しているのが分かる。
(窓は33℃だが、壁は39℃

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

床の温度も約38℃と高温。

室温は約34℃だった。

まず、20時過ぎから約1時間、窓全開+扇風機「強」で換気してみる。
(外気温は26℃ほど)

21時過ぎに再び調査。

室温は35℃から約31℃まで下がっていた。

天井・壁も約35℃まで下がった。

床も同様。
(それでも厚くて汗が出る。→不快!)

その後、冷房を入れる。

通常は27-28℃設定だが、少し極端に25℃で冷房してみた。

そして約1.5時間後。

室温は31℃から27.9℃へ。湿度も下がり快適。

天井・壁は30℃以下にまで下がっていた。
(RC造に比べれば木造住宅の熱容量は多くない。)

床も同様。

エアコンの温度はこんな感じ。

エアコン内部(冷媒)が冷えているのが分かる。(16℃

空気温30℃、湿度60%のときの露点温度(結露する温度)は約21℃。
16℃の冷媒に室内空気を触れさせることで結露させ、除湿する。

左右はどちらも同じ温度状態のもの。

サーモグラフィーは同じ温度状態でも極端に色分けすることで「印象操作」することが出来てしまう。
見る側もそれを知っていることが求められる。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

…………….

RSを全て閉め、冷房して就寝しました。
(28℃で朝まで連続冷房)

さて、翌日。

(冷房は7:30にオフ)

RSは直射を浴びて熱しているが、天井・壁・床は約35℃ほど。(7:50)

RSを開けるとこんな感じ。
アルミフレームは約49℃

右を見るとRSの温度差はないようだが、
サーモグラフィーで見ると、
・スポット1(直射):約47℃
・スポット2(フレームの影):約41℃
と陰による差があるのが分かる。(→日射遮蔽の重要性)

RSを開けたまま、約40分放置した。

40分後(8:30)

天井・壁は約39℃まで上昇。
床(直射)は約43℃、床(影)は約37℃。

床を詳しく見る。

・スポット1(透明ガラス直射):約43℃
・スポット2(型ガラス直射):約41℃
 ※型ガラス直射部は陰っているようで、熱はしっかり伝わっていることが分かる。
  可視光は遮っても赤外線を遮る効果は少ない。
・スポット3(影):約37℃

そして、面白いのが

・スポット5(熱したアルミ枠からの放射を受けている部分):約46℃

アルミの熱伝導率の高さと放射の影響を改めて感じる。

RSを閉めてみる。

RSを閉めても床が蓄熱しているため、すぐには冷えないことが分かる。

閉めてから30分後。
蓄熱の放熱が終わり、ある程度ほかの床と同様の温度になっていた。
(日射照射時間が40分でしかないことに注意)

…………….

その他室内。

北西側の1階個室。(8:25)
日射がないため、室温は低く一定。(約31℃)
体感上も快適。

南東側玄関。(8:25)
下屋が日射を遮っているため、北西個室と同様に温度は低い。(約32℃)

夏の暑さ対策は

日射を遮り、蓄熱させないこと。

であることが体感上も数値上も感じ取ることが出来ました。

サーモグラフィ、面白いです^^

さて、次回はいよいよ「個室の遮光ロールスクリーン有り無し」による室温差の比較実験をお伝えします^^

そこには驚きの結果が!、、あったかはわかりませんが、
興味深い結果をお伝えできると思います。

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


実験ウラ話
:実験中は冷房オフのため汗だく(^^;)


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【注意】近年のエアコンのグレードダウン「サビの発生」

ゆうです。

近年、エアコンの不具合が多発してきています。

僕が前職場在職時から起きていたのですが、今年の夏も多発しているようです。

師匠がブログで報告しています。

エアコンの進化が劣化とは・・・。


簡単にまとめると、
昔は高品質の部品を使用していたのに、近年その質が落ちてきているということ。

※錆びづらい部品(ステンレス)が錆びやすい部品(鉄+メッキ)に変わってきている。
(カタログからは読み取れない部分)

これは他のアジアの国々との価格競争の影響なのでしょう。

(まさに盛者必衰。こうして「日本製」のブランドはなくなってしまうのでしょうか。)

製品の寿命を全うする範囲での品質改善(安い部品の使用)は良いです。

しかし、安い部品を使ったことにより、製品の寿命が縮まるようでは本末転倒ですよね。

さらに重要なのが、エアコンは冷蔵庫やテレビなどの他の家電と異なり、

命の安全を左右する製品であるということ。

この猛暑を体感している日本人には説明はいりませんね。

真夏にエアコンが壊れることは、熱中症、そして命の危険に直結します。

(そして、夏場のエアコンの買い替えには1週間以上かかることが多い)

師匠はこのような事態を憂慮し、

「万が一の時のためのサブエアコンを計画しておく必要性」も指摘しています。
(メインが壊れたときのバックアップに)

予言・・・冷暖でエアコンはバックアップが必要になる。

「万が一は起こる」というスタンスに立った設計。
前職在籍中に学ばさせてもらった重要なことのひとつ。

家の寿命は60年以上。

家電の商品開発は毎年。仕様は毎年かわる。

何十年先の家電の改良(改悪?)を見越した設計はとても難しい。

(まさか昔よりも製品の質が下がるなんて)

こういうことが増えていくならば、
もしかしたら数年後は「メイドインチャイナ」が世界トップ品質となり、エアコンは中国製のものを選ぶ時代になるのかも。

日本人としてそれはとてもさみしい。

そうならないように、ぜひ日本の家電メーカーは「品質」を高めること=「消費者の信頼を裏切らないこと」を大切にして、世界と戦って頂きたい。

(エアコンのダウングレードについては反面教師にさせて頂きます。)

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


今の興味
:去年買い替えたエアコンがいつ壊れるか逆に楽しみ。
-「超高断熱の小さな家」escnel design-
【関連記事】…………….

家のエアコン買い替え。「エアコンの取り付けとカビ」

家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①『能力と効率』」

家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方②『光熱費と買い時』」

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【素材】エスネルで使われるアイテムたち②「和紙・ロールスクリーン・PC板・造作ポスト。」

ゆうです^^

エスネルデザインで使われるアイテムたちを紹介します。

和紙、階段、ロールスクリーン、PC板、造作ポストなど、、

選定のポイントは「長く愛せるか」です。

和紙を貼った障子の照明シェード。

照明器具を表しにせず、和紙を間に挿入することで光も見た目も柔らかくなる。
複雑なことはしていないのでローコストでメンテも容易なのがミソ。

…………….

大工さんが造る木製スケルトン階段。

造作階段は大工さんの腕の見せどころ。
板の木目や手摺の留め納まりがとても綺麗。

階段の段板をそのままテレビ台や飾り棚にデザインした。(T様邸

 大工さんの技が光る。

「手仕事感」を残したい。という想いがある。
家は工業製品ではなく、人が現場で作るものだから。

蹴込板がないため、視線が奥まで抜け、圧迫感が少ない。
また、スケルトン階段は吹き抜けとの相性が良い。

夕日に照らされ出来る階段の影もまた素敵。

…………….

ロールスクリーンの仕切り。

エスネルデザインでは、仕切りに建具ではなくロールスクリーンをお勧めすることが多々ある。

それは、コストダウンも理由のひとつだが、「全開に出来ること」が一番の理由。

引き違い戸だと片方しかオープンに出来ない。

片方ずつ開け閉めするのは手間。

そんなときロールスクリーンだとフルオープンにすることが出来る。

そもそも仕切る必要がなかったりする場合も多い。
(個室のクローゼットなど)

ロールスクリーンはサイズもデザインも豊富。
(こだわりすぎると建具より高くなるので注意)

…………….

PC板。
(既成コンクリート板)

PC板をひいただけの素朴なアプローチ。(Y様邸
固定しているわけではないので移動も可能。

「あまり肩に力を入れすぎないデザイン」を意識している。
(完璧でスキがなさすぎるデザインは少し緊張してしまうため)

少しラフに仕上げるからこそ、自由にアレンジが出来る。
(そこが住み手の個性やおもてなしの想いを表す。)

PC板の先につながるモルタルの玄関土間。
真鍮の目地切り棒や滑り止めも経年変化で味が出てきて良い感じ。

雨に濡れて「濡れ色」となったモルタル土間もまた素敵。

玄関内のモルタル土間。

新築当初のスベスベした表情も良いが、、

使い込むに連れて味が出てくるのもまた良い。

真鍮と洗い出しとなったモルタル土間と木の床。
自然素材どうしは良く馴染み、共に経年美化していく。

…………….

造作ポスト。

木の壁に埋め込まれたシンプルな造作ポスト。

あえて細かい指定をしないこともある。
それは大工さんの個性が出て設計者が考えた以上に良いものになるから。

外壁の木目が綺麗にそろったポストの表面。
誇りを持って仕事されている大工さんは設計者が指示しなくても素晴らしい仕事をされる。

工場で作られたカッコいいポストも素敵ですが、

「造った人の顔が見えるポスト」

というのも素敵ですよね^^

ポストに限らず、家はそうありたいものです。

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


建て主様から学ばされたこと
:造作ポストは傘置きにもなる♪

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【素材】エスネルで使われるアイテムたち①「紙巻器・タオルバー・水栓・照明」

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【秘訣】一番簡単な熱中症対策『断熱+冷房』

ゆうです。

今日は、熊谷市で観測史上最高気温の41.1℃まで気温が上がりました。

東京都内でも観測史上初めて40℃以上を記録しました。

全国で熱中症が多発し、多数の重態・死者が出ています。

気象庁は「命に危険があるような暑さで災害と認識している」と発表しています。

果たしてどのような対策をとれば良いのでしょうか。

新潟市の2018.7月下旬の最高気温は、過去5年平均と比べて約4度も高かった。

平均気温も同様。
今年の7月の猛暑は異常。

しかし今後は「異常気象がなにかしら毎年起きる」と思われる。

異常を「想定外」とせず、想定する範囲を広げ、より安全な住宅を設計していきたい。

…………….

一番簡単な熱中症対策はなんでしょう。

結論から言うと「断熱+冷房」です。

日陰にいても室内にいても熱中症になる可能性があります。

それは「気温(室温)が長時間高まっているとき」です。

およそのメカニズムは、

「連続高温状態→大量発汗→水分不足・塩分不足」

により熱中症が発症します。

熱中症対策によく「水分補給・塩分補給」が言われますが、
その大元の原因である連続高温状態を防ぐことが一番の熱中症対策です。

「室内を冷房する」ということですね。

今まで「エアコンを使うことがなにか悪いこと」のように扱われきた節があります。
(僕の家もそうでした。)

軟弱だとか、地球に悪いとか、お金がもったいないとか、、、

確かに冷房をかければ地球への負荷がかかります。

しかし、暖房のほうが環境負荷は大きいですし、車を利用するのも環境負荷です。

そろそろ
「夏の冷房は贅沢ではなく身を守るために必要なこと。」

という社会認識が定着しても良いころではないでしょうか。

仮にそうなったとすれば冷房を使用することへの「精神的なハードル」はなくなりますね。

あとは「金銭的なハードル」(冷房代)です。

まず、前提として、

・これから異常気象で猛暑が毎年起こる可能性があること。


・発電の電源問題により、電気料金が上がっていく可能性があること。



・地球への環境負荷を低減する必要があること。

などがあります。

ではどうすれば良いのか。

簡単です。

家を高断熱にすれば良いんです。

シンプルにそれだけです。

「猛暑対策」も「電気料金対策」も「環境負荷対策」も全て
家を高断熱にすれば解決します。
(少し雑な言い方ですが)

高断熱と言ってもピンキリありますが、
エスネルデザインが勧める断熱性能はUA値=0.3程です。
(UA=0.3~0.4。※ケースバイケース)
(この根拠はいつかまたまとめます。)

一般的に「高断熱」と言われる家のUA値は0.5~0.6程なので
それの約1.5倍以上良い性能になります。

言うなれば高断熱を超えた超高断熱住宅です。

それだけの性能があれば30坪の家を24時間1ヶ月連続で冷房しても
冷房代は8千円程/月で納まります。
(※条件によりケースバイケース)

これなら「金銭的なハードル」もある程度クリアできるのではないでしょうか。

「そんなに高い性能は不要だ。」

「コストパフォーマンスが悪い。」

という建築会社ももちろんあります。

しかし、この猛暑や発電問題、地球環境を考慮しても同じことが言えるのでしょうか。

もちろん予算もありますし、断熱性よりも広さやデザインなどを求める場合もあるでしょう。

しかし僕は、家づくりにおいて
断熱性能は、資金計画の次に大事な要点だと考えています。
(耐震性は言わずもがな)

なにを大事だと考えているかは設計士により様々です。

強いポリシーがあればそこに良し悪しはないのかもしれません。

なので、なにを重要視した家を建てるかは

建てる方にかかっているんです。

見学会のオシャレな内装に心ときめくこともあるでしょう。

奮発してギリギリの予算までお金をかける場合もあるでしょう。

性能よりも広さや叶えたかった夢を追うこともあるでしょう。

すべて自由です。

しかし、一時の感情で突き進むのではなく、

・家は30年以上住み続けるものであること。

・ローンの返済があること(金利上昇も踏まえ)。

を考慮して能動的に検討し、自分の理想とする家を建ててください。

…………….

僕の個人的な考えですが、家の本質とは

「家族の生活を守ること。」

だと考えています。

それは「経済的な面」と「健康的な面」に大別されます。

・資金計画により、経済的に問題のない範囲で家を建てること。

・高い耐震性、断熱性を確保すること。安全な材料を使用すること。

それが家の本質である「家族の生活を守ること」につながると信じています。

(少しきつめの表現失礼いたしました!)

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設計事務所の仕事『プラン修正・収納計画』‐マルチWICとは‐

ゆうです^^

網川原のエスネル(K様邸)のプランがもうすぐ固まりそうです。

初回プランから大きく2回の修正(改善)をしてきました。

プランは初回のプランでバシっと決まることもありますが、
プランを見ることで気付く気持ち(要望)もあります。

そのため、設計士は新たに出た要望に沿って
「プランの修正」をしていくことになります。

また、具体的に決まってきたプランに「収納計画」を盛り込みます。

上記の図のように、収納スペースを色塗りしてみると、

・全体の収納量は足りているか。


・適材適所の分散収納がなされているか。

のイメージを掴むことが出来ます。

(さらに、どこになにを置くかまで検討できればバッチリです^^)

こういった検討を重ねることで

「収納が足りなかった!」

「ここに収納を設ければ良かった。」

という事態を減らします^^

【収納計画は「S邸リノベーション」でも提案しています。】
設計事務所の仕事『プランの作成・収納検討』‐case.S邸‐

さて、K様への初回プランは4パターン提出させて頂きました。

そのなかの「プランA」を基に進めることになりました。

前面道路側に玄関を取り、南側を開き、水廻りを北側に配置したオーソドックスなプランA。

そして、修正のご要望として、

・洗面脱衣室で「化粧・ドライヤー・室内干し」をより快適にしたいので、もう少し広さが欲しい。


・そのためには延べ床面積が増えることも可。
 (→奥行き3.75間のプランも見てみたい。)

ということでプランを改善しました。

それが下の「プランE」です^^

「マルチWIC」という言葉が初めて出てきました。

『洗面室の再構築』がテーマ。

一般的な「洗面・脱衣・洗濯」の他に「室内干し」「化粧室」「タオル下着収納」「パントリー」の機能を付加しました。

「マルチWIC」が小さな家の「家事・収納の心臓部」になります。

洗濯物の「洗う」→「干す」→「仕舞う」がなんと3m以内で完結するという家事を楽にするプランニング。

「高気密高断熱+全館空調」だから日当たりが悪い北側でも、梅雨時期も冬場もすぐに乾きます。
(すぐに乾かす秘訣は他にもある)

キッチンからの動線も近くて直線で言うこと無し^^

パントリーも化粧台もあるので、北側一列は言わば「家事の大動脈」。

さらに「家族の間」の説明を。

『LDKの再構築』がテーマ。

上記のプランのように
広いLDKを求めるあまり、LとDKが分断してしまっていることが多々ある。
(家族の視線も合わず、会話も生まれづらい→△)

また、LDKは20帖と広さはあるが、よく見ると、
「居場所=座れる場所」は実は多くないことがわかる。

こういったLDKを解消したい。

そういった考えを基に「家族の間」を設計しています。

※「家族の間」の名づけ親は前職場のオーブルデザインさんより。

プランEを送らせて頂いてすぐにK様からメールが届きました。

「すごく感動しております。」

「住む人の事を考えて収納や動線を作ってくれたのが図面からすごく伝わってくるからです。」

ととても嬉しいお言葉を頂きました。

【詳しくはこちら】
【お客様の感想】K様からの感動のメール。

また、奥行き3.75間のプランも作成しました。

収納量は奥行き3.5間のプランEと大差はない。
通路やリビングに少しゆとりが出た。
「スペースのゆとり」と「増えるコスト」のバランスをどう考えるか。

K様の感想は

「少し間延びした感じですね。」とのこと。

(僕も同感です!LOVE Small House!笑)

【詳しい感想はK様のブログをご参照^^】
第2回プラン提案 : 設計事務所と長く愛せる家を建てる

検討の結果、プランE(奥行き3.5間)で進めることになりました^^

そしてその後、

「1階のトイレを横入り+引き戸に出来ませんでしょうか。」

という要望がありました。

実は、マルチWICもさらに改善が出きるかなと思っていたのでまとめて改善しました。

そして、さらなる改善を踏まえ出来たのが「プランE改」です。

・トイレを横入りに修正。

・マルチWICを収納量はそのままに無駄なスペースをスリムに。

・床下への階段を中央に→行き来がより楽に。

など、さらに研ぎ澄まされたプランになりました^^

(構造的な検討も深めています)
(このまま定番のプランになりそうな予感)

スターバックス女池店にて打合せ。

このようにして「プランの修正」が進んでいきます^^

過程の中でプランがより良くなっていきますし、
なによりこの過程が楽しい♪

K様も喜んでくださって嬉しかったです^^

もちろん、叶えられない要望もあります。

100点満点のプランはありません。

また、全ての要望を平均的に満たすことを狙っていくと、ぼんやりとしたプランになりがちです。

ポイントは、メリハリ。

なにが叶えたいのか。なには諦められるのか。

そして、最終的には

「希望が全て完璧に叶えられてはいないかもしれないけれど、これで十分♪」

と満足すること^^

足るを知る心ですね。

その先に、家が完成したあとの「豊かな暮らし」が待っていると考えています。

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


スタバにて。
「カフェミスト」というものを初めて知りました^^

-「超高断熱の小さな家」escnel design-
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設計事務所の仕事『初回に複数のプランを提出する意味・効果。』

ゆうです^^

網川原のエスネル(K様邸)の打合せが進んでいます。

初回プランは4パターン提出させて頂いたのですが、どのプランを基に今後進めていくかが決まりました。

決まったプランは、第一印象で「これが良いな」と感じて頂いたプランと異なるものでした。

K様へ提出させて頂いた4つのプランはそれぞれ優先順位を変えて検討したものです。

・オーソドックスなプラン


・2階リビングのプラン


・LDKの居心地を最大限に優先したプラン


・ひとまわり大きいプラン

など。

それぞれを比較して頂き、
「自分たちは本当はどんな暮らしがしたいのか」に気付いて頂くことが目的です。

(詳しくは下記をご参照ください^^)

設計事務所の仕事『初回プラン提案』‐case.網川原のエスネル‐

楽しみながら共に作る家づくりを。『複数のプランを提示する』

今回、さっそく複数プランを提出したことが効果を発揮しました^^

K様は当初

「プランAは少し普通(無難)な感じですね。」


「プランCが一番希望に近いです。」

とおっしゃられていたのですが、

時間をかけ検討して頂いた結果、

「夫婦で話し合った結果、プランAが自分たちにとって一番合っていると感じました。」


「過不足ないこと。良い意味で無難なことがとてもしっくりきています。」

との回答を頂きました。

この検討(悩む)の過程が大切だと僕は考えています^^

(理想のイメージに近づけることが出来ますし、なにより楽しい♪)

また、

もし、初回提案時にプランCしか提案していなければ、

「イメージどおりです。この方向でお願いします。」

となっていたかもしれませんし、
(気付いていない本心は違うのに)

プランAしか提案していなければ、

「イメージと少し違いますね。こんな感じには出来ませんか?」

となり、次回にプランCを提出し、さらに検討の結果、プランAに戻るという「時間と労力」を使うことになっていたでしょう。

初回にプランを複数提出することは、

建て主様へのメリットだけでなく、

設計士の負担や時間を節約することにもつながると考えています。

そして、それは「コストの削減」や「質の向上」につながり、
最終的には建て主様へと還元されるものと考えています。

…………….

様々な土地に対して、初回に複数のプランを検討することは多大な労力が必要になります。

4パターンも考えられたのは
(考えようという強いモチベーションが湧いたのは)

K様が

「エスネルデザインさんにお願いしたいと考えています。」

と強い意思を伝えてくださったからだと思います。

家づくりはよく「結婚」に例えられます。

一般的な話としてですが

「他の人ともデートしているのでまだ貴方と結婚するかはわかりません。 (でもデートしてください。)」

と言われるより、

「貴方と結婚を前提としたお付き合いをさせてください。」

と言われるほうが設計への想いは強まります。

もちろん、いろんな会社を検討することは大切です。

見学会に行ったり、設計士に話を聞くことは大事なことです。

しかし出来れば「プランを依頼する」ところまで行ったら、
「プラン依頼=交際スタート」と考えて頂き、ゴールに向けて一緒に交際を深めていきたいなと感じております。

そのような交際が始められれば、
設計士は120%の力を発揮してプランを検討すると思います^^
(僕に限らず)

※建て主様がそのように動けるよう、設計士や建築会社はブログなどで「どんな家を建てているのか」「なにを大切にしているのか」を分かりやすく発信することが必要(責務)だと考えています。

【関連記事】…………….

K様が4つの初回プランの比較検討についてブログで書かれています^^

建て主様の言葉はなにより「リアル」ですね!

初回プラン提案(その1) : 設計事務所と長く愛せる家を建てる

初回プラン提案(その2) : 設計事務所と長く愛せる家を建てる

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【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

ゆうです^^

前回から夏の日射熱の影響を調べています。

手始めに、まずは「外」や「車」の蓄熱・表面温度を調べてみました。

サーモグラフィーで温度を見てみると面白いことがわかります。

夏の日射熱の調査の最終的な目的は、

「窓の日射遮蔽はなにがおすすめか」

を見極めることです。

徐々に実験を深めていきます。

今回は車と外について^^

読み進める前に「サーモグラフィー画像を見る際の注意点」として下記の記事をご覧ください。

(特に注意②が重要です。)

S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」

では始めます^^

我が家の前の道。(7/22 7:45)

サーモ画像の大まかな色分けは、
35~40℃(青)~45℃(黄)~50℃
という感じ。

日に当たったアスファルト(約47℃)と木陰(約36℃)では、約10℃の差があるのがわかります。

我が家の土間。(7:45)

ここでも同様ですね。
日向(約45℃)に対して日陰(約36℃)は約10℃低い。

自分の影を撮ってみた。

影になったからといってすぐに表面温度が下がるわけではないことが分かる。
それは、地面が蓄熱しているから。

「窓の日射遮蔽のポイント」は、

日射を室内に入れないこと
=日射熱を室内に蓄熱させないこと。

ということが分かりますね^^

続いて車の調査を。

日差しを浴びていないカーポート下の車内。(7:46)

空気は気温同様少し暑いが、蓄熱はされていない。
空調も良く効く。

冷房しながら通勤した直後の車内。(9:47)
約40分、日を浴びながら走ったが温度的に問題はない。

駐車場は露天。
夏の日差しをたっぷり浴びる。

測定のため昼休み後に駐車場へ。

日中の日を浴びた外部(13:00)
アスファルトは約66℃。ボディは約48℃

車内は天井が約56℃まで上がっていた。
この蓄熱が冷房の効きを悪くする原因。

Nさんの濃紺色のボディは約63℃まで上がっていた。
黒色は熱を吸収しやすいことが分かる。

夕方、再び駐車場へ。(16:20)

夕方は、正面の木が西日を遮ってくれる。
この日射遮蔽による蓄熱低減効果はとても大きい。

ボディは約42℃
13:00の48℃から約6℃下がった。
(アスファルトは約18℃下がっている。昼の照り返しが厳しいことが分かる。)

天井は約45℃
13:00の56℃から約11℃も下がった。
また、計測はしていないが13:00に比べ車内室温もだいぶ下がっていた。

少しわき道にそれますが、
僕の車は、小さいので「蓄熱される量」も少ないです。
(ボディが大きければそれに比例して蓄熱量も増す。)
(大きい車がいつまでも冷えないのはそのせい)

小さい分、日射熱の流入が少ないということ。

それは、冷暖房した熱の流出も少ないということにもつながります。

(冷房した冷たい熱が外へ逃げる量が少ない。
 暖房した暖かい熱が外へ逃げる量が少ない。)

簡単に、家に言い換えると
小さな家は冷暖房費が少なくて済む。ということですね^^

「大きさも家計負担もちょうど良い家」を提案したいですね。

今回、車の表面温度を数値化してお伝えしましたが、
車のほうは多くの方が体感的に知っていることだと思います。

日を浴びると暑くなること(空気が。そして壁天井が蓄熱する)は、住宅も全く同じです。

夏期の日射を遮ることにより、

・冷房費の削減


・体感温度の低減→快適性の向上

が見込まれます。

では、住宅の窓の日射遮蔽の有と無ではどのくらいの違いが出てくるのでしょうか。

そのご報告はまた次回に^^

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


愛車自慢
:小さくて古い車ですが実は空調の効きはとても良い♪
(小さい=空調容積が少ない。から)

【関連記事】…………….

【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

ゆうです^^

現在、夏期の日射取得熱の調査をしています。

目的は「窓の適切な日射遮蔽とは?」の探求です。

すだれ?外部ロールスクリーン?カーテン?なにが良いのでしょうか。

夏場は日射熱を室内に入れると、室温が上がることはもちろん、室内に蓄熱してしまうことが問題です。

よく聞く

「エアコンをつけても部屋が全然冷えない。」

「エアコンの冷気が不快(≒冷房病)。」

という症状は、

「室内の空気は冷えても、室内の壁や天井などが熱を持ったまま。

であることが原因です。

夏の日を浴びた車の中で冷房が効かない体験をされている方はピンと来ると思います^^

日に晒される双太郎。
外装の鉄板がそのまま内装となっている部分もあるので夏の車内は灼熱となる。

「夏の日射を遮る必要がある」ことは理解頂けたと思います。

では、「理想的な日射遮蔽の方法」は?

僕は今まで「すだれ」をお勧めしてきました。

窓の「外側」で日射を遮るのが一番効果的だからです。

そして、木の外壁の家にはすだれが良く似合う^^

その外観を見るだけでもなんとなく涼しくなります。

また「季節によって衣替えする家」というものとても素敵ですよね。

他には「外部ロールスクリーン」という方法もあります。

『山取り樹木の庭と杉板の家』より。

すだれが「日本風」であるのに対し、外部ロールスクリーンは「洋風」ですね。

外壁がシルバーグレーになった後もとても映えると思います。

また、上げ下げが簡易で、使わないシーズンも取り外す必要がないことも魅力です。

僕は「すだれ」も「外部ロールスクリーン」もとても好きです。

しかし、メリットがあれば、デメリットもあります。

【すだれ】


○雰囲気
○コスト(安い)
○交換手間少(買い替え簡単)
○効果大

△取り付け・取り外し手間
 (外部に取り付けるのが面倒、大変)※1
△保管場所に悩む
△カビる、数年で買い替え必要
(外部なので問題は少ないが、床下に収納することに少し抵抗あり)
△台風時に心配あり(取り外すかどうか)

※1.エスネルデザインでは、引き違い窓をお勧めしていません。
 (用途的に必要なところを除いて)

それは、気密性が低いから。

冬場の風が強いときは新築時であっても隙間風が入ってくることもあります。
(パッキンが劣化してきたら、、言わずもがなですね)
築2年のT様の感想(引き違いから隙間風あり)

そのため、居室の窓は「開き窓」をお勧めしています。
(開き窓は気密性が高い。)

ただし、開き窓はすだれの取り付けが少し大変(^^;)

これは仕方がないのですが、なにか改善案はないかなと考えていました。

【外部ロールスクリーン】


○雰囲気
○取り付け・取り外し手間なし(保管不要)
○効果大

△コスト(高い。一箇所数万)
△交換手間大(業者さんに依頼)

要約すると、

・すだれは取り付け・保管に難あり。


・外部ロールスクリーンはコストに難あり。

です。

これは実体験からで、

ここ数年、僕の部屋の窓にすだれをつけていたのですが、
少し面倒に感じてきました(^^;)

外部ロールスクリーンは魅力的ですが、
払ったコストに対する冷房費削減コストのパフォーマンスは△だと感じています。
(ただし、冷房費削減効果ではなく「体感温度の低減」には有効)

そこで現在、お勧め(落としどころ)はどこか考えています。

いろいろと検討した結果、現在有力なのが、

すだれも外部ロールスクリーンもせずに
内部遮光カーテンで日射遮蔽するです。

日射遮蔽効果のみを考えれば窓の外で遮蔽するほうが理想的です。
(なぜなら内遮蔽の場合、サッシ本体は熱されてしまうから)

しかし、コストや手間などを考えると落としどころは変わってきます。

僕の部屋はこの夏はすだれから内部遮光カーテンに変えました。

現在効果を実験中です^^

幅2.6m、高さ1.8mの窓。
遮光ロールスクリーンはニトリさんで合計1万円程(最安)。

とりあえず、安くて楽です^^

これで効果がある程度感じられれば、エスネルデザインの夏期の日射遮蔽方法は「内部に遮光カーテン」になりそうです。

※デザイン的に「すだれが良い」「外部ロールスクリーンが良い」
 または「予算あります」という方は別です。

次回からサーモ画像を用いて実験結果をお伝えしていきます^^

お楽しみに♪

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


日射遮蔽選択の悩み。
:手間だけど本当はすだれの雰囲気がとても好き。

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