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escnel design表札プロジェクト vol.7【新潟三越へ!「J.spirits特別展」】-原惣右エ門工房-

ゆうです^^

エスネルデザインがなんと新潟三越に出展!?

というのは冗談で、原惣右エ門さんが3/20(水)~3/25(月)まで
新潟三越さん6階「J.spirits」にて特別展を開催されています^^

初日に伺って来ました♪

こんなに素敵に飾って頂けるなんて!!!



「エスネルデザインさんの表札を特別展に飾らせてもらっても良いでしょうか?」

その連絡が来たのは開催初日当日の朝でした。

「ぜひ!!」

と即答し、仕事を調整して午後から新潟三越さんへ^^

ライトを浴びて素敵に飾られているエスネルデザインの表札を見てただただ感動しました。

新潟三越さん6階「J.spirits」コーナー。
「21世紀の用の美」をコンセプトに新潟の素材や手仕事、デザインに優れたアイテムを取り揃えている。

6階 J.スピリッツ | 新潟三越 NIIGATA MITSUKOSHI

丸い花器。
斑紫銅の模様が地球儀のよう。

蝋型鋳物の柔らかい表情が伝わる蝶の置物。

白銀製のアクセサリーも。

…………….

数ある展示の中にエスネルデザインの表札が展示されています。

光り輝く「escnel design」の文字。

青銅製(砲金+真鍮)、薬剤による酸化促進無し。
前回(vol.6)の状態からサンドブラスト処理をして酸化皮膜を削り取り、銅の素地に近づけて頂いた。

これにてエスネルデザインの表札は完成!
「escnel design表札プロジェクト」無事完了です^^
(原さんいろいろとご無理を聞いて頂き大変ありがとうございました!)

蝋型で作成したテクスチャー。
正に土から生まれてきたよう。色味もとても良い。

とても感動しました。
(このまま三越さんに常設展示にして頂きたいくらい)

原さんのご厚意でエスネルデザインのパンフレットも置いて頂いた。
「興味がある方にはお話してみますね」ととても暖かいお言葉を頂きました。

…………….

シンガポールのデザイナーとコラボレーションして作品を生み出した「共(KYO)プロジェクト」のパンフレット。

表紙は原惣右エ門さんの工房。とても格好良い。
初めて工房に訪れた際に僕もその場の力に圧倒された。

原惣右エ門さんはご主人と奥様の夫婦ユニット。
表札は主に奥様がデザイン・製作を担当されている。

「共(KYO)プロジェクト」は、経済産業省シンガポールデザイン庁により2016年発足したもの。
国主導の国家プロジェクト、
(すごい方に表札を作って頂いたんだ(^^;))

KYO PROJECT

MTRL HongKongから世界に発信!日本のものづくり事業者とシンガポールデザイナーによる「KYOプロジェクト」 | MTRL(マテリアル)東京・京都・香港 – ものづくりの素材と向き合う 空間/プロジェクト/コミュニティ

…………….

原惣右エ門さんは500年以上の歴史のある伝統鋳物工房。
手仕事による蝋型鋳物を伝統的な工法で今なお作り続けられている。

…………….

原惣右エ門さんの特別展は、新潟三越さん6階「J.spirits」にて3/20(水)~3/25(月)まで開催されています。

柏崎まで来ることなく原さんの鋳物が見れる良い機会です。
(柏崎の工房もとても素敵です!)

機会がありましたらぜひお立ち寄りください。

エスネルデザインの表札の表札も必見ですよ^^!

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【ギャラリー】…………….

ゴーヤの香合。
銅に塩やアンモニアを何度も塗り乾かし、緑青を発生させたもの。
(塗装による色ではない)

爬虫類の肌のようなテクスチャー。
特殊な調合によるもの。同じ鋳肌は二つとして出ない。

【関連記事】…………….

escnel design表札プロジェクト vol.1【デザイン検討】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.2【金属・テクスチャー選定】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.3【蝋型原型製作】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.4【鋳型製作→鋳込み!】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.5【鋳型ばらし】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.6【仕上げ。完成間近!】-原惣右エ門工房-
原惣右エ門工房見学vol.1【鋳込み】-唯一無二の表札プロジェクト-
原惣右エ門工房見学vol.2【蝋型鋳込み→表札!】-唯一無二の表札プロジェクト-

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【秘訣】地盤補強の要不要の判定。「地盤調査結果を読み解く」

ゆうです。

地盤補強という工事についてお話します。

家を建てる土地が軟弱である場合、建てた家が傾いてしまう恐れがあります。

そうならないよう建築前に地盤を調査し、軟弱地盤であれば必要な地盤補強を行います。

その際の「地盤補強の要不要の判定」はどのようにして行われているのでしょうか。

「地盤補強の要不要の判定」について説明する前に、
「地盤調査」をする必要があるのかどうかまとめます。

段階的な説明になりますが、

【建築基準法】では、
建築物の基礎について地盤の沈下または変形に対して構造耐力上安全なものとすることを求めています。

また、
【品質確保促進法(品確法)】で、
新築住宅の基本構造部分の瑕疵担保責任期間を「10年間義務化」することが求められました。

また、
【瑕疵担保履行法】で、
瑕疵担保責任を全うするため、建築業者に「保険加入による資力確保」が義務付けられました。

そして、その保険に入ためには、
「適切に地盤の安全性の判断がなされていることの確認」が必要となるため、地盤調査は実質義務化されています。

※地盤調査を行わなかった場合、基本的に瑕疵担保保険に加入出来ない。

法令に関してはこちらのサイトが分かりやすい。
住宅地盤に関する法令 | NPO 住宅地盤品質協会

…………….

具体的に「地盤補強の要不要」について「地盤調査結果」を読み解いていきます。

地盤調査会社によりまとめられた敷地の情報。
地盤補強の要不要は、調査数値だけでなく、敷地の前歴造成の経過年数近隣状況地下水位などを加味し、総合的に判断される。

地盤調査結果(例)
(下の列に行くに連れ、深さが増していく)
表から「地面~-1.25mまでは砂質土」「~-5.75mまでは粘性土」「-6.0以下は砂質土」であることが分かる。

調査結果からまず「自沈層があるかどうかの確認」を行います。

「自沈層」とは建物が沈みやすい軟弱な地層のこと。

具体的には、スウェーデン式サウンディング試験のロッドが

・基礎底面から深さ2mの間で1kN(≒100kg)以下の荷重で沈下する層。

もしくは

・深さ2mから深さ5mの間で0.5kN(≒50kg)以下の荷重で沈下する層。

(深くなるにつれ荷重が分散するため検定荷重は少なくなる)
それらの層があるかどうか見ていきます。

基礎底面~深さ2mで1kN以下で沈下する層がある。(赤丸)
また、深さ2m~深さ5mで0.5kN以下の荷重で沈下する層もある。(青丸)

「自沈層あり」のため、続いて「沈下の検討」を行います。

【粘性土】:圧密沈下量・傾斜角が許容範囲内かどうかの判定。


【砂質土】:即時沈下量・液状化の判定。

軟弱な粘性土の場合、家の重さに押されて、土の内部の水分が押し出され、地面が下がっていくことがあります。(圧密沈下)

その際、家の四隅でまちまちに沈下した場合、家が傾いてしまいます。

そうならないよう沈下量が許容範囲内か判定します。

砂質土の場合、即時沈下は住宅ではあまり問題になりませんが、「液状化」には注意が必要です。
(液状化については別にまとめます)

では、沈下の程度を見てみましょう。

地盤調査会社からの検定結果。
許容値に対して「長期許容応力度(地盤の強さ)」「圧密沈下量」「傾斜角」NGとなっている。

これらの結果を基に地盤補強の要不要の所見がまとめられる。

「不同沈下の発生が懸念されるため、地盤補強必要。

…………….

大まかにですが、地盤補強の要不要の判定はこのようにして行われます。

ここから先の「どのような種類の改良」「どの程度」行うかは、

・設計者が設定した必要な地盤の強さ
・現状の地盤の強さ
・改良体の支持力(先端支持力、摩擦力)
・コスト

などを加味して算出、選定されていきます。

…………….

家の構造計算に問題がなくとも、地盤に問題があれば元も子もありません。

必要な調査を行い、その調査内容を読み解ける設計者が必要な地盤補強を検討していきます。

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【参考サイト】…………….
ジャパンホームシールドさんの「地盤サポートマップ」では、そのエリアのおよその地盤の強さの把握や、防災情報を確認することが出来ます。

【網川原のエスネル‐09】地盤補強「柱状改良工事」!

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【網川原のエスネル‐08】大安晴天の地鎮祭!

ゆうです^^

先週末は網川原のエスネルの地鎮祭でした。

予報を覆す晴天に恵まれ、素敵な日になりました^^

K様、おめでとうございました。これから安全に工事を進めて参ります!

地鎮祭(じちんさい)とは、建築工事を始める前に、その土地の氏神様を鎮め、土地を利用させて頂く許しを得る儀式です。

工事の無事を祈る儀式でもあり、安全祈願祭と呼ばれることもあります。

神主様により祭壇が建てられる。
今回はAg工務店さんの縁のある神社に依頼した。
(建て主様の縁のある神社に依頼しても良い)

祭壇には「海の幸」「山の幸」「米」「卵」などが並ぶ。
(供え物は神主様に用意して頂く場合が多い。)

最後に「御初穂料」を建て主様から神主様へお渡しします。

また、建て主様には氏神様にお供えする「奉献酒」をご用意して頂く。
(一升×2本(縛り)+熨斗「奉献」+「名字」が一般的)

工務店や設計事務所など関係者も奉献酒をお供えさせて頂く。

僕は、日本酒ではなく、お酒の苦手な方やお子様でも飲めるノンアルコールの「甘酒」を奉献酒とさせて頂きました^^

麹・発酵甘酒 麹 | 今代司酒造さんより。

準備が出来たら地鎮祭開始です。

神主様に「祝詞(のりと)」をあげて頂く。

「玉串(たまぐし)」を受け取り祭壇へ供えます。

他にも土地の四隅をお祓いするなどの儀式が行われる。
(神社により作法や儀式が異なる。)

最後に集合写真を。
K様ご家族を真ん中に、向かって左がAg工務店の渡部さん、右が僕。

…………….

無事滞りなく地鎮祭をおさめることが出来ました^^

K様、おめでとうございました。

近隣挨拶も済み、いよいよ本工事のスタートです。

K様、Ag工務店さん、これから宜しくお願い致します!

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【関連記事】…………….

K様も地震祭の様子をブログに書かれています。

地鎮祭中の「ある事件!?」についても書かれています^^

地鎮祭時に用意するものなどまとめられていてとても参考になります。

地鎮祭 : 設計事務所と長く愛せる家を建てる

【追記】…………….

※地鎮祭での注意点※

地面に張られた地縄(平面)を見ると、

「思ってたよりも小さい!」

と感じられる方がほとんどです。
(3Dを2Dで捉えるため、錯覚が起きる)

K様もそう感じて多少不安だったと言われていました。

しかし工事が進み、上棟するとその不安は払拭されますのでご安心を^^

そのあたりはK様の上棟式のブログをご参照頂ければと思います。

上棟式を終えて : 設計事務所と長く愛せる家を建てる

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escnel design表札プロジェクト vol.6【仕上げ。完成間近!】-原惣右エ門工房-

ゆうです^^

原惣右エ門工房さんとの『escnel design表札プロジェクト』が進行中♪

vol.6は「仕上げ後の様子」です。

9割がた完成です!

感動!!こんなに素敵な表札が出来るなるなんて!!

前回は鋳型のばらしを行いました^^

escnel design表札プロジェクト vol.5【鋳型ばらし】-原惣右エ門工房-

今回は、バリ取りや表面のならしなどの仕上げをして頂いた後の様子です。

あと少し仕上げ工程がありますが、ほぼ完成しました^^!

ここでこれまでの工程を振り返ってみようと思います。

最初にお渡ししたデザイン画。

ここから、、

蝋で原型が作られました。

その上からさらに蝋でテクスチャーがつけられます。
(原型完成)

原型に様々な土を塗っていき、、、

鋳型が出来ました。
鋳型を熱して中の蝋を出してから、、、

鋳込み!!
溶けた金属を流し込みます!

鋳込んだ鋳型を十分に冷ました後、、

鋳型をばらしていき、、

表札が見えてきました!

と、ここまでが前回までの様子でした^^

そしてその後、仕上げを施したものが、、、

どーーーん!!!

唯一無二のエスネルデザインの表札が(ほぼ)完成しました!!

格好良いーーー!!!

しぶい、、しぶすぎる!
地中から掘り出された鉱石ような佇まい。
金属を鋳込んでほとんどそのままの仕上がり。
RC打ちっ放しのような潔さ。

側面には「晴雲」の刻印が打たれている。

湯口の金属が切り落とされた部分は真鍮色になっていた。
表面は酸化皮膜に覆われて色が変わっているが、内部は真鍮色であることが分かる。

赤丸が切り落とされた湯口の部分。

他の方の表札も完成していた。

蝋型ならではの滑らかなテクスチャー。
特殊な薬剤に浸し、銅の酸化を促進させ深い色を作り出している。
これはこれでとても素敵。

すごいコントラスト。
建築で例えるなら、
エスネルデザインの表札は「無塗装の杉板外壁」、
近藤さんの表札は「ウッドロングエコが塗られた杉板外壁」のよう。

僕はどちらかと言えば、これから変化を楽しめる「無塗装」の方が好みかな^^

無塗装の杉板が、、

経年変化によりシルバーグレーになるように、変化の過程を愉しみたい。

【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

完成写真ダイジェスト…………….

撮影:原惣右エ門様

…………….

原さん、
とても素敵な表札を作って頂き本当にありがとうございました。

本当に格好良くて感動しました。

これから大切に使わせて頂きます。

鋳物の製作に携わらせて頂き、鋳物のことを知り、鋳物がとても好きになりました。

どれほど手間がかかっているかを知りました。

歴史ある技術が今なお進化しながら生き続けていることに感動しました。

今後も「いちファン」としてご活躍を応援しております。

いずれは、エスネルデザインのお客様に原惣右エ門さんの表札をご紹介したいと考えております。

私が設計した家に原惣右エ門さんの表札が飾られる日が来ることを今から楽しみにしております。

今後とも何卒宜しくお願いいたします。

「原惣右エ門さんに表札を依頼したい」

という方はお気軽にご連絡ください^^

とても強くお勧めいたします♪

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【関連記事】…………….

escnel design表札プロジェクト vol.1【デザイン検討】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.2【金属・テクスチャー選定】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.3【蝋型原型製作】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.4【鋳型製作→鋳込み!】-原惣右エ門工房-
escnel design表札プロジェクト vol.5【鋳型ばらし】-原惣右エ門工房-
原惣右エ門工房見学vol.1【鋳込み】-唯一無二の表札プロジェクト-
原惣右エ門工房見学vol.2【蝋型鋳込み→表札!】-唯一無二の表札プロジェクト-

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【秘訣】構造計算された家を。「耐震等級3」を勧める理由。

ゆうです。

エスネルデザインの建てる家は「構造計算」を行います。

そして耐震性は「耐震等級3」をお勧めしています。

なぜ構造計算が必要なのか。

なぜ耐震等級1ではダメなのか。

まとめました。

結論から書きます。

なぜ「構造計算」を行うのか。

・カンや経験ではなく、計算により裏づけされた安全を提供するため。


・より耐震性の高い家を設計するため。


・合理的な構造とすることで不要にかかるコストを省くため。

…………….

なぜ「耐震等級3」を勧めるのか。

・震度7の地震が起きたときに、建物が損傷するリスクを出来る限り低くするため。


・損傷によって生じる修復コストを出来る限り少なくするため。


・耐震等級の向上はそこまで大きなコストはかからないため。

…………….

詳しく解説していきます。

まず、

「構造計算をするっていうけど、家ってみんな構造計算されているんじゃないの?」

と思われると思います。

率直に答えると、

全ての家が構造計算されているわけではありません。

むしろ、大半の家が構造計算されていません。

建築基準法には「構造計算」の義務はありません。

あるのは、簡単な「検定」の義務があるだけです。
(壁量の確認、四分割法の検定、N値計算のみ)

そして現在、一般的な住宅はその検定ですら役所への提出を省略して良いことになっています。
(「四号特例」※諸条件あり)

なので、構造計算されていない家は、建物の安全性が十分に満たされているか非常に不透明です。

また、簡易な検定には雪の重さが考慮されていません。

梁や柱の大きさも計算で求めるわけではなく「経験則」で決められているのが現状です。

まとめると、

「構造計算をしない簡易な検定では建物の耐震性や強度が不十分なことがある。」

そのため、エスネルデザインでは全棟、設計者である私が構造計算を行います。

構造計算を他の業者に依頼することもありません。
設計者である私が、間取りと構造を同時に検討します。
(→構造的に合理的な間取りが出来る
 →無理がない間取りは地震時に被害が生じにくい)

設計事務所の仕事『ラフプラン検討。』間取りと構造。

また、より耐震性の高い家を設計するためには構造計算が必要になります。

簡易な検定では最低基準の「耐震等級1」までしか検討できません。

「耐震等級3」の家を設計するためには構造計算が必要になります。

また、構造計算を行うことで不要にかかるコストを省くことが出来ます。

梁など最適な大きさを計算により算出することで、過剰に大きな材を使用することを避けることが出来ます。

これらが構造計算を行う理由です。

自分が家を建てるなら、安全性が計算により確かめられた家が欲しいものです。

(当たり前のことですが、当たり前に行われていないのが建築業界です。)

もし家を建てるならば「構造計算された家」を建ててください。

※一般的な住宅の構造計算は「許容応力度計算」と呼ばれています。
家づくりを検討中の方は担当者さんに「許容応力度計算はされますか?」と聞いてみるとよいと思います。

中越沖地震で被害を受けた建物(2007)。

…………….

続いて、なぜ「耐震等級3」を勧めるのか。

まず「耐震等級」ですが、等級1、2、3が定められていて、等級3が最高レベルです。

構造計算されず簡易な検定で建てられた家は「耐震等級1」です。

それぞれの等級の詳細はこちらをご参照ください。

豊かな暮らしのつくり方。10-3 ー『耐震等級とは。』ー

建築基準法で定められた最低限の基準が耐震等級1です。

では、最低限の「耐震等級1」とは地震に対してどれほど耐えられるのでしょうか。

観測史上初めて震度7が2回起こった熊本地震の被害統計を基に話を進めていきます。

「くまもと型住宅生産者連合会 耐震等級3のススメ」より

国がまとめた熊本地震における建築物被害の統計がこちら。

資料はこちらより。(加筆あり)

熊本地震を受けた住宅(2000年以降の現在の耐震基準で建てられた住宅)のうち、

無被害は約55%

被害ありは約45%

でした。

被害ありのうち約7%は大破・倒壊・崩壊となっています。

ちょっとビックリしませんか?

建築基準法の規定(耐震等級1)で建てた家でも4割以上が被害を受ける。

そのうち約7%は住めないレベルの大きな被害を受ける。

この結果を見て「耐震等級1で足りる」と感じますでしょうか。

※細かく言うとグラフの242棟には耐震等級2や3の家も含まれているため、
それらを除き、耐震等級1の家のみでみれば、被害ありの割合はもっと高まる。

これには理由があり、

建築基準法の規定(耐震等級1)では、震度7は想定外なんです。
(耐震等級1は「震度6強程度の地震に対して倒壊しないこと」を想定している。)

地震は確率の問題であり、法律の基準はあくまで最低限だからです。

なので、熊本地震のように震度7の地震が2回も来た場合、耐震等級1では大破・倒壊・崩壊
する家が出てきています。

(築数十年の家でなく「新築の家」で倒壊・崩壊ですよ!)

※大破・倒壊・崩壊した建物は「正しい設計・施工がなされていなかった可能性」があるため一概には言い切れない。
(調査資料には「倒壊した7棟のうち3棟は施工に問題があり、1棟は敷地の崩壊が原因」とされている。)

そして、さらに恐ろしいのは

被害があった場合、次の地震に同じように耐えられるかは分かりません。

耐震要素が損傷している場合、次の地震では倒壊するかもしれません。

「家は1回しか地震に耐えられないの?」

と考えさせられると思います。

【まとめ】

・耐震等級1は震度7は想定していない。


震度7の地震を受け、耐震等級1の家の4割以上で被害が出た。


・被害があった場合、次の地震に耐えられるかは分からない。

…………….

では、
耐震等級はどれほどなら良いのでしょうか。

「くまもと型住宅生産者連合会 耐震等級3のススメ」より

先ほどのグラフと上の表を比べてみます。

現在の耐震基準(耐震等級1・2・3全て含む)で建てられた家は

無被害は約55%

被害ありは約45%

でしたが、

そのうち「耐震等級3」の家だけ見ると、

無被害は約87%

被害ありは約13%
(軽微・小破。※大破・倒壊は無し)

でした。

地盤の特性、地震力の大きさ、間取り、耐力壁の配置、など諸条件が個別のため、言い切ることは出来ませんが、おおむね
耐震等級3であれば、震度7に対して被害を最小限に留められると言える思います。

そして、無被害であれば耐震性は劣化しないということ。
(同程度の地震であれば次の地震にも耐えられるということ。)

また、無被害であれば修復コストがかからないということ。

(逆に、被害があれば修復コストがかかる。
僕の妻の実家は中越沖地震で全壊し、多大な修復コストがかかった。)

…………….

これらの理由からエスネルデザインでは耐震等級3をお勧めしています。
(積雪量が大きい地域などは要相談)

付け加えれば、
耐震等級1から耐震等級3に性能アップするのにそこまで大きなコストはかかりません。
(必要な耐力壁量が増えるため間取りの制約は増す)
(設計者に知識とスキルがあれば)

だからこそ「耐震等級3が標準」という考え方が広まれば良いと思っています。

それは被災を未然に防ぐ「減災」につながります。

また、耐震等級を高めることで資産価値が高まり、数十年後値下がりせずに家を売ることが出来れば資産を手元に残すことができ、建物(資源)の有効活用にもつながります。

…………….

本当はここに書いたような情報を全ての家づくりのプロが正確にお客様に説明することが理想です。

しかし、全てのプロが説明できるわけではありません。

一生で一度の初めての家づくり。

これから家を建てられる方は「なにが大切なのか」を見落とさないために「自分で勉強すること」も求められます。

「家づくり」は「家族の人生づくり」。

よく考え、調べ、良い設計者と出会えることを祈っております。

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【補足情報】…………….

「近年発生した震度6以上の地震」

1995年「阪神淡路大震災」 震度7
2000年「鳥取県西部地震」 震度6強
2001年「芸予地震」    震度6弱
2003年「十勝沖地震」   震度6弱
2004年「新潟県中越地震」 震度7
2005年「福岡県西方沖地震」震度6弱
2007年「能登半島地震」  震度6強
2007年「新潟県中越沖地震」震度6強
2008年「岩手宮城内陸地震」震度6強
2011年「東日本大震災」  震度7
2011年「静岡県東部地震」 震度6強
2016年「熊本地震」    震度7
2016年「内浦湾地震」   震度6弱
2016年「鳥取県中部地震」 震度6弱
2016年「茨城県北部地震」 震度6弱
2018年「大阪府北部地震」 震度6弱
2018年「北海道胆振東部地震」震度7
2019年「熊本県熊本地方地震」震度6弱
2019年「胆振地方東部地震」震度6弱
…………………………..

出典:全国地震動予測地図2018年版 地図編

【地震・耐震性など関連記事】…………….

熊本地震から2年。『耐震性』を今一度考える。

豊かな暮らしのつくり方。10-3 ー『耐震等級とは。』ー

『中越沖地震から10年』家を建てる上で最も大切なこと。

『中越沖地震から11年。』家を建てる上で最も大切なこと。

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「暖かい家で暮らしたい。」叶えるために必要な要素とは。

ゆうです^^

「暖かい家で暮らしたい。」

という想いがあります。

家を建てるなら、なによりまず「暖かい暮らし」が出来る家をお勧めします。

暖かい家を作るにはどうすれば良いのでしょうか?

「断熱性を高めれば良いのでは?」

それだけでは不十分なんです。

僕がなぜ「暖かい家」をお勧めするのか。

それは、
僕が寒がり冷え性だから(^^;)
(歳と共にさらに代謝が落ちていく、、)

また、
冬場に僕や家族が毎年風邪を引くのを解消したいから。

そして、
知識と技術を持った設計者・施工者が建てれば暖かい家は造れるということを経験したからです。

現在、新築住宅なのに寒い家が多く建てられています。

それは、

・プロに暖かい家を作る知識がない。
(お客様に説明できない。)

・性能ではなく、内装やキッチンなど売り込みやすいものに予算を配分している。
(性能は二の次)

など、

「目に見えるもの、写真映えするもののほうが伝えやすく売りやすい。」

という面があるため、断熱性・気密性などの性能面が疎かにされがちだからです。

これは非常に残念でもったいないこと。

内装などは慣れますが、寒いのは一生慣れません。

毎年、辛い想いをすることになってしまいます。

一生に一度の買い物である家。

叶える優先順位はとても重要です。

エスネルデザインでは「暖かい家」を提案いたします。

では、暖かい家を作るにはどうすれば良いのでしょうか?

「断熱性を高めれば良いのでは?」

それだけでは不十分です。

必要な要素は

・断熱性
 暖気が逃げづらい厚さ・性能の断熱材が十分に施工されていること。

・気密性
 隙間から暖気が逃げていかないよう家全体の隙間が少ないこと。

・空調計画
 適切な能力の暖房器具選定、暖気を個室に送り込む循環ファンなど「暖気が家中にくまなく広がる」よう計画すること。

・空調が家中にまわりやすいプランニング
 廊下の有無、戸の有無、吹き抜け、トイレの配置などの検討。

ポイントは

「家中全館暖房が出来るかどうか」
(=全館暖房するつもりで設計しているかどうか)

です。

例えば(仮に断熱性がそこそこ高かったとしても)

・トイレとリビングが廊下で仕切られている間取りは、リビングしか暖房されず、廊下やトイレは寒いままになりがち。

気密性が低ければ、暖気は天井の隙間に向かって逃げてしまう。

・断熱性が低ければ熱の逃げが多くなり暖房費が高くなり設定温度を低くしたり、つけたり消したりするなど我慢しがち。

など、「断熱性が高い」だけで「暖かい暮らしが出来る」とは言い切れないんです。

「暖かい家」とは「家中が暖房されている家」。

リビングが暖かくても、廊下やトイレや浴室が寒ければ「寒い家だ」と感じると思います。

断熱性が高くても、暖房できないないなら意味がないわけです。

ここが設計者の力量。

重要なのはそれぞれの要素をバランスよく満たすこと。

意思を持ってそれぞれを設計することで初めて「暖かい暮らしが出来る家」が完成します。

【備考】…………….

小さな家は容積が小さいため、暖房費を抑えることが出来ます。
また、断熱材の材料費や施工費も抑えることが出来ます。

また、超高断熱仕様は電気代(=暖房費)が上がった際のリスクヘッジにもなります。

…………….

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【暖かい暮らしを送られている方の感想はこちら】…………….

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

【お客様の家】築半年のY様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

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【網川原のエスネル‐07】地盤調査と地縄張り。

ゆうです^^

今週末は網川原のエスネルの地鎮祭です!

それに先立ち、地盤調査地縄張りを行ってきました。

地盤調査とタイミングを合わせ、Ag工務店さんと一緒に現地で地縄張りを^^

「地縄張り」とは配置を確認するため、間取りに沿って地縄を張る作業のこと。

地鎮祭の際に建て主様に配置を確認して頂きます。

配置に沿って地縄を張る。
いよいよ工事が始まります!

境界からの離れを見る。
(正確な配置は基礎工事に入ってから再度確認する)

隣地とのRC擁壁も養生が取れた!
打ち放しRCは存在感があり外構の印象が締まる。

同時に地盤調査が進みます。

「スウェーデン式サウンディング試験」により地盤の強度を測定する。
想定耐力に足りていなければ「地盤改良」など対策が必要になる。

ロッドを足しながら徐々に地中深くまで差し込んでいく。

足されるロッド。
最大で15m程まで地中に差し込まれる。

スクリュー状になったロッドの先端。

「スウェーデン式サウンディング試験」とは
・ロッドに段階的に荷重(~100kg)を加え、地面に貫入させて行く。
・加えた荷重だけでは貫入しなくなったらロッドに回転を加えていき、さらに地中を掘り進める。
・地中を進んだ際に掛かった荷重や回転数を基に地盤の強度が算出される。

また、強度と共に砂質土、粘土、腐植土などの土の性質も調らべられ、土の種類に応じた地盤改良が検討される。

事前の周辺データで分かっていたことですが、
調査の様子を見ても地盤補強は必要になりそうです。

軟弱地盤に地盤補強無しで家を建てた場合、
地面が不均等に沈下した場合、家は傾いていきます。

そんなリスクを抱えては安心して住むことは出来ません。

適切に調査し、結果を検討し、適切な改良を行い、安全に工事を進めていきます。

【おまけ】…………….

週末の地鎮祭はエスネルデザインにとって初めての地鎮祭!

気持ちも高まります^^

さて、K様への御祝いを用意しました。

地鎮祭で渡される奉献酒は一般的には「日本酒1升×2本」。

1本を神様へお供えし、1本を建て主様が受け取ります。

しかし、他の方からのお酒もあるため「日本酒を何本ももらっても、、」と考え、僕の奉献酒は日本酒ではないものにしました。

K様、お楽しみにです^^

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【お客様の感想】超高断熱住宅の「洗濯事情」。

ゆうです^^

先日、家づくり検討中のお客様より質問がありました。

「超高断熱の家って洗濯物の乾きはどんなですか?」

良い質問ですね!

回答します^^

超高断熱住宅に住まわれているT様Y様に洗濯事情について教えて頂きました^^

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」

【お客様の家】築半年のY様邸に訪問①「家具が置かれた生活の様子。」

【T様邸】
・洗濯機は乾燥機無し。洗濯物は部屋干し。
・洗面脱衣室に物干しポールあり(1.7m×2本)+浴室にポールあり(1.7m×1本)
(床下エアコンは洗面脱衣室となりの玄関に設置)

【Y様邸】
・洗濯機は乾燥機無し。洗濯物は部屋干し。
・洗面脱衣室に物干しポールあり(1.7m×3本)
(床下エアコンは洗面脱衣室内に設置)

※床下エアコンが近いと洗濯物はより乾きやすい。
洗面脱衣室に洗濯ポールを設置することで「洗濯」→「干す」の動線を短くしている。

Q1.干す場所は一年中洗面脱衣室ですか?

T様
「洗面脱衣所と浴室がメインで、リビングの窓にかけることもあります。」

Y様
「基本的には洗面脱衣室です。シーツやズボンなど嵩張るものは2階に干す事もあります。」
(Y様邸は2階にも洗濯ポールあり)

Q2.洗面脱衣室の洗濯ポールの量は足りていますか?

T様
「子供の洗濯物が増えて(保育園で使うタオル類などもあり)そこだけだと足りなくなりました。
干そうと思えば干せますが洗面所が使えなくなってしまうので少し余裕を持たせる意味でも浴室を使ってます!
あと今は冬場で量が多いというのもありますね!」

Y様
「1日分がちょうど干せて少し余裕があるくらいです。
ポール3本にしていただいて良かったです。」

【村松まとめ】
乾燥機を使わず部屋干しする場合、ポールは1.7m×3本あると十分そうです^^
(「洗面脱衣室2本+浴室1本」or「洗面脱衣室3本」)
※子育て時期の洗濯量で

Q3.一番洗濯物が乾きづらい時期はいつですか?

T様
「エアコンを使わない時期なので春秋の少しの間ですかねぇ。
ただ通年で乾きにくいとあまり感じないので強いて言えばという感じです。」

Y様
「エアコンを止めてた時期(5月)が乾きが遅いような気もしますが、翌日には乾いているのであまり気にしたことないです。
昨年は除湿運転していたので梅雨〜夏も問題なく乾いてました。」

Q4.季節によりおよその洗濯物の乾く時間はどのくらいでしょうか?

T様
「あまり考えたことがなかったのですが、エアコン入れてる時は夏も冬も夜干して朝から昼には乾いてるような気がします。
基本的に1日一回は洗濯してるので通年1日あれば乾いているということかと思います。」

Y様
「常に1日かもっと早く乾いています(朝干して夕方には乾いていると思う。)」

【村松まとめ】
通年を通して部屋干しの乾き具合は特に問題ないようです^^
(T様、Y様ほとんどご意見が同じですね!)

Q5.洗濯に対して工夫されていること・考えられる改善点などがあれば教えてください。

T様
「浴室は循環ファンを活用しています。
リビングで干す時は床下エアコンのスリットの真上でパーカーやズボンなどの少し乾きにくいと思われるものを選んで干してます。」

Y様
「2階にシーツやジーンズ等干す際はサーキュレーターを使う事もありますが、基本的には脱衣室の循環ファンで良く乾くので困る事はないです。
乾くのが早いので脱水時間も短くて良い気がします。」

【村松まとめ】
循環ファンとは壁に内蔵したサーキュレーターのこと^^
(エスネルデザインでは標準で提案しています)
風を送ることで洗濯物の乾きやすさは格段に高まる。
床下エアコンのスリット上部もよく乾きそうです。

Q6.シーツや布団はどのように干されていますか?

T様
シーツ
「浴室と洗面脱衣場のポール、またはハンガーにかけて階段に引っ掛けたりしてます。(見栄えはあまり良くありませんが、、)」

布団
「吹き抜けの廊下の手すりに干します。
効果のほどはわからないですが気持ちの問題ですかね(笑)」

Y様
シーツ
「大きいものは2階に干してます。」

布団
「キャットウォーク手摺りに干すと日射でふかふかになるようですが、基本的には乾いてるので、あまり干す必要性はないです。
家が暖かいので、布団自体も薄くてより乾きやすいのかもしれません。
子供が保育園で使っているお昼寝布団とか干せて良いです。」

Y様邸の吹抜のキャットウォーク上の手摺。

家中暖かいので冬場も薄手の布団で済むのも高断熱住宅のメリット^^
(来客用の布団セットも減らせる)

T様からは

「引っ越してから生乾きの匂いを経験したことがありません。」

とのお言葉も頂きました^^

「高断熱+全館空調」ならではですね♪

まとめると、エスネルデザインの超高断熱住宅は

・一年を通して室内が寒くないこと。
(=全館空調されていること)

・湿気っていないこと。

+床下エアコンの暖気を活用すること。
(=洗面脱衣室付近に床下エアコンを設置)

+循環ファンで気流を与えること。

などの効果により、洗濯物の乾きはとても良いです^^

また、乾きだけでなく、

「洗濯」→「干す」→「たたむ」→「仕舞う」

動線にも配慮して設計したいものです^^

網川原のエスネルのマルチWIC

…………….

T様、Y様、ご協力頂きまして大変ありがとうございました。

実際に暮らされている方のお話はなにより参考になります^^

今後の提案に活かさせて頂きます!

ありがとうございました!

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【関連記事】…………….

【秘訣】洗濯乾燥機の使い心地とは。洗濯と物干しと乾太くん。

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

【お客様の家】築半年のY様邸に訪問①「家具が置かれた生活の様子。」

【お客様の家】築半年のY様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

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『東日本大震災から8年』家を建てる上で最も大切なこと。

ゆうです。

今日は3月11日。

8年前「東日本大震災」が起きた日です。

「思い出すこと」

「学んだことを明日へ活かすこと」

を再認識する一日だと感じています。

2011年3月11日、僕は新潟市で住宅営業マンとして働いていました。

ちょうど業者さんとの打合せ中に大きな揺れ。

「これはやばい!」

と感じ外へ避難したことを鮮明に覚えています。

その後、6月に福島県新地町、7~8月に宮城県石巻市へ
復興ボランティアに参加し、被害を自分の目で見てきました。

多くは語りませんが、とても大きな経験でした。

その時の体験が今の住宅設計士という仕事に大きな影響を与えています。

また、「中越沖地震」が僕にとって住宅観を変える出来事でした。

過去記事より…………….

中越沖地震で被害を受けたことがとても大きな経験値となっている。


すべては経験。


あの日の最悪であった体験は、今日の生きた力になっている。




時間が経つとどうしても忘れてしまう。



しかし、節目節目であのときを思い出し、




明日を生きるための力に変えていこう。

…………….

詳細は下記記事をご参照。

『中越沖地震から10年』家を建てる上で最も大切なこと。

また昨年、災害時の対応・対策としてどんなことが出来るか考えました。

端的にまとめると、

1.死なないこと。


2.精神的に死なないこと。


3.経済的に死なないこと。

そのために「家」はなにが出来るのか。
どのような家を建てることが「死なないこと」につながるのか。

被災した経験があるから感じることがあります。
詳細は下記記事をご参照。

『中越沖地震から11年。』家を建てる上で最も大切なこと。

「家づくりは人生づくり。」

どんな家を建てるのか。

日常的な想像だけでなく、非日常的な想像まで。

「想いと経験のある設計士であること。」

震災の日が来る度に、そういう存在でありたいと思い返します。

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【地震・耐震性など関連記事】…………….

熊本地震から2年。『耐震性』を今一度考える。

豊かな暮らしのつくり方。10-3 ー『耐震等級とは。』ー

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【秘訣】窯業系サイディングは勧めません!「劣化とメンテコスト」

ゆうです^^

エスネルデザインでは外壁に「窯業系サイディング」を勧めていません。

理由はメンテナンスコストが高いから。

そして、劣化するから。

写真は築22年の僕の実家の外壁。
(窯業系サイディング)

「窯業系サイディング」とは。

住宅に使用される外壁材で

・セメント質と繊維質を主な原料にして板状に形成したもの。


・柄や凹凸などデザインが豊富。


・施工がしやすい。


・防火性能が高い。


・価格帯が幅広く安価なものも多い。

などの特徴があり、現在の住宅の多くは外壁に窯業系サイディングが使用されています。

特に「デザインが豊富」で「施工もしやすく」「安いものも多い」ため、施工業者からすればとても使い勝手の良い外壁です。

しかし!

エスネルデザインでは窯業系サイディングをお勧めしていません。

なぜか?

・メンテナンスコストがかかるから!
・再塗装しないと劣化するから!

窯業系サイディングの弱点は、基材に防水性が無いことです。
防水性はサイディング表面に施された塗装が担っています。

しかし、その塗装の寿命も10年前後で失われ始め、防水性を保つためには再塗装が必要になります。

再塗装をせずに放置していると、雨水が基材内部に浸入し、基材がボロボロになっていきます。

特に冬場氷点下になる地域では、基材に侵入した水が凍り、爆裂を起こす形で基材をよりボロボロに劣化させます。(凍害)

塗装が剥げ、基材が露出した窯業系サイディング。
こうなってしまうとこの上に塗装してもまたすぐに剥げてきてしまう。

健全な部分は健全。
(劣化が目視確認出来るのは全体の数%。)

ちなみに築12年程のときに全面再塗装を施しましたが
その際には約80万円ほどかかりました。
(足場などで費用がかさむ、、)

日本窯業外装材協会HPより。

日本窯業系外装協会のHPには、
「5~10年程で再塗装」
「10~16年程で再塗装」
「17~22年程で再塗装」
「23~27年程で再塗装
「25~35年で張替え」と書かれている。
(使用条件により異なる)

この通りに行うなら再塗装費は27年のうちに約80万×4回=約320万円かかることになる。

劣化した窯業系サイディング。

サッシまわりのサイディングのヒビ割れ。
(親父がコーキングで応急処置をしている)
(おそらく中越沖地震の影響あり)

…………….

ちなみに、外壁が劣化したことで家の壁内に雨水が侵入するかどうかは別問題です。

それは「防水シート」が二次防水層として働いているからです。

しかし仮に、外壁の劣化が防水上問題がなかったとしても、
美観上は厳しいものがあります。

窯業系サイディングは新築時は綺麗ですが、その一部がボロボロになっていたりすると途端に全体がみすぼらしく感じてしまいます。
(街でそういった家を見られたことがあるかと思います。)

工業製品は一部が劣化すると途端にみすぼらしくなってしまいます。

そこで、エスネルデザインでは外壁に自然素材である「杉板」をお勧めしています。

杉板は全体的に経年変化し、シルバーグレーになっていきます。

一部が極端に劣化するのではなく、全体が徐々に変化していく点がポイントです。

日本の杉材であれば価格もそこまで高価ではなく、風合いも良く、劣化が目立ちづらく、無塗装であれば再塗装などのメンテナンスも不要。

また、「新潟の原風景」を未来へつなげる。という価値もあります。

好みであればなかなか優秀で素敵な外壁でとてもおすすめです^^

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【関連記事】…………….

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【S邸Web内覧会⑥】「プロ撮影による完成写真たち。」