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豊かな暮らしのつくり方。10-3 ー『耐震等級とは。』ー


ゆうです^^


前回、

「僕が考える良い家の条件。2017」


と銘打ち、良い家の条件をあげました。

いくつか説明を省いていたので補足しようと思います。

今回は、耐震性を示す指標である

耐震等級

について書きます。

ーーーー

前回のブログで、


良い家の条件は、

耐震等級3を満たす!


と書きました。



簡単に説明します。
(正確に知りたいという方は検索して調べてみてください。)



【初級編】

耐震等級は耐震性能(地震への強さ)を表しており、

等級の数が大きいほうが、耐震性が高いことを表しています。


等級は、現在、等級1、等級2、等級3が定められています。




『耐震等級は、耐震性を示す指標。』

『大きいほうが耐震性が高い。』



『等級3が最高ランク。』

以上!

【中級編】

当然、


「等級1と2と3はどれくらい強さが違うの?」


という疑問が浮かびますよね。



サクサクいきます♪





「等級1」は、
建築基準法で定められている基準(=必要最低基準)です。




震度5強程度の地震に対して、損傷しないこと


また、


震度6強程度の地震に対して倒壊しないこと


を基準にしています。


(「損傷」とは、構造材に対してであり、仕上げ材などの損傷は許容しています。)




構造計算をしていない家はすべてこの等級1です。






「等級2」は、
等級1で想定した地震の1.25倍の地震力に耐えられることを基準にしています。

病院や学校に最低限求められる耐震レベルです。


「等級3」は、
等級1で想定した地震の1.5倍の地震力に耐えられることを基準にしています。



消防署や警察署など防災時に拠点となる施設に求められる耐震レベルです。

※補足として、
耐震等級は、震度とは直接むすびついていません。
あくまで、建築基準法で想定する地震力の何倍まで耐えられるかが基準になっています。











でも、1.25倍とか、病院レベルとか言われても、


それが必要なのかどうか、地震を受けたときの被害レベルはどのくらいなのか


いまいちピンときませんよね。




ただ、今ある基準の話をする場合、ここまでが限界なんです。





でも、これじゃあ建て主側としては判断ができない、、、、、





そこで!

ズバッと端的に!

【超訳編】



※超訳編を書く前に前置きさせてください。

「地震は、まだまだ未知の部分が多く、誰も地震に対して断定的に説明することはできない」ということ。


(地震は規模、周期、地盤の弱さなど条件が細かくそれぞれ違うため)




「震度6強だから、家へのダメージ量は○○だ。」




と簡単にいうことはできないということです。



同じ耐震性だったとしても、
同じ震度6を受けても損傷の軽い家もあれば、
倒壊してしまう家もあるんです。




なので、

必要な耐震等級について明言することは非常に難しいんです。


(住宅のプロでも上手に正確に上手に説明できる人は少ないと思います。)

そのため、なんとなくの説明で深くは話をしないケースが多いと思います。

しかし!
それではこれから家を建てるひとのためになりません。



これから書く文章は正確に言えば、正確ではありません。




わかりやすさを優先し、超訳として書きますのでご理解ください。








それでは、、










「等級1」は、


震度6強程度の地震に対して倒壊しないこと。


言い換えれば、

震度7の地震は想定していません。
倒壊するかもしれませんということ。



熊本地震では、震度7が連続して2回起き、多くの家が倒壊しました。



建築基準法は震度7、ましてや震度7が複数回くることは想定していないんです。


そのレベルが耐震等級1です。構造計算も基本的にしません。





「等級2」は、
・震度7の地震で倒壊しないかもしれません。
(※震度7が複数回きたらどうなるかわかりません。)


・震度7がきたら、家が損傷する可能性があります。
=修復費用がかかります。

耐震等級2は、基本的に構造計算をします。

まず、構造計算をする等級2と、構造計算をしない等級1の間には、

安全性に対して、天と地ほどの差があると思ってもらっていいです。

(等級1は構造計算ではなく、簡易な検定を少しする程度です。)

計算によって裏づけされた耐震性(安全)がない家は、
僕だったらほしくありません。

ーーー

ここからは僕の設計思想の話。

今まで、僕は、「耐震等級は2あればまず良し」と考えていました。

しかし、熊本地震で、震度7が複数回くるかもしれないという
新たな現実を目の当たりにしました。

また、地震に家が耐えたとしても、家が損傷していれば、(見えない構造的な部分)
次にくる地震にはまったく耐えられずすぐに倒壊してしまうかもしれません。

一度でも家が地震を受けてしまうと、
家の耐震性は「ゼロ」になってしまうこともあり得るということです。

耐震性がどれほど残っているのか、
その調査をするのにお金がかかり補修をするのであればさらにお金がかかります。

(地震保険は、家が傾くなど目に見えた大きな損傷がなければ出ません。)

家は一度、地震に耐えればいいのか。

その後の安全性や資産価値はなくなってしまうのか。

調査・補修にまた数百万のお金を払わなければならないのか、、、

先へ進めます。

「等級3」は、
震度7の地震で損傷しないかもしれません。
(※震度7が複数回きたらどうなるかわかりません。)

あくまでこれは、可能性としての話しかできませんが、

等級3があれば、震度7の地震を受けても損傷する可能性を低くすることができます。


「損傷しない」=「耐震補修費用がかからない」ということです。




もちろん、地盤や地震の規模などによりますが、
等級2よりは損傷する可能性を減らせるということです。




僕は、自分がこれから新築を建てるのであれば最低限このレベルは必要だと思っています。

実際に、熊本地震で震度7を受けた家でも、耐震等級3の家は損傷がなかったという調査結果もあります。
(もちろん等級2でも損傷がなかった家もたくさんあると思います。)



※補足
震度は7が規定の最高でそれ以上の規定はありません。
そのため、震度7の地震の強さには上限がなく、
震度6強を少し超えたものも震度7ですし、震度6強の10倍の地震も震度7なんです。
なので、震度7の地震をひとくくりに話すをすることはできないんです。

ーーーー










求める耐震性能を、


「安全(倒壊するかしないか)」


レベルで考えるか。




「損傷(補修を必要とするかしないか)」


レベルで考えるかで


大きく設計方針がかわります。




これから、新築を建てるのであれば、


安全性は最低限当たり前に満たすべきで、


損傷について考えるべきだと考えています。




要するに、




震度7が来て家が損傷したら、
多額の補修費用がかかる!
(地震前の耐震レベルに戻したければ)

これから新築するのであれば、できる限りその可能性は低くしておきたいですよね。
という話でした。




※メーカーによって違うと思いますが、
 等級2から等級3への変更する際に、実際にかかる変更差額は微々たる物です。
 あるとすれば、間取りの制約が増える。(=設計の手間が増える)くらいです。
 (僕は追加費用をもらうレベルの手間とは考えていません。)






ーーーー


地震に対する考え方は自由です。



「この土地に地震はおきないだろう!おきたらそのときはそのときだ。」




と割り切り、構造計算もせず、耐震等級1の家を建てるという選択肢もありでしょう。


違法ではありませんので、それは建て主の考え方次第です。






しかし、


実際に2度の大きな地震を体験し、実家も大きな被害を受けた僕としては、


耐震性は最低でも等級2、基本的には等級3をおすすめします。





ーーーー



耐震性については、今まで起きてきた地震の話とともに、

追ってより詳しくお話したいと考えております。




長々と堅い話を最後までお読みいただきありがとうございました。

ーーーー 



【追記。耐震性についてより詳細な記事をまとめました!必読です!】

【秘訣】構造計算された家を。「耐震等級3」を勧める理由。

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豊かな暮らしのつくり方。10-2 ー『断熱性「UA値」とは。』ー



ゆうです^^




前回、


「僕が考える良い家の条件。2017」


と銘打ち、良い家の条件をあげました。

いくつか説明を省いていたので補足しようと思います。

今回は、断熱性を示す指標である

UA値

について書きます。

ーーーー

前回のブログで、


良い家の条件は、


UA値=0.4以下!


と書きました。




家づくりを初めてすぐの方にとっては、


「UA値ってなんじゃそりゃ?」



ですよね。



簡単に説明します。
(正確に知りたいという方は検索して調べてみてください。)






【初級編】


UA値は断熱性能(熱の逃げる量)を表しており、


数値が少ないほうが熱の逃げる量が少ない=断熱性が高いということになります。




『UA値は、断熱性を示す指標。』


『少ないほうが断熱性が高い。』





以上!!








【応用編】


光熱費は、UA値の大きさに連動します。


UA値=0.8の家とUA値=0.4の家を


もろもろ同じ条件で、暖房したら、

UA値=0.8の家は、UA値=0.4の家より2倍弱の光熱費がかかることになります。






『光熱費はUA値に連動する!』






以上です!


これくらいで差し当たり十分です。










【補足】


前回少し触れた「断熱等級4」ですが、


UA値でいうと約0.8です。(地域によって異なる)


現在、断熱等級は等級4が最高ランクとなっていますが、


ほとんどの全てのメーカーが等級4を満たしていると思います。


要するに、最高ランクの設定が低すぎるんです、






僕が考える良い家の条件は「UA=0.4以下」です。


最高ランクである断熱等級4の倍以上の性能になりますね。

ありませんが、無理やり等級に換算すれば、等級8とかになるんでしょうか。

断熱等級4は、
今ある規定では最高ランクになっていますが、
必要十分な性能としては「最低限」と考えてください。








(余談)



ちなみに、断熱等級は「H25年省エネ基準」に定められているのですが、


この基準の前の名前は「次世代省エネ基準」でした。




なので営業マンは、




「断熱性は、次世代省エネ基準の最高ランクを満たしています。」




と説明していたのでした。






「次世代」基準で最高ランク。






なにも知らずに聞けば、十分性能が高そうだと思いますよね。






「車で言えば、プリウス的な燃費レベルなのかな?」


なんて言ったって「次世代」ですからね!








さて、




この基準、いつできたと思います?






なんと、、、








1999年です!!





20世紀にできた基準を


「次世代省エネ基準」と呼び続けていたんです。笑






住宅業界はそういうところがあります。


疑問が浮かんだら、営業マンに聞いて済ますのではなく、


ぜひご自身で調べてみてください。






ーーーー


なぜUA値=0.4以下なのか。


0.4以下だと、暖房費はいくらくらいで、どのくらい快適なのかなど、


より詳細な話は今後、まとめていこうと思っています。




【関連記事】…………….

【「超高断熱」とは】網川原のエスネルの断熱性はUA=0.24

【秘訣】UA値は燃費の指標ではない!住宅の燃費とは?「q」とは?

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豊かな暮らしのつくり方。10 ー『新築住宅03「良い家の条件。2017」』ー

ゆうです^^

前回、「仕様の決まり方(例)」ということで話を書きました。

「間取りや設備のグレードアップの検討が先にきて、

その検討で心身ともに疲れて、予算もギリギリのため、

耐震性や断熱性は深く検討できていない」

ことが往々にあるという話でしたね。

そうならないように、

「間取りなどの打ち合わせに入る前に、
 良い家の条件を知っておこう!」

ということで

今回は、いよいよ

「僕が考える良い家の条件。2017」 

をお伝えしようと思います。

※設計手法などは条件に含めません。あくまでハードとしての条件です。

いつも前置きが長くなってしまうので

今回は端的に結論から書きます!

「僕が考える良い家の条件。2017」




【断熱性】

UA値=0.4以下!

「UA値ってなんじゃそりゃ?」で結構です。

そのときがくればわかります。

今は「UA値=0.4以下」だけ覚えておいてください。

後日、補足でブログを書きます。(←書きました)

今回は概要を伝えるために次にいきます!

【耐震性】

耐震等級3を満たす!

「等級いくつまであるの?」

今は知らなくて結構です。

次にいきましょう。

補足ブログかきました。

認定取得】

長期優良住宅認定取得!

「なんじゃそりゃ?」

いいんです。

長期優良住宅の認定は取得してください。

よくある「長期優良住宅相当」じゃあダメですよ。

しっかり国の認定をとってください。

理由はまた後日に。





【手元に残る書類】

○設計図書一式
 
 平面図・立面図・断面図・配置図・仕様書・展開図・設備図、、、
  
 この当たりは通常どこのメーカーでもあります。

 上記+詳細図が必要です!

 ポイントは 
 ・雨漏り対策、屋根や壁の換気経路、
  シロアリ対策、壁内結露対策
   など耐久性に関する内容が確認できる図面があるかどうか。
 
 ・断熱材の仕様、気密の仕様
   に関する内容が確認できる図面があるかどうか。



○構造計算書一式
 ※長期優良住宅認定時に中身を確認して認定してもらったもの
 
 耐震等級3が満たされているか確認してください。
 
 構造計算書が手元に残っていないと、
 本当に規定の性能があるのか第三者が判断できません。



○断熱性計算書一式
 ※長期優良住宅認定時に中身を確認して認定してもらったもの
 
 UA値が規定の数値であるか確認してください。
 
 断熱性計算書が手元に残っていないと、
 本当に規定の性能があるのか第三者が判断できません。



○工事監理記録一式
 ※担当建築士本人による工事監理(現場が図面どおりにできているかの点検作業)
  が行われた記録一式。
  
  特に重要なのは、住んでから見えなくなってしまう
 基礎、構造、屋根、壁内、などの写真付きの記録です。

ーーーー

差し当たり、最低限の「僕が考える良い家の条件」は以上です。

まとめると、

家のハード的な条件は

○「断熱性:UA値=0.4以下確保」

○「耐震性:耐震等級3確保」

だけですね。

最低限の条件のため、最低限の項目にしぼっています。

そのほかの条件は「家の内容を担保するための資料」でした。

○長期優良住宅認定取得

○設計図書一式、構造計算書一式、断熱性計算書一式、工事監理記録一式。

「家の仕様を担保するための書類」の条件のほうが数が多いですね。

その理由は長くなるので後日補足ブログを書きます。(←書きました)

ーーーー

「良い家の条件とはなにか」

僕が考える良い家の条件とは、

「20年後に、もう一度家を建てるとしたらなにを優先するか。」




「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」

この2点を考えながら導き出しました。

ーーーー

「20年後に、もう一度家を建てるとしたらなにを優先するか。」

僕は今、築35年の妻の実家に住んでいます。

住めば都です。

新築のように今風なオシャレな感じはありませんが、
古い家でも十分満足して住んでいます。

しかし!

我慢できない(改善したい)ことが2つあります。

冬の寒さ耐震性です。

毎年冬になると、廊下が寒くて嫌になります。

毎朝、布団から出るのがつらいです。

夜にトイレに行くのも億劫です。

こればっかりは人間、何年たっても慣れません。

断熱性は、「快適性」と「光熱費」だけでなく、

「心の健康」

にも作用してくるんです。

また、この家は中越沖地震で被災し、全壊となりました。

家を直すのに、新築住宅を建てるのと同じくらいのお金がかかりました。

昔の耐震基準だったからです。

耐震性は、「安全性」だけではなく、



「修復のための金銭的な負担」

にも影響してくるんです。

ーーーー


「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」

中古住宅を買おうと見学したとき、

たいてい、中古住宅は見た目はきれいになっています。

エアコンガンガン運転で無理やり快適にしているかもしれません。

「断熱性」や「耐震性」は体感ではわからず、上記の資料がないと判断できません。

また、資料があっても、本当にその通りに施工してあるかどうかは、

工事監理記録がないとわかりません。

これらを確認しないでの中古住宅購入は、もはや

「バクチ」

と言ってもいいかもしれません。

「なんとかなるでしょー。」で買った中古住宅。

初年度の暖房費が月数万。

抑えるために、リビングのみの暖房にして廊下やお風呂は極寒。

そしてもし地震が起こったりしたら、、、

僕が考えた「良い家の条件」がいかに重要か感じてもらえたのであれば幸いです。

また、「中古住宅を買うとしたら、ほしい情報はなにか。」ということは、


「建てた家を売る」

ことを想定しているということです。

これからの時代、30年後、40年後に、

どのような社会環境になっているかは誰もわかりません。

ひとつ言えるとすれば、

生活スタイルは「多様化」していることでしょう。

セカンドライフで海外に住むこともあるかもしれません。
(積極的な理由の場合もあれば、支出を減らすために物価の安い国に行く。
 日本に仕事がないため仕事のある海外に行くなどの消極的な理由の場合もあるかもしれません。)

介護施設に入るかもしれません。

田舎にはスーパーや病院が無くなり、不便になり、
都市部に出るためマンションに移住するかもしれません。

県外にいる子供のところに行くかもしれません。

これからの時代、


建てた家で一生を過ごすことは稀

になっていくかもしれません。

そうなった場合、

中古で住宅を売る必要が出てきます。

売るなら、少しでも高く、正当な価格で売りたいですよね。

そのときに、あなたがいくら

「良い家なんですよー」

と言っても価格はあがりません。

第三者が見ても価値が判断できる資料がないと「良い家」と信じる根拠がないからです。

あなたが買い手の立場であれば当然ですよね。

そういった意味も含めて、

「家の内容を担保するための資料」を「良い家の条件」に上げています。

僕があげた「良い家の条件」は、

正直、すべてを真面目に満たしているメーカーは少ないと思います。

しかし、僕は、

上記の条件を最低限満たすことが

「良い家の条件」だと考えています。

ーーーー

まずは「判断基準」を持つということ。

判断基準があれば、比較ができます。

気づきがおきます。

疑問がわきます。

それはきっとあなたの家を良い家にするサインなんだと思います。

営業マンや多数派の流れに飲み込まれず、

自分のなかに信じられるものを築いていってください。

誰のためでもなく、

あなたと、あなたの家族のために。

書きながら熱くなってしまい、
文章が長くなってしまったことを少し反省している
ゆうでした。