カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】AEP塗装のメリット紹介。「住み手が自分で塗り直せる仕上げを。」

ゆうです^^

エスネルデザインの標準仕様となっているAEP塗装。

メリットは多々ありますが、そのひとつに
塗り直しが容易であることが挙げられます。

塗り壁は汚れが気になる方もいらっしゃると思います。

しかし、


「汚れたら自分たちで塗り直せる。」

と思えれば、心理的なハードルもグッと下がるのではないでしょうか。

網川原のエスネルの塗装屋さんは新潟市北区のSTUMPさん。

STUMPの齋藤さんに現場でAEP壁の塗り直しの方法・コツについて教えて頂きました^^

建て主であるK様にも同席頂く。

塗り直しの様子を直に見たことがあるかないかで、実際にメンテする際の心理的なハードルは一段と下がる。

「長く愛着を持って暮らし続けて頂くために。」

ハード(家)だけでなく、ソフト(メンテのハードルを下げるなど)のデザインまで心掛けたい。

非常に綺麗に塗られた角部。

AEP塗装のメリットその2は、風合いがとても良いこと。

時間によって変化する光の反射など、本当に惚れ惚れする。

STUMP齋藤さんによる塗り直しの実演。

AEP塗装の塗り直しは本当に簡単^^

①壁と同じ色の塗料を用意
 (工務店さんに依頼 or ネットで注文)

②刷毛をホームセンターで購入

③塗料を刷毛に少なめに乗せ、壁に塗る。

以上!

細かいテクニック等はほぼありません。

コツは薄めに塗ること。

誰にでも簡単に出来ます^^

赤丸部が試しに塗り直してもらった部分。

塗りたて時は水気もあり、他の壁との色の違いが分かるが、、、

乾くと全く分からなくなる。

そして、
AEP塗装のメリットその3は、色見が変わりづらいこと。

ビニルクロス等はどうしても時間と共に黄色見がかってくる。

そうすると、黄色見がかった美観上は許せたとしても、一部張替え等はしづらくなる。
(周りと色が異なり目立つから)

AEP塗装は、学校公共施設でもよく使用されているとても一般的な壁仕上げ材。

それは、色見の変化が少なく、塗り直しが容易だから。
(数年後に上塗りしても周囲との差が分かりづらい)

塗り直しの様子の動画をご紹介♪

本当にただ刷毛でサッと塗るだけ。
これを知っていれば、壁を汚してしまったときのストレスも和らぐかもしれません。

窓周りは角が多く、パテ処理や上塗りなど苦労をお掛けしました。
その甲斐あってとても端整な空間に仕上がったと思います。

壁から持ち出している階段周辺の塗装も手間がかかった。
齋藤さん、大変ありがとうございました。

見学会の際にある方に

「新築臭がほとんどしませんね。」

と言われました。

AEP塗装のメリットその4は、ケミカル臭が非常に少ないこと。

ビニルクロスは、軟性を与えるために添加する可塑剤からVOC(揮発性有機化合物)がある程度発生する(基準範囲内)。

それらが「新築臭」と言われるケミカル臭につながっている。

VOCは徐々に揮発し減っていくので「絶対にNG」というわけではないが、ビニルクロスに比べて、AEPの匂いは非常に少ない(ほぼない)。

僕は化学的な匂いに敏感な体質で、ケミカル臭はとても苦手。
(新車の匂いも少し苦手、)

徐々に揮発するとは言え、自分が住む家であればケミカル臭は出来るだけ少なくしたい。

エスネルデザインで標準採用している「超低VOC」「超低臭性」をうたうエコフレッシュ

AEPはビニルクロスと異なり、VOCをほぼ配合していない。

また、
AEP塗装のメリットその5は、塗り壁の中ではコストが低いこと。
(漆喰塗り等厚みのあるものと比べて)

AEPとはアクリルエマルションペイントの略で、ざっくり言えば水性ペンキのこと。

だから、材料費も施工費もそこまで高くはない。
(ビニルクロスよりは費用はかかる。ビニルクロスの材工費はもっと安い)

だから、塗り直しも容易。

数十年後にも塗料が廃番なることもほぼない。

反対に、AEP塗装のデメリットは、場所によって割れが起きること。

木と塗り壁が触れている部分は、木の乾燥収縮で木が縮み、塗装の木の間に隙間が出来る。

それらは、木の乾燥収縮が落ち着く築2年頃を目処にシーリングで補修する。
(ビニルクロスでも同様)

また、下地材の木の反りや、パテ処理のやり方などが原因で割れが起きることもある。

割れが起きづらいよう注意して施工して頂いてはいるが、割れが起きた際は同様にシーリング補修をしてもらう。

(白い壁はシーリングが目立ちづらいというメリットもある)
(ビニルクロスの場合は、割れではなく「ヨレ」として現れる)

…………….

美観だけでなく、コストやメンテナンスの容易性、またデメリットも考慮した上で仕上げを提案したいと思っています。

あくまで個人的な感想ですが、

多少の割れや、塗り直しで多少の色むらが出ても良いかなと。

人間も完璧な人よりも、人間味がある人のほうが魅力的なのと同じように。

それらの「個性」も含めて、AEP塗装は
風合いはとても良く、コストも高すぎず、自分で塗り直しも出来る、とてもお勧めの材料です。

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

…………………………………………

村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表


新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、2歳の息子と遊ぶこと。

【秘訣】集成材やヒノキ床材の経年変化。

【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】新しい家での最初の大仕事。「自然素材の懐の深さ。」ヒノキの傷の修復実験。

ゆうです^^

新築が完成して新しい暮らしが始まる際、

住まわれる方の最初の大仕事

についてお話します。

この大仕事が無事に済んでからが居心地の良い暮らしの始まり。

最初の大仕事とは、いったいなんでしょうか?

最初の大仕事とは、建築業者は絶対に出来ない、建て主様にしか出来ないことです。

引越し?

新居での最初の食事?

お客様を招く??

、、、

いろいろとありますが、ズバリ最初の大仕事とは、

大きな傷をつけること

です!
(えぇー!?)

もちろん故意につけるわけではありません。

引越し時などに、あやまって荷物を落とす、壁にぶつける、などして大きな傷をつけてしまうこと。

それが新しい家での最初の大仕事になります^^

傷をつけるのはご夫婦のうち、より傷に過敏なほうの方が適役です。

過敏でないほうの方や、お子様、来客の方が傷をつける前に、大きな傷がつけられるとベスト♪
(我が家は僕かな、)

なぜ傷をつけることが最初の大仕事かと言うと、

傷をつけないようにしていた緊張がほぐれるから。

その後、気楽に過ごせるようになるから。

(多少の傷は気にしなくなる)

不要な負の感情の発生を防ぐためにも、早いうちに大きな傷をつけておくことがポイントです^^

言うなれば、

大きな傷をつけてからが新居での豊かな暮らしのスタート。

大きな傷をつけた人は、非難ではなく、むしろ褒められて良い^^

大きな傷をつけたら、相方のほうは

「(お!その役目ありがとう)初傷だね、おめでとう♪」

というぐらいだとお互い気が楽。

そんな新築文化が広まったら素敵かなと^^

禊的な、新築での儀式的な。
(新しいバッシュはみんなで踏んどく的な、)

車などの工業製品と異なり、自然素材の魅力は、材の懐の広さ。

自然素材は、傷を許してくれる大らかさがあります。

なぜなら、全ての自然素材は傷つきながら年月を重ねていくものだから。

傷こそが、家族の過ごした時間の証明(思い出)になっていくんだと思います。

とは言え、引渡し早々に床が傷ついたら切ないですよね(^^;)!

そこで、無垢の床の傷修復の技をご紹介。

新築時のヒノキ(左)と経年変化したヒノキ(右)。

油分も含んだカンナ仕上げのヒノキはオイルを塗らなくても艶がすごくとても綺麗。

触り心地もサラッと、スベっとしていて最高^^

柔らかいことは、傷がつきやすいことと表裏一体。
(写真の傷は僕が故意につけたもの)

さてさて、傷補修の技について^^

ヒノキに傷をつけてみた。

重いものを角から落とすとこのように凹む。
道管が押し潰された状態。

そこにを垂らします。

そのまま放置。

30分後。

ん、傷はどこだ?

分かりやすいように光を当てて確認。

うっすらと傷の跡が分かります。

だいぶ復元しました^^

日陰だとじっと見ないと分からないほどに。
潰れた道管に水が染み込み、膨れ上がってきました。

傷がついて早々に行うと復元力が大きいです^^

濡れたタオルを敷き、アイロンで蒸すとより効果があります。

凹み周辺が目立ちづらいように紙やすりで整えるのも良いです。

※オイル塗り部や塗装部は、一度オイルや塗装を剥がして吸水性を高めてから行う必要あり。復元後、オイル・塗装を再塗装する必要もあり。

(無塗装の場合、メンテも簡単♪)

…………….

お子様と一緒に行うと、楽しみながら教養も身につき、

優しい心、モノを大切に扱う心もより育まれるかもしれません。

今の30代以下の方々は、新建材育ちの方も多いかと思います。
(僕は正にそう)

現在の家づくりは、

傷つきにくく、

汚れが落ちやすく、

手間のかからない素材を使った家づくりが主流。
(→クレーム防止。施工時の養生が楽になる。)

そうなると主にビニールなど樹脂製品で覆われた家になりがち。
(ビニールクロス、樹脂シート建材、強めの防水加工の床材、)

悪くはないかもしれませんが、なにかを忘れていきそうな予感も。

それに気付きつつある今の時代に出来る家づくりを。

これからの時代に求められるのは、自然素材の「弱さ」から学ぶ感受性なのかもしれません。

…………….

話が少し反れました。

新しい家での最初の大仕事。

ぜひ楽しんで、どっちが先に傷をつけるか、ソワソワ・ワクワクしながら、新しい暮らしを始めてみてください^^

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

…………………………………………

村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表


新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、2歳の息子と遊ぶこと。

メッセージはメールインスタからどうぞ^^

【関連記事】…………….

【エスネルの仕様】床材:「国産無垢ヒノキ」

【秘訣】集成材やヒノキ床材の経年変化。

【秘訣】突板フローリングの経年変化。

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】築60年以上の杉板外壁の経年変化「もつ部分ともたない部分の差。」

ゆうです^^

先日、集落の防災訓練がありました。

集合場所の公会堂は築60年以上だそう。

それだけ経っても杉板外壁も柱も梁も健全なままでした。

「変化するけれど変わらない素材。」

木材は不思議な魅力を持った材料です^^

僕の住む「内越集落」は20世帯ほどが暮らす集落で平均年齢はおそらく60歳以上。

僕らファミリーは超若手で、息子は最年少です^^

近所にお年寄りが多い分、息子はとても可愛がってもらっています。

おそらく限界集落。
いろいろ考えさせられる面もあるが、差し当たりのびのびと田舎ライフを満喫している。

公会堂までは徒歩3分♪

集落の人が集まり、災害時の対応確認や見回り訓練を行った。

聞けば公会堂は築60年以上は建っていて、その間、外壁は一度も換えても塗ってもいないんだそう。
(集落に住む大工の義父が言うのでおそらく間違いない)

その割には「本当に60年?」と思うくらい杉板は健全なままの状態だった。

非常に健全な杉板外壁。
節はそこそこあるが割れもない。

周囲に建物はなく雨風も日差しも多そうだが、、
自然素材は状況により劣化の程度はマチマチ。

(あまりに健全なので張り替えられた可能性も否定できない)
(それにしても30年以上は経っていると思われる)

杉板は全体的に経年変化していく。
そして「自然素材は変化するもの」という共通認識がある。

そのため、一部の汚れが目立ったり劣化したりする人口素材の外壁とは全く異なる価値がある。

【秘訣】窯業系サイディングは勧めません!「劣化とメンテコスト」

内部も健全なまま。
建て替えはないので柱・梁は60年以上経っていることは確実。
雨や日差しがあたらない部分は何年経っても木色のまま。

陶器製のカバーや「碍子(ガイシ)」が時代を感じさせる。

昔の電気配線は現代のような絶縁ケーブルではなかったため、木部に直接触れないようこの碍子に巻かれて配線された。

さて、外部では60年の歳月により劣化している部分もありました。

赤丸部をよく見ると、、、

「木口(木の断面部分)」維管束が露出しているため、水分を吸いやすい。→保水しやすい→腐りやすい・シロアリを呼びやすいため、このように劣化しやすい。


外部での木の使い方はこの木口を露出させないのが基本となる。


屋根のかかっていた部分の土台。
雨あたりが少なかったせいか劣化はほぼなかった。


「木部を雨に当てないこと。水切れの良い納まりとすること。」


も大切な木遣いの基本。



【秘訣】エスネルデザインの基礎「高基礎」の3つの大きなメリット。

屋根と外壁の取り合い部分にも劣化が見られた。

雨が当たる部分が腐朽していた。

ただ、60年以上経過していてこれだけの劣化であれば全然健全と言って良い。

木はなんとなく「腐るんじゃないの?」と想像されがちだが、それは限定的であることが分かる。

むしろ「塗装の剥げ→凍害」や「金属のサビ」の起きない杉板は外壁として非常に優秀と感じている。

経年変化する風合いもとても良い。

杉板外壁は自信を持って勧められる外壁材です^^

それは、

今ある外壁の中で一番実績のあるものだから。
(すでに何十年と使われていて劣化具合も証明されているから)

そして、張替えや処分などメンテナンスも容易だから。

【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

公会堂内部の回り階段。

乾燥した木を使ったためか、60年経っても隙間はほとんど出来ていなかった。
大工さんの仕事が良かったのかもしれない。

昔ながらの水盤が良い感じ♪

モルタル土間も経年変化により良い味が出てきている。

…………….

築60年以上の建物の見学、とても良い機会でした^^

田舎に住むことは住宅を設計する上でも学びがたくさんあります。

僕は田舎暮らしがとても好きです。

そのためか

古き良き「田舎(日本)の風景」を未来へつなげたい。

という想いがあります。

(世界を見て日本の風景の魅力を再確認したこともある)

風合いも耐久性もコストも、、

杉板外壁、本当にお勧めですよ^^

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

…………………………………………

村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表


新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。

メッセージはメールインスタからどうぞ^^

【関連記事】…………….

【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ①「見た目の変化」。

【秘訣】杉外壁のメリット・デメリット「メンテ・目地/腐朽・クギ浮き」

新潟観光大使。64-2『佐渡の宿根木!板外壁の経年変化。』

【おまけ】…………….

我が家の庭や車庫や花などを♪

【秘訣】板外壁の経年変化。「雨の跳ねを考慮する」

この時期、葉を広げ涼しげな木陰を作ってくれる「合歓(ネム)の木」。
とても素敵。

合歓の木の下に外部ダイニングテーブルを置いた家をいつか設計してみたい。

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】杉板「水漬け実験」半年経過後報告。意外とカビない!

ゆうです^^

昨年から杉板の「水漬け実験」を行っていました。

約半年が経ち、水に漬けていた杉板はどうなったのでしょうか?

カビだらけ?


腐ってる?

結果は意外なものでした。

実験の概要は以前の記事を^^↓

【秘訣】杉外壁経年変化「水漬け実験開始」。

1年間露天で雨ざらしにした杉板をバケツの中で水に浸し、約半年置いた。

結果はどうなったのでしょうか??

(僕の予想は「水と空気の境目にカビが生える」でした)

表(雨ざらし日ざらし面)。

あれ?

裏。

おろろ?

国産杉板。 (左:赤身/右:白赤)

むむ??

国産杉板。 (左:赤身/右:白赤)

むむむむ!!??

全然カビてないじゃん!!!

腐るの「く」の字もありませんでした(^^;)

レッドシダー(左:未乾燥/右:乾燥)

レッドシダー(左:未乾燥/右:乾燥)

レッドシダーも同様にカビも腐りも全くなかった。

うーむ、インパクトにかけるなー。
(心の声)

(もっとカビだらけになると思ったのにー)

なにをしているのか息子も興味深々♪

…………….

板を切って断面を見てみる。

国産杉板。

ちょっと黒い?濡れていてよく分からないので乾かす。

乾かし後。

少し黒ずんだ部分もあるがそれが何なのかはハッキリとは分からない。

レッドシダーも。

少し黒い?乾燥を待つ。

乾燥後。

杉板同様、少し黒ずんだ部分もあるが何なのかは分からない。

…………….

カビや腐りが見られなかった原因は

温度(気温)が低かったこと。

が考えられます。

カビが生えやすい環境は、
温度:20℃~35℃程、湿度:80%以上。

冬場は気温が低いため、カビや腐朽菌の活動が乏しかったことが原因だと思われます。

それは想定内でしたが、それでも少しはカビが生えると思っていました。

やはり現実と想像にはズレがある。

そのズレを補うために実験し体験を積むことが大切。

特に自然素材を相手にする場合には。

ということを改めて学ばされました^^

カビが生えなかったことに若干の残念さを感じながらも次のワクワクも。

このまま梅雨と夏を越えたら杉板はどうなるんだろう♪

実験はまだまだ続きます^^

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【おまけ】…………….

春の我が家の庭♪

赤いモミジの新芽。

息子もウロウロ。

小屋と庭が自然の遊び場♪

…………….

…………………………………………

村松 悠一 一級建築士
エスネルデザイン代表


新潟の気候に合った「暖かい小さな家(エスネル)」を提案している。
趣味:旅行、カフェ、夕日、1歳の息子と遊ぶこと。
メッセージはメールインスタからどうぞ^^

【関連記事】…………….

【秘訣】杉外壁経年変化「水漬け実験開始」。

【秘訣】杉外壁の経年変化「祖父の家の杉板と実験の経過」。

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ①「見た目の変化」。

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ②「中身の変化」。

【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】窯業系サイディングは勧めません!「劣化とメンテコスト」

ゆうです^^

エスネルデザインでは外壁に「窯業系サイディング」を勧めていません。

理由はメンテナンスコストが高いから。

そして、劣化するから。

写真は築22年の僕の実家の外壁。
(窯業系サイディング)

「窯業系サイディング」とは。

住宅に使用される外壁材で

・セメント質と繊維質を主な原料にして板状に形成したもの。


・柄や凹凸などデザインが豊富。


・施工がしやすい。


・防火性能が高い。


・価格帯が幅広く安価なものも多い。

などの特徴があり、現在の住宅の多くは外壁に窯業系サイディングが使用されています。

特に「デザインが豊富」で「施工もしやすく」「安いものも多い」ため、施工業者からすればとても使い勝手の良い外壁です。

しかし!

エスネルデザインでは窯業系サイディングをお勧めしていません。

なぜか?

・メンテナンスコストがかかるから!
・再塗装しないと劣化するから!

窯業系サイディングの弱点は、基材に防水性が無いことです。
防水性はサイディング表面に施された塗装が担っています。

しかし、その塗装の寿命も10年前後で失われ始め、防水性を保つためには再塗装が必要になります。

再塗装をせずに放置していると、雨水が基材内部に浸入し、基材がボロボロになっていきます。

特に冬場氷点下になる地域では、基材に侵入した水が凍り、爆裂を起こす形で基材をよりボロボロに劣化させます。(凍害)

塗装が剥げ、基材が露出した窯業系サイディング。
こうなってしまうとこの上に塗装してもまたすぐに剥げてきてしまう。

健全な部分は健全。
(劣化が目視確認出来るのは全体の数%。)

ちなみに築12年程のときに全面再塗装を施しましたが
その際には約80万円ほどかかりました。
(足場などで費用がかさむ、、)

日本窯業外装材協会HPより。

日本窯業系外装協会のHPには、
「5~10年程で再塗装」
「10~16年程で再塗装」
「17~22年程で再塗装」
「23~27年程で再塗装
「25~35年で張替え」と書かれている。
(使用条件により異なる)

この通りに行うなら再塗装費は27年のうちに約80万×4回=約320万円かかることになる。

劣化した窯業系サイディング。

サッシまわりのサイディングのヒビ割れ。
(親父がコーキングで応急処置をしている)
(おそらく中越沖地震の影響あり)

…………….

ちなみに、外壁が劣化したことで家の壁内に雨水が侵入するかどうかは別問題です。

それは「防水シート」が二次防水層として働いているからです。

しかし仮に、外壁の劣化が防水上問題がなかったとしても、
美観上は厳しいものがあります。

窯業系サイディングは新築時は綺麗ですが、その一部がボロボロになっていたりすると途端に全体がみすぼらしく感じてしまいます。
(街でそういった家を見られたことがあるかと思います。)

工業製品は一部が劣化すると途端にみすぼらしくなってしまいます。

そこで、エスネルデザインでは外壁に自然素材である「杉板」をお勧めしています。

杉板は全体的に経年変化し、シルバーグレーになっていきます。

一部が極端に劣化するのではなく、全体が徐々に変化していく点がポイントです。

日本の杉材であれば価格もそこまで高価ではなく、風合いも良く、劣化が目立ちづらく、無塗装であれば再塗装などのメンテナンスも不要。

また、「新潟の原風景」を未来へつなげる。という価値もあります。

好みであればなかなか優秀で素敵な外壁でとてもおすすめです^^

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-

【関連記事】…………….

【秘訣】「タイル外壁ってどうなの?」35年後の張替えを想像する。
【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

【秘訣】杉外壁の良い点・悪い点「メンテ・目地/腐朽・クギ浮き」
『山取り樹木の庭と杉板の家』完成 at 新潟市関屋
【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

【S邸Web内覧会⑥】「プロ撮影による完成写真たち。」

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】杉外壁経年変化「水漬け実験開始」。

ゆうです^^

先日、シルバーグレーに経年変化した杉板の様子を報告しました。

結果、水切れが良く乾きやすければ板の中身はほとんど変わらないことが分かったのですが、

水切れが悪かったらどうなるのでしょうか?

今回ちょっと板をイジめます!

前回までの実験の報告はこちら^^

①実験のあらまし。見た目の変化(裏表)、反りなどについて
【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ①「見た目の変化」。

②板の中身について。シルバーグレーの下はどうなっている?
【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ②「中身の変化」。

実験の結果、1年間露天で雨ざらしでも、水切れが良く乾燥しやすい状況であれば、表面0.数mmがシルバーグレーになっても板の内部は健全で腐っていないことが分かりました。

ここまでで実験完了なのですが、悪いことを思いついてしまいました^^♪

水切れが悪かったらどのくらいで腐るんだろう?

(イジメっ子ですね、)

実験が終わった板(1年間雨ざらし)をバケツに入れて、、、

水をかけ漬ける!!

濡れる&吸う板たち。
(杉・レッドシダー、無塗装)

木が腐る条件は、

「温度」「湿度」「水分」「栄養」の条件がそろったときです。

通常「温度」「湿度」「栄養」の管理は難しいので、木を腐らせないためには「水分」を防ぎます。

その水分をたっぷり与えたら、、??

おネコ様も興味津々?

これから冬で、温度も絶対湿度も低く、また土とも縁を切っているのでどうなるかは未知ですがどんな変化があるか楽しみです^^

【一週間後】…………….

ある変化がありました。

レッドシダーの裏面にカビが生えた!

おそらくカビ。腐朽菌ではない(?)
(詳しい方がいたら教えて頂きたい!)

ちなみに、
「カビ(真菌類)」は木の繊維までは破壊しないもの。
(構造的な影響なし。※人体的な影響あり)

「腐朽菌」は木の繊維を破壊するもの。
(構造的な影響あり。)

他の板は目立った変化なし。
(まだ一週間なのでなんとも言えない)

こちらも変化があればブログで発信していきます^^

なんでも試すことが「気付き」につながると思っています。

自然素材は面白いですね!

-「超高断熱の小さな木の家」escnel design-
カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ②「中身の変化」。

ゆうです^^

前回から杉板の経年変化の実験のまとめを報告しています。

今回は板の中身!

シルバーグレーになった板の内部はどうなっているのでしょうか??

前回、杉板の見た目の変化と実験の概要を書きました^^

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ①「見た目の変化」。

今回は実験の肝である「中身」について。

シルバーグレーになった板の内部はどうなっているのでしょうか?

板に興味津々のおネコ様。

まずは表面の直下について!
紙やすりで削ってみます^^

少し削るとすぐに木色が出てきました^^
(シルバーグレーに変色したのはおよそ0.1mm程か)

続いてレッドシダーも。

同様に少し削ると木色が出てきました^^

分かりやすいよう断面も見てみましょう。

板の木口をカットしてみる。

半分までカットした。
カットした部分はほとんど実験前の木色のまま。

シルバーグレーに変化したのは表面0.数ミリまでで内部はほぼ変わっていないことが分かります^^

とても雑に言うならばシルバーグレー化は「日焼け」と「肌荒れ」。
皮膚の下の肉の部分までの影響は少ない。

それが時間と共に変化していく。

佐渡宿根木の百年以上経過している軒下飾り。
細かい細工を施したものであっても持つ。それだけ木は強い。

新潟観光大使。64-2『佐渡の宿根木!板外壁の経年変化。』

杉と同様ですが、レッドシダーの様子もご紹介。

知識としても経験としても知っていたことではあったのですが、こうして自分で実験をしてみて、結果を報告出来て良かったです^^

自然素材は面白いですね!

僕は杉板外壁の家を見ると、祖父や祖母のような暖かさを感じます。

歳と共にシワが増え、顔の掘りが増していくような風合い。

自然に抗うのではなく、自然に寄り添い、風景に馴染む姿。

とても人間的で自然的だと感じています。

「日本(地元の)の風景を未来につなげたい。」

世界一周の旅から帰国してそんなふうに感じました。

地元の杉板の家々が本当に魅力的に感じました。

(極端ですが、柏崎や出雲崎の杉板の家々はフィレンツェの街並みにも負けない魅力を持っていると思っています!)

「何十年と家族で住むなら(もしかしたらその家で寿命を迎えるのならば)杉板の家が良いな。」

というのが僕の想いです。

読んで頂きありがとうございました^^

-「超高断熱の小さな家」escnel design-
【関連記事】…………….

【秘訣】杉外壁の経年変化「柏崎の海沿い探訪」。

『山取り樹木の庭と杉板の家』完成 at 新潟市関屋

魚沼杉の伐倒・製材・塗装を見学!「木が切られる瞬間」

カテゴリー
Uncategorized

【秘訣】杉外壁経年変化実験まとめ①「見た目の変化」。

ゆうです^^

昨年の12月から杉板外壁の経年変化の実験をしていました。

約1年が経ち、変化が落ち着いてきたので報告をまとめます!

自然素材の経年変化は味がありワクワクしますね^^

このブログで、数年~数十年経過した杉板を紹介してきましたが、

「杉の外壁って本当に大丈夫なの?」


「本当に腐ったりしないの?」


「グレーになった板の中身はどうなってるの??」

という素朴な疑問があると思います。

経年変化した板の中身を紹介しよう!

というのが実験の目的です^^

【秘訣】板外壁の経年変化。「方位による風合いの違い」

実験前の杉板たち(裏面)。
レッドシダー(左)と日本の杉(左)

板を雨が当たりやすい上向きに置き、約1年放置した。

仮に垂直面よりも5倍の雨当たり+日射があったとすると、1年×5倍=5年後の変化が見て取れると考えた。
(正確には分からない)

約1年後!
木色だった板はきれいにシルバーグレーに^^

左から「杉乾燥材(白身)」「杉乾燥材(赤身)」「レッドシダー乾燥材」「レッドシダー未乾燥材」

3ヶ月経過時のもの。
板の変化はまずは退色が進み木色が白っぽくなることから始まる。

その他3ヶ月経過時の詳細はこちら↓
【秘訣】杉外壁の経年変化「祖父の家の杉板と実験の経過」。

左から表・裏・表・裏。
日と雨が当たらない裏は木色のまま。
シルバーグレー化は紫外線と雨によるものだと分かる。

実験を邪魔する我が家のおネコ様。

杉板から詳しく見てみます。

白身材(左)と赤身材(右)
見た目の違いはほぼない。

※一部木色が見えている部分は風で飛んで表面が削れたため。
(経年変化ではない)

裏面。
白身のほうには3ヶ月時にすでにカビが生えていたが、それ以上カビが増えることはなかった。
板への劣化影響もほぼないと思われる程度。

外壁としての基本的な性能を考える場合、杉板は白身でも赤身でも大きな問題はないと思われた。
(柏崎の杉板張り家々もほとんど白身と赤身が混じっている)

基本的な条件として「屋根が出ていること」が大切。
板への雨がかりを抑えることが板の寿命を延ばします。

「杉・白身」の木口。
大きく反っているのが分かる。
(板は木表側に凹に反る)

「杉・赤身」も同様の反り具合。

乾燥具合や板の部位により程度は異なるが「木は反る」。
→クギで留めることで反りの発生の程度を抑える。

数年経ち、反りの反発でクギが出てくることもある。
【秘訣】杉外壁の良い点・悪い点「メンテ・目地/腐朽・クギ浮き」

…………….

続いてはレッドシダーについて^^

レッドシダー未乾燥材。

レッドシダー乾燥材。
未乾燥材と乾燥材で大きな違いは見受けられなかった。

※あくまで今回の板の場合。
板はものにより特性が大きく異なることに注意

青緑の線は台に触れていた部分。
湿潤になりやすかったため、カビっぽくなっていた。(腐ってはいない)

「未乾燥材」はもっと反るかと思ったが、そこまで反らなかった。
→芯に近い部分の板だったからだと思われる。

「乾燥材」は芯より少し外れているため反りが出ていた。

今回は反りは少なめだったが、板が三角(上は薄く、下は厚く)の場合、反りには十分注意が必要。

(レッドシダーは杉より一様にシルバーグレーになりやすいが、価格は杉より高い。)

…………….

自然素材の経年変化は面白いですね^^

板を外壁に使用する場合は、見た目や価格だけで決めるのではなく、その樹種の特性や変化などを熟知して使うことが求められます。

また、同じ樹種でもそれぞれの板によって挙動が異なってくるため、外壁に選ぶ場合には「自然素材であること」を納得した上で決めないとといけません。

(反り、カビの生え具合、クギの浮き、シルバーグレー化の違いなど)

それが許容できれば、これほど魅力的でメンテナンスコストも抑えられた外壁材は他にない!と僕は思っています^^

杉板外壁おすすめですよー♪

2年半が経過したT様邸

、、、、

はて?

シルバーグレーの板の中身は??

次回に続きます^^!

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【関連記事】…………….

【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

【秘訣】板外壁の経年変化。「方位による風合いの違い」

【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

カテゴリー
Uncategorized

【お客様の家】築2年半の杉板外壁の経年変化〈T様邸〉

ゆうです^^

先日、築2年半が経ったT様邸に寄りました。

無塗装の杉板外壁がとてもきれいにシルバーグレーに変化してきていましたのでご紹介します。

時間と共に魅力を増していく自然素材。

人間と同様に、長く愛せる家の秘訣です。

T様邸には春にも伺わせて頂きました。

その際は『住み心地』『家づくりの紆余曲折』などいろいろなお話を聞かせて頂きました^^

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

その時は直前まで雨が降っていて外壁が濡れ色だったので、

「晴れのときの外壁も見に来たいな」

と思っていたのがようやく実現できました^^

春に伺った際の濡れ色の杉板外壁。
自然素材は水が沁みこむため色が変わる。そんな日々の変化もとても愉しい。
(まだ一部に木色が残っている)

新築時のT様邸(無塗装杉板)。

2018.10現在の杉板外壁。
面によっては2年半できれいなシルバーグレー化が進む。
(板の張り方や風雨の当たり方により異なる)
【秘訣】板外壁の経年変化。「方位による風合いの違い」

【秘訣】杉外壁の経年変化「前職の家の7年間の変化。」

縦張りは雨水が縦にきれいに流れるためシルバーグレー化がとてもきれい。
(横張りでも時間はかかるが同様になる)

シルバーグレー化した杉板縦張りの凛々しさは佐渡の宿根木を思わせる。

新潟観光大使。64-2『佐渡の宿根木!板外壁の経年変化。』

アイアンウッド製のウッドデッキもきれいなシルバーグレーに。

元々のアイアンウッドは赤茶色。
雨に当たることで色素が抜けていく。
アオーレ(長岡市役所)などのデッキ材にも採用されており、雨ざらしでもノーメンテで数十年持つと言われている。

高湿で虫も多い東南アジアや南米に生息する木のため、防腐力・防虫力が非常に高い。

ケンチク探訪♪ 13『「アオーレ長岡」と管理建築士講習。』

【北面】
日射(紫外線劣化)が少ないため北面のシルバーグレー化は遅め。

【東面】
新潟は東風は少なく雨がかりがまばらになるため、東面はまばらにシルバーグレー化が進むことが多い。

【西面(右側)】
東面とは逆に、新潟は西風が多く西面には雨が一様に当たるため、シルバーグレー化も一様になることが多い。

玄関階段もアイアンウッド。
(雨がかりが少なくとも徐々に退色しているのが分かる)
デッキ下のバスケットボールが良い感じ^^

半年前の北面の様子。
(まだ木色が残っている)

雨がかからない部分は、逆に木色が濃くなっていく(アメ色)。
(写真は半年前)

北面正面より。
低く抑えられたカーポートが良い感じ^^
T様邸は、北面入りで南面が広大な田園というとても恵まれた立地。

室内より(春)。
田植えの春も、稲穂が実った秋も、一面銀世界の冬も最高の景色。
(本当にうらやましい!)

T様、外壁の経年変化はとても良い感じに進んでいますね^^

見ていて惚れ惚れします。

T様邸のような家が数十年後の『新潟の原風景』を守っていくのだろうと思います。

「新築時が一番きれいであとは劣化」

ではなく、

「新築時はまだまだ新米。歳と共に味わいが出ていく(経年美化)」

でありたい。

それで、風合いだけでなくメンテナンスほぼも不要になるのであれば、最高の外壁材ではないでしょうか。
(さらに数十年後でも手に入る素材)

・風合いが良いこと。新潟の風景をつなげられること。

・メンテナンスの手間がかかりづらいこと。

・直すときに材料が手に入りやすいことなど、

これから新築するのであれば、
未来のことまでしっかり考え、使用する材を選びたい。

世界にひとつだけの自分の家はそうありたいものです。

-「超高断熱の小さな家」escnel design-
【関連記事】…………….

【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

【秘訣】杉外壁の良い点・悪い点「メンテ・目地/腐朽・クギ浮き」

【秘訣】杉外壁の経年変化「柏崎の海沿い探訪」。

【秘訣】杉外壁の経年変化「祖父の家の杉板と実験の経過」。

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問②「住んでからの感想・反省」

カテゴリー
Uncategorized

新潟観光大使。64-2『佐渡の宿根木!板外壁の経年変化。』

ゆうです^^

佐渡に行った際に念願の宿根木に立ち寄りました♪

経年変化した杉板の佇まいに感動。

やっぱり無塗装の板外壁は魅力的です。

佐渡旅行の概要は前回の記事を^^

新潟観光大使。64『家族で佐渡旅行!島一周ドライブの旅。』

「念願の、、」と書いたのは、前回の佐渡旅行では宿根木には寄れなかったから。

体力の限界と帰り時間の問題で泣く泣く断念したのでした(^^;)

宿根木は佐渡のほぼ一番下↑(スタート地点の小木のすぐ近く)
赤線は前回の佐渡チャリンコ一周時のルート。

ということで、今回は初宿根木を堪能してきました!

入り江に所狭しと家々が集まって暮らしていた。
(海風をお互いに防ぎあう効果もあったのかも)

数年前にJRの「大人の休日倶楽部」のポスターにも取り上げられている。

駐車場から細い路地を入っていく。
「昭和の田舎の夏休み」という雰囲気^^
鬼ごっこやかくれんぼがしたくなる。

ヨーロッパのような石畳の細道。

木製の窓周りは「庇+枠」がされている。
雨風が強い地域であることが建築から感じられる。

日差しのコントラストもとても良い感じだった。

宿根木で見たかったのがコレ!

経年変化した「杉板縦張り(押し縁なし)」の外壁。
佐渡の家はこの張り方の家が多い。
(新潟本土は「下見張り(重ね横張り)」がほとんど。)

「風を受け流しやすい+雨の巻き込みが少ない」からだろうか。
いずれにせよ必然から生まれた意匠(本当のデザイン)だと思う。
(こういうのを探求するのが楽しい)

実は現在リノベーション中のS邸の外壁も「杉板縦張り」。
(選定理由には佐渡へのオマージュがありました。)

杉板縦張りのS邸(一部下見張り)
(現在現場は奮闘中!)

鉄クギが使われているためサビ汁跡がつく。
(錆びさせることでクギの体積が増し、木が痩せても抜けづらい)

無塗装の杉板の経年変化。
凛々しさ、力強さ、風格を感じさせる。
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を思い出した。

まだ板を張ったばかりの家も見れた!

張り替えてからまだ数ヶ月程かな?
経年変化のビフォーアフターが見れて良かった^^

少数派だが「下見張り」の家もある。

もう芸術の域。
陰影がつき惚れ惚れする杉板の外壁。

内部が公開されている「清九郎」
建築は1858年以前(築160年以上!)。
メンテナンスを適切に行えば木造の家は持つことが分かる。
(雨風が厳しい地域でも)

百年以上経過している軒下飾り。
細かい細工を施したものであっても持つ。それだけ木は強い。
(乾燥状態を保つことが秘訣。湿気れば腐りやすくなる)

旧郵便局舎(1921年築)
マチトキさんもだが郵便局は洋風の建物が多い?

新潟観光大使。62『加茂の郵便局カフェ「マチトキ」さん。』

リノベーションしたオシャレなカフェも。

そして最後はこちらに。

路地の曲がりに建つ「三角家」
川の中州に建つ三角はまるで船のよう?
(気分は吉永小百合さん^^)

無塗装の杉板の経年変化を感じる良い機会になりました。

やっぱり自然素材の持つ魅力は人工物では敵いませんね。
(特に数十年後)

柏崎や出雲崎の海岸線も素敵ですが、佐渡の宿根木もとても素敵でした。

同じ新潟と言えど「環境が違うことでデザインは異なる」ことを学んだ旅になりました^^

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)

杉板の魅力
:新潟(農村地帯)の原風景を感じられること。
(風景を未来につなげられること)

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【関連記事】…………….

【秘訣】杉外壁の経年変化「柏崎の海沿い探訪」。

【秘訣】「おすすめ外壁は板張り。」35年間のメンテ・費用を考える。

【秘訣】板外壁の経年変化。「方位による風合いの違い」

【秘訣】杉外壁の良い点・悪い点「メンテ・目地/腐朽・クギ浮き」