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【秘訣】夏の日射熱調査⑧「様々な外部の温度変化(おまけ)」

ゆうです^^

夏の日射調査シリーズのおまけ「外部の温度変化」です。

我が家には「木の外壁の蔵」「窯業系サイディングの母屋」「トタン張りの作業小屋」と様々な建物があります。
(実験・考察にはもってこい^^)

それぞれ表面温度の変化を調べてみました。

今回は特に大きな考察はないのでサクサクと進めようと思います^^

調査日は7/23(グラフ赤線

7/23は熊谷市で日本史上最高気温41.1℃を記録した日でした。

まずは「窯業系サイディングの母屋」から^^

12:34東面(日陰)。

18:55。

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~40℃(橙)~50℃(赤)~60℃(白)
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

並べて比較します。

【外壁(窯業系サイディング・日陰)】:約42℃→26℃
【土間コン】:約56℃→27℃
(冷えすぎ?サーモカメラのバグの可能性あり)

 12:31(南面)

18:51。

並べて比較します。

【外壁(日向)】:約49℃→30℃
【外壁(日陰)】:約40℃→32℃
→日向と日陰で10℃差があった。

12:32(南面日向アルミサッシ枠)

18:52。

並べて比較します。

【アルミ枠(日向)】:約50~58℃→31℃
【アルミ枠(日影)】:約44℃→31℃
【外壁(日向)】:約51℃→30℃
→アルミ枠は60℃近くまで上がり室内に熱を伝える。
 (アルミの熱伝導率は樹脂の約1000倍)

12:33(左:北面、右:西面)

18:53。

並べて比較します。

【外壁(日陰)】:約40℃→31℃
→南面と同様

 12:33(北面・日陰)

18:54。

並べて比較します。

【アルミ枠(日影)】:約40℃→30℃
【外壁(日影)】:約40℃→30℃

12:25(北向き・日向)

18:45。

並べて比較します。

【瓦(午後直射なし)】:約61℃→29℃

12:26(西向き)

18:45。

並べて比較します。

【瓦(午後直射あり)】:約41~64℃→33~36℃
→日中60℃以上あった瓦も、夕方には30℃前半まで下がっていた。
※室内が暑くなるかは瓦か金属かではなく、屋根裏の断熱材の厚さで変わる。

…………….

続いて「木の外壁の蔵」。

12:29(北面)
※カメラに指がかかってしまった(^^;)
(サーモに影響が少ないのは映像カメラとサーモカメラは別レンズのため)

18:49。

並べて比較します。

【外壁(木・日陰)】:約40℃→31℃
→窯業系サイディングとほぼ近かった。

12:31(南面)

18:51。

並べて比較します。

【外壁(日向)】:約50℃→30℃
【外壁(日陰)】:約40℃→30℃

→南面も窯業系サイディングとほぼ近かった。
…………….

続いて「トタン張りの作業小屋」。

12:28(左:南面、右:東面)

18:47。

並べて比較します。

【外壁(トタン・日向)】:約48℃→32℃
【外壁(日陰】:約42℃→32℃

→窯業系サイディング・木とほぼ近かった。

12:33(左:西面、右:南面)

18:53。
並べて比較します。
→温度変化は東面・南面と同様だった。
およそ全方位において
日向:約50℃、日陰:約40℃、日没:30℃だった。

…………….

その他

12:31(畑)
→土も土間コン同様60℃ほどまで上がっていた。
反対に植物は温度が低く、放射熱(照り返し)を抑制できる。

18:50。
→夕方には土は約31℃まで下がっていた。 

反対に、土間コンは昼60℃近くなっていたのが、夕方でも40℃ほどあった。
→土間コンは熱容量が大きいため蓄熱が多い。

…………….

以上、「夏の日射熱調査シリーズ」のおまけでした^^

今度こそ本当に「夏の日射熱調査シリーズ」終了です!

お疲れ様でした!!

-「超高断熱の小さな家」escnel design-
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【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

ゆうです^^

前回までに「遮光ロールスクリーン」が夏の日射遮蔽にオススメという話をしてきました。

遮光カーテン有りの場合、無しに比べて天井壁床の温度が10℃低くなったこともお伝えしました。

ただし、それはたった1回、ある条件によるものです。

一般論としては、遮光ロールスクリーンはどれくらい日射熱を防ぐことが出来るのでしょうか。

TOSOさんロールスクリーン資料より。

光がなにかに当たったときの反応は図の通り「3つ」に分かれます。

「反射」「透過」「吸収」です。

ロールスクリーン(以下:RS)の場合、「透過」と「吸収」した光が室内で熱に変わります。
(正しくは、RSで反射し、ガラス面でさらに反射して帰ってきたものも加わる)

それらをまとめて「日射1に対して、どれだけ熱を取得したか」を
日射熱取得率(η)という指標で表しています。

ニチベイさん遮熱カーテン資料より。
日射熱取得率はおよそ0.3ほど。
→日射「10」の侵入に対して熱取得は「3」ほど。
→「7」の熱をカット(遮熱)出来るということ。

カットした熱のうち、少しはガラスに反射して帰ってくることを加味しても遮熱RSを設置すれば

日射による熱を半分以上はカットすることが出来る
 
のではないかと。

ニチベイさんの遮熱RSによる「日射熱のカット」と「断熱性の向上」の説明資料。
※日射熱取得率は「窓+遮熱RS」の合算である点に注意。

日射遮蔽効果に加え、
遮熱RSの断熱効果を考えると、大きく空調費を節約できるのではないかと考えられます。
(ただし、遮熱RSはサッシと離れているため、断熱効果を正しく測定することはとても難しい。)

※冬場にRSで窓を断熱する場合には、窓の結露に要注意。

ちなみに、今回に記事で僕は「遮光」RSではなく「遮熱」RSと書いてきました。

これには理由があります。

「遮光RS」と「遮熱RS」は別物なんです。

遮光RSは「光を遮るもの」、遮熱RSは「熱を遮るもの」です。

遮熱RSは熱は遮るが、光は透過するものもある。
(TOSOさんコルトエコ)

遮光RSの中には「光は遮る(透過率が低い)が、吸収率が高い」ものもある。
その場合、結果的に室内に熱として放射されるため遮熱効果は薄まる。
(透過も吸収も少ない高性能品もある)

これから「遮熱」効果を考慮してカーテンを購入される方へ。

カーテン選びのポイントを端的に言うと

日射熱取得率(η)が低いもの

がお勧めになります^^

(→「遮熱効果が高い」ということ。)

…………….

以上で、遮光ロールスクリーンの話を締めたいと思います^^

最後にアドバイスを送ります。

日射遮蔽はしなくても良いです♪

「ここまで言ってそれー!?」

って感じですよね(^^;)

日射遮蔽をしなくて良いと言った理由は、

「したら効果的で冷房費も抑えられるけど、無理してしなくても大きな問題はないですよ。」

という意味。

「遮熱性を優先するあまり、好きでない柄のカーテンにしたり、大きなコストをかけたりすることはないですよ。」

ということ。

と言うのは、遮熱RSは「日射の熱を半分カットできる(かも)」というものです。

開け閉めが面倒な部分などに無理してつけることはありません。

普通のカーテンでも良いんです^^

…………………………..

マニアックな話になりますが、
夏期の湿度が高い時期に(一部)日射遮蔽をせず日射熱を入れることによって

「室内の温度を上げ、エアコンの冷媒温度を下げさせることで、除湿を促進させる」

(室内の温度が低いと、冷媒の温度が下がらず、除湿がされづらい)

という方法もあります。

…………………………..

日射遮蔽をお勧めする部屋は

「子供室」「寝室」などの「小さな個室」です^^

個室は洗面室などに比べて窓も大きくなります。

そして個室は熱の逃げ場がなく、室内に熱が溜まりやすい。

そういう部屋は遮熱RSなどで日射遮蔽をしてあげるとより快適に過ごせます。

(あとは、直射が入りやすい東西面の窓などですね。)

…………….

長くなりました。

これにて「夏の日射調査シリーズ」は一旦完結です^^

(あと「おまけ」を一本だけ)

今回の調査対象は「低断熱」の家でした。
いつか高断熱の家の調査もしたいと思っています。

今年の猛暑を少しでも快適に、経済的に過ごせると良いなと思っています。

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【関連記事】…………….

【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

ゆうです^^

前回、夏期の日射において

反射光による熱の影響がかなり大きいことを伝えました。

「直射を防ぐだけでは足りない」かもしれません。

今回は「前回の補足」という形でデータを用いて話をしていきます。

NEDO日射量データベースより。

簡単におさらい・まとめを^^

目的は

・夏期に部屋が暑くなることを防ぎたい。
 (→快適性の向上)

・夏期の冷房費を抑えたい。
 (→経済性の向上)

ということ。

その目的を達成するために「日射を防ぐ」ことを検討しました。

そして、日射には「直射光」「反射光」の2種類がありました。

直射光と反射光(イメージ)

そして、直射光を遮っても反射光による熱の影響で室内が暑くなることが分かりました。

ただ、

「反射光による熱って言っても微々たるものじゃないの?」
(無視してもいいんじゃないの?)

という率直な感想がありました。

しかし、調べてみると、
全ての熱の影響を10としたとき、その内訳は、

反射光による熱:約4割
直射光による熱:約6割

ほどかもしれないことが分かりました!

「反射光による熱の影響も無視できないほど大きいじゃん!」
(僕の感想)

今回、その説明をしていきます^^

【要注意】…………….
今回の内容は正しくないかもしれません。
(僕の勘違いの可能性、データ不足)
(正確に把握するためには実験で確かめる必要がある。)
(お気づきの点があればご指摘頂ければ幸いです(^^;))
…………………………..

「水平面」に入射する「直射光(直達日射)」「反射光(散乱日射)」(8月平均)

赤四角(日照時間が少ない)を見ると、
直射光は減り、反射光は増えているのが分かります。
(=直射光が雲に反射して反射光に変わるから)

「雲で直射光がなくたったときほど反射光の影響が大きくなる」ということですね。

さて、

8月の直射光の合計は、約340MJ/㎡
8月の反射光の合計は、約250ML/㎡
総合計日射量は、約590MJ/㎡でした。

ここからそれぞれの比率を割り返すと、
直射光:340/590≒0.6(6割)
反射光:250/590≒0.4(4割)
でした。

※この数値は「水平面」のもののため参考値です。
(鉛直面である壁には、水平面よりも直射量が増えたり(朝晩)、減ったり(日中)する。)

より正確には「外壁面(鉛直面)」のデータがほしいです。

8月トータルのデータはなかったのですが、日ごとのデータががありました^^

日は、一番暑い時期であること、直射が多い日であったことから8/15を選びました。

下が8/15の「外壁面(鉛直面)」の直射光+反射光合計日射量のグラフ。
(東西南北)

パッと見て、東面西面に当たる日射量がほぼ同じであることが分かる。

→西日を悪者にしがちだが、東日も同様のエネルギーを持っている。
→朝方はまだ涼しいので東日の遮蔽はおざなりになりがちだが、西日と同じように日射遮蔽に努めることで冷房費を節約することが出来る。

また、「鉛直面の北面」と「水平面の反射光(散乱反射)」を見比べると、近似していることが分かった。

そして、

東面に当たる日射量は上図のように、日の出~昼は「直射光+反射光」・昼~日没は「反射光」となることが読み取れる。

もろもろを把握し、東西南北の面の直射光量と反射光量をまとめると、
(単位:MJ/㎡)
※反射光量は北面への日射量(朝晩のみ南面)を使用した。

  直射光量 / 反射光量
東: 8.54   /   5.25
南: 7.46   /   5.25
西: 9.80   /   5.25
北: 0.52   /   5.25

合計:26.32 /  21
比率:56%   /  44%

8/15では鉛直面も水平面同様およそ
直射光:反射光=6:4程でした。

反射光の熱の影響はとても大きいですね!

【余談】…………….

8/15 9:00の東面(鉛直面)の「直射光+反射光」量は2.42MJ/㎡、
「反射光」量は0.59MJ/㎡。(→「直射光」量は2.42-0.59=1.83MJ/㎡)

それぞれの比率は、
直射光:1.83/2.42≒0.75(7.5割)
反射光:0.59/2.42≒0.25(2.5割)

日差しが強い瞬間だけ見ると、直射光:反射光=7.5:2.5程だった。

…………………………..

さて、

身近に感じられるよう光熱費に換算してみましょう^^

8月ひと月の直射光は約340MJ/㎡、反射光は約250ML/㎡でした。
(水平面の数値のため実際との乖離あり)

窓面積合計を30㎡、日射熱取得率を0.4とすると

直射光:340MJ/㎡×30㎡×0.4=4.0GJ
反射光:250MJ/㎡×30㎡×0.4=3.0GJ

ワットhに換算すると
直射光:4.0GJ=1,111kWh
反射光:3.0GJ=833kWh

冷房COP=5、電気代単価=29円/kWhとすると、

直射光:1,111kWh÷5×29≒6,500円/月
反射光:833kWh÷5×29≒4,800円/月

と出ました!
(日射遮蔽なし)

※トータル冷房費ではありません。
(あくまで日射熱のみに対してであり、熱伝導による冷房費は考慮していません。)

日射遮蔽をなにもしないと月4,800円もかかると思ったら、なにか対策をしたいですよね。

そこで「日射遮蔽(遮光ロールスクリーン)」となるわけです^^

(お金、手間、使い勝手などのバランスを考慮し、自分で調整可)
(屋根では反射光を防げない)

ちなみに日射遮蔽がなにもない場合、
窓1㎡あたりおよそ約300Wの熱が入ってくる計算になります。
(8月日中、晴れのとき)

電気ストーブ(弱)が約400Wなので、夏の日中は
窓約1.3㎡ごとに電気ストーブがついているようなものです!

そう考えると、日射遮蔽をしたくなりますよね(^^;)

適切な日射遮蔽をすることで「快適」と「お金」が生み出せれば嬉しいかと。

また、エスネルデザインでは
適切な日射遮蔽を理解・検討した上で、適切な住宅の提案をしたいと思っています。

…………….

今回は、まとめるのにだいぶ労力がかかりました(+_+)

最後まで読んで頂きありがとうございます。

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【追伸】…………….

サトウ工務店の佐藤さんにホメて頂きました^^うれしー♪

【関連記事】…………….

【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

ゆうです^^

前回、ロールスクリーン(以下:RS)の有り無しによる室内温度の比較をしました。

結果は、17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」では
天井壁床に約10℃の差がつきました。

なぜ10℃も温度差がついたのでしょうか??

前回の調査結果。
RS有りと無しで天井壁床に10℃程の差がついた。

なぜでしょう?

「夏の直射日光が室内に入って暑くなったからじゃないの?」

と思いますよね。

しかし、違うんです!

というのは

13時以降は「直射」は遮られていたんです。
(窓が東向きのため、午後は直射が入らない)

そして13時時点では室内は同じ温度でした。

「え!夏は直射を遮ればいいんじゃないの!?」


「そのために屋根を出すとか今よく言われてるじゃん!」

と思いますよね。

近年ちまたにあふれる「屋根(軒)を出して夏期の日射を遮りましょう」の図。

もちろん、軒を出すなどして直射を遮ることはとても効果的です。

しかし、「直射」だけ遮れば良いのでしょうか?

実験の話に戻りますが、「RS有り」も「RS無し」も13時以降の直射は遮られていました。

それでも、夕方にはRS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなりました。

なぜでしょうか?

もう分かりますよね^^

「直射」がなくても部屋は明るいですよね。

光が入っているからですね。

その光は直射ではないですよね。

そう!それは反射光です。

日光は2つに分けられます。

「直射光」「反射光」です。

(学術的には「直達日射」と「散乱日射」と言われる)

反射光は、空中のチリや雲や空気分子に反射し、空中で乱反射しています。

反射光ももちろん「熱」の原因になります。

RS無しのほうがRS有りより10℃程の温度が低くなった原因は、

反射光(による熱)を遮っていたから。

ということですね^^

それを裏付ける写真が撮れました。

東面(左)と北面(右)。
どちらも直射は当たっていません。
しかし!オレンジの円の中に注目すると、、、影が!

「影の中に影」が出来ています!

そして「影の中の影」はなんと全方位でほぼ同様の高さに出来ていました。

南面(左)と東面(右)

西面。

北面(左)と西面(右)。

この「影の中の影」こそ反射光によって出来た影ですね。

方位性がないことこそ、空中で光が乱反射している証ですね。

(雲などの条件の違いにより影がどう出来るかは変わる。)

全方位から入射する反射光。

影を見る限りおよそ下図のようになることが分かります。

(正確には光=熱ではなく、光(赤外線)がもの当たることで分子が振動し熱が発生する。)

大事なことなのでもう一度。

正確にはこうではなく、、
こう!
結論を言うと、
夏期の日射遮蔽は
直射光を遮っているだけでは片手落ち!
(=反射光も遮ったほうが効果的!)
ということです。

話を実験に戻すと、その反射光の影響で
17時半の時点で「RS有り」と「RS無し」で、天井壁床に10℃の差がついたわけですね。

夏の日射熱を単純にとらえるなら、

(直射光だけでなく反射光も含めて)
光が入っている(室内が明るい)
≒熱が入っている。

という認識で良いかと。

すだれや遮光カーテンで光を遮れば、熱も遮れるということ^^

 

今回は以上です^^

僕自身、反射光で影が出来ることを初めて知りました。

「考えながら過ごしていると新しい発見に気付けるものだなー」

と改めて実感しました。

…………….

さて、

今回の記事を読んで、疑問が浮ばないでしょうか^^

「直射光と反射光の影響はそれぞれどのくらいなの??」


「反射光の影響って直射光に比べれば微々たるものなんじゃないの?」

調べました!(詳しくは次回)

正確ではありませんが、
おそらく全ての熱の影響を10としたとき、その内訳は、

反射光による熱:約4
直射光による熱:約6

くらいだろうと。

どう感じられますでしょうか。

僕は反射光の影響が想像よりとても大きいことに驚きました。

夏期の日射遮蔽は「直射を防ぐだけでは足りない」かもしれません。

詳しくは次回に!

(夏の日射熱調査シリーズ、意外と続きます(^^;))

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

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【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

ゆうです^^

今回が「夏の日射熱調査シリーズ」のメインの回になります。

目的は「夏の適切な日射遮蔽方法はなにか?」

具体的に言えば

「遮蔽ロールスクリーンの効果はいかに!?」

今回、その結果が明らかになりました^^

(ロールスクリーン:以下RS)

実験方法は簡単で、

・朝から晩までRS全開にしたときの室内温度

・朝から晩までRS全閉にしたときの室内温度

の差を調べるというもの。

調査日は7/22(全開)と7/23(全閉)です。

気温・日照時間などの外部条件は概ねそろっていた。
(が、7/22(全開)のほうが気温が少し高かったことに要留意)

※当該居室は、2階・東向き・築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス。

7/22(8:10)

7/23(8:10)

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

比較しやすいよう、7/22・7/23を並列します。

夏季は日の出が早いので8時の時点で室内温度に差が出ている。
全開と全閉で、天井・壁・床で約3℃の差があった。
(全開室温30℃ほど、全閉室温32℃ほど)

…………….

7/22(11:20)

7/23(11:30)

並べて比較する。

7/23は午前の日射が少なかったのでこの比較は少し極端。
(それでもRSの日射遮蔽効果が分かると思う)

全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ13℃程の差が出た!

…………….

7/22(13:05)

7/23(13:25)

これが非常に興味深い。
並べて比較する。

全開も全閉もほぼ同等の温度になっていた。
最初は正直ナゾだった。
(なんで温度差がなくなったの?)

追って気温と日照時間を調べてみると原因が分かった。

7/22(全開)の13時前後は日照時間がほぼゼロで気温も下がっていた。
(実際曇っていた)

「日射」の室内温度への影響がとても大きいことが分かる。

※部屋は東向きのため13時頃から「直射」はなくなる。

…………….

7/22(17:40)

7/23(17:55)

並べて比較する。

(外部条件が多少異なるのでこの比較は少し極端だが)
全開と全閉で、天井・壁・床でおよそ10℃程の差が出た。

室温は約35℃と約33℃。

室温(空気の温度)は差は少ないが、
天井壁床温は大きな差がついたことが分かる。

天井壁床の蓄熱が放熱するため、

「冷房して、室温も下がっているのになんか部屋が暑くて不快。」

さらに、冷たい風と暑い天井壁床の差で「なんか気持ち悪い、、」

ということになる。

これが「エアコンしても暑い」「冷房病」の真相です。

…………….

実験が無事に終了しました^^!

結論をまとめると、

RSをすればRS無しに比べ室内への蓄熱を低減できる。

(しかも割と効果が高い)

エスネルデザインがお勧めする夏期の日射遮蔽方法の第一は
「遮光ロールスクリーン」(または遮光カーテン)
となりそうです。

理由をまとめると、

・日射遮蔽効果が高いこと。

・取り付け手間が少ないこと。
 (すだれの毎シーズン設置は少し大変)

・住まい手が自分で交換できること。
 (外部RSは自分で交換できない)

・コストが割高でないこと。
 (外部RSは少し高額。交換も高額)

・保管が不要なこと。
 (すだれは保管場所が必要になる。)

・窓の種類を選ばないこと。
 (すだれ取り付け・外部RS上げ下げのために引き違い窓や内開き窓にする必要がない。
  →気密性もコスパも良い「外開き窓」を採用できる)

などです。

RSの△な点としては、

・日中在宅時に室内が真っ暗になってしまうこと。
(休日のリビング、日中帰宅後の子供室など。)

それを避けたい場所は遮光にしなくて良いでしょう^^

(遮光と採光を両方使えるプリーツスクリーンなどもあります。)

また、

「すだれの雰囲気が好きです。(手間も問題ありません)」

「外部ロールスクリーンが好きです。(コストも問題ありません)」

という方はそちらもお勧め致します^^

【補足】…………….

一般的に、日射遮蔽部材(ex.すだれ、カーテン)を

・窓の「外側」に設置すると日射熱の約7割をカット出来る。
 (→約3割の熱が室内に入る)

・窓の「内側」に設置すると日射熱の約3割をカット出来る。
 (→約7割の熱が室内に入る)

と言われています。
(外で遮蔽すれば窓自身は熱されないため)

これだけ見れば「日射は外でカットするほうが良い」となりますが、
「内」につけた場合でも、「反射率」がより高いもの(ex.遮光カーテン)を使用すれば遮熱効果を上げることが出来ます。

…………….

ここからはさらに面白い話を^^!
(興味がある方にだけ)

17:30にはRS全開とRS全閉では10℃ほどの温度差がありました。
(天井壁床温)

・13時の時点では同じ温度だったのに。

・13時以降はRS全開にも「直射」はなかったのに。

なぜでしょうか??

次回、その理由を掘り下げていきます。

お楽しみに^^!

【ヒントは「影のなかに出来る影」です。】

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【関連記事】…………….

【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

ゆうです^^

前回から夏の日射熱の影響を調べています。

比較実験を始める前に室内のいろいろな場所の表面温度を調べてみました。

サーモグラフィー、面白いです♪

まずは7/19帰宅後の室内を調査。

実験のため、朝からロールスクリーン(以下RS)を全開にしておいた。

※RSは遮光タイプ(室内側設置)。

※実験物件は、築35年以上の低断熱・アルミ単板ガラス住宅。

左端のRSもオープンにして出社。

※部屋のものやインテリアはすべて相方のもの(^^;)
 僕のセンスや性格ではありません。(マスオである僕の権限は少ない)

さて、帰宅後、どうなっていたかというと、、

窓上の壁は39℃まで熱を持っていた。(20:05)
窓(外)が冷えても壁や天井が熱を保持しているのが分かる。
(窓は33℃だが、壁は39℃

※サーモ画像の大まかな色分けは、
30℃(青)~35℃(緑)~37℃(黄)~40℃(赤)~
という感じになるように温度バーを調整している。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

床の温度も約38℃と高温。

室温は約34℃だった。

まず、20時過ぎから約1時間、窓全開+扇風機「強」で換気してみる。
(外気温は26℃ほど)

21時過ぎに再び調査。

室温は35℃から約31℃まで下がっていた。

天井・壁も約35℃まで下がった。

床も同様。
(それでも厚くて汗が出る。→不快!)

その後、冷房を入れる。

通常は27-28℃設定だが、少し極端に25℃で冷房してみた。

そして約1.5時間後。

室温は31℃から27.9℃へ。湿度も下がり快適。

天井・壁は30℃以下にまで下がっていた。
(RC造に比べれば木造住宅の熱容量は多くない。)

床も同様。

エアコンの温度はこんな感じ。

エアコン内部(冷媒)が冷えているのが分かる。(16℃

空気温30℃、湿度60%のときの露点温度(結露する温度)は約21℃。
16℃の冷媒に室内空気を触れさせることで結露させ、除湿する。

左右はどちらも同じ温度状態のもの。

サーモグラフィーは同じ温度状態でも極端に色分けすることで「印象操作」することが出来てしまう。
見る側もそれを知っていることが求められる。

(詳しい話は→サーモグラフィ『注意点』をご参照)

…………….

RSを全て閉め、冷房して就寝しました。
(28℃で朝まで連続冷房)

さて、翌日。

(冷房は7:30にオフ)

RSは直射を浴びて熱しているが、天井・壁・床は約35℃ほど。(7:50)

RSを開けるとこんな感じ。
アルミフレームは約49℃

右を見るとRSの温度差はないようだが、
サーモグラフィーで見ると、
・スポット1(直射):約47℃
・スポット2(フレームの影):約41℃
と陰による差があるのが分かる。(→日射遮蔽の重要性)

RSを開けたまま、約40分放置した。

40分後(8:30)

天井・壁は約39℃まで上昇。
床(直射)は約43℃、床(影)は約37℃。

床を詳しく見る。

・スポット1(透明ガラス直射):約43℃
・スポット2(型ガラス直射):約41℃
 ※型ガラス直射部は陰っているようで、熱はしっかり伝わっていることが分かる。
  可視光は遮っても赤外線を遮る効果は少ない。
・スポット3(影):約37℃

そして、面白いのが

・スポット5(熱したアルミ枠からの放射を受けている部分):約46℃

アルミの熱伝導率の高さと放射の影響を改めて感じる。

RSを閉めてみる。

RSを閉めても床が蓄熱しているため、すぐには冷えないことが分かる。

閉めてから30分後。
蓄熱の放熱が終わり、ある程度ほかの床と同様の温度になっていた。
(日射照射時間が40分でしかないことに注意)

…………….

その他室内。

北西側の1階個室。(8:25)
日射がないため、室温は低く一定。(約31℃)
体感上も快適。

南東側玄関。(8:25)
下屋が日射を遮っているため、北西個室と同様に温度は低い。(約32℃)

夏の暑さ対策は

日射を遮り、蓄熱させないこと。

であることが体感上も数値上も感じ取ることが出来ました。

サーモグラフィ、面白いです^^

さて、次回はいよいよ「個室の遮光ロールスクリーン有り無し」による室温差の比較実験をお伝えします^^

そこには驚きの結果が!、、あったかはわかりませんが、
興味深い結果をお伝えできると思います。

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


実験ウラ話
:実験中は冷房オフのため汗だく(^^;)


-「超高断熱の小さな家」escnel design-

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【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

【秘訣】夏の日射熱調査③「室内の日射熱調査いろいろ」

【秘訣】夏の日射熱調査④「ロールスクリーン有り無しによる室温差の比較。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑤「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【概要】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑥「室内へ侵入する熱『直射光』と『反射光』【詳細】。」

【秘訣】夏の日射熱調査⑦「遮光ロールスクリーンってどのくらい日射熱を防ぐの?」

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【注意】近年のエアコンのグレードダウン「サビの発生」

ゆうです。

近年、エアコンの不具合が多発してきています。

僕が前職場在職時から起きていたのですが、今年の夏も多発しているようです。

師匠がブログで報告しています。

エアコンの進化が劣化とは・・・。


簡単にまとめると、
昔は高品質の部品を使用していたのに、近年その質が落ちてきているということ。

※錆びづらい部品(ステンレス)が錆びやすい部品(鉄+メッキ)に変わってきている。
(カタログからは読み取れない部分)

これは他のアジアの国々との価格競争の影響なのでしょう。

(まさに盛者必衰。こうして「日本製」のブランドはなくなってしまうのでしょうか。)

製品の寿命を全うする範囲での品質改善(安い部品の使用)は良いです。

しかし、安い部品を使ったことにより、製品の寿命が縮まるようでは本末転倒ですよね。

さらに重要なのが、エアコンは冷蔵庫やテレビなどの他の家電と異なり、

命の安全を左右する製品であるということ。

この猛暑を体感している日本人には説明はいりませんね。

真夏にエアコンが壊れることは、熱中症、そして命の危険に直結します。

(そして、夏場のエアコンの買い替えには1週間以上かかることが多い)

師匠はこのような事態を憂慮し、

「万が一の時のためのサブエアコンを計画しておく必要性」も指摘しています。
(メインが壊れたときのバックアップに)

予言・・・冷暖でエアコンはバックアップが必要になる。

「万が一は起こる」というスタンスに立った設計。
前職在籍中に学ばさせてもらった重要なことのひとつ。

家の寿命は60年以上。

家電の商品開発は毎年。仕様は毎年かわる。

何十年先の家電の改良(改悪?)を見越した設計はとても難しい。

(まさか昔よりも製品の質が下がるなんて)

こういうことが増えていくならば、
もしかしたら数年後は「メイドインチャイナ」が世界トップ品質となり、エアコンは中国製のものを選ぶ時代になるのかも。

日本人としてそれはとてもさみしい。

そうならないように、ぜひ日本の家電メーカーは「品質」を高めること=「消費者の信頼を裏切らないこと」を大切にして、世界と戦って頂きたい。

(エアコンのダウングレードについては反面教師にさせて頂きます。)

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


今の興味
:去年買い替えたエアコンがいつ壊れるか逆に楽しみ。
-「超高断熱の小さな家」escnel design-
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家のエアコン買い替え。「エアコンの取り付けとカビ」

家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①『能力と効率』」

家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方②『光熱費と買い時』」

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【秘訣】夏の日射熱調査②「車や外の日射熱の影響」

ゆうです^^

前回から夏の日射熱の影響を調べています。

手始めに、まずは「外」や「車」の蓄熱・表面温度を調べてみました。

サーモグラフィーで温度を見てみると面白いことがわかります。

夏の日射熱の調査の最終的な目的は、

「窓の日射遮蔽はなにがおすすめか」

を見極めることです。

徐々に実験を深めていきます。

今回は車と外について^^

読み進める前に「サーモグラフィー画像を見る際の注意点」として下記の記事をご覧ください。

(特に注意②が重要です。)

S邸リノベーション。17「サーモグラフィ調査①『注意点』。」

では始めます^^

我が家の前の道。(7/22 7:45)

サーモ画像の大まかな色分けは、
35~40℃(青)~45℃(黄)~50℃
という感じ。

日に当たったアスファルト(約47℃)と木陰(約36℃)では、約10℃の差があるのがわかります。

我が家の土間。(7:45)

ここでも同様ですね。
日向(約45℃)に対して日陰(約36℃)は約10℃低い。

自分の影を撮ってみた。

影になったからといってすぐに表面温度が下がるわけではないことが分かる。
それは、地面が蓄熱しているから。

「窓の日射遮蔽のポイント」は、

日射を室内に入れないこと
=日射熱を室内に蓄熱させないこと。

ということが分かりますね^^

続いて車の調査を。

日差しを浴びていないカーポート下の車内。(7:46)

空気は気温同様少し暑いが、蓄熱はされていない。
空調も良く効く。

冷房しながら通勤した直後の車内。(9:47)
約40分、日を浴びながら走ったが温度的に問題はない。

駐車場は露天。
夏の日差しをたっぷり浴びる。

測定のため昼休み後に駐車場へ。

日中の日を浴びた外部(13:00)
アスファルトは約66℃。ボディは約48℃

車内は天井が約56℃まで上がっていた。
この蓄熱が冷房の効きを悪くする原因。

Nさんの濃紺色のボディは約63℃まで上がっていた。
黒色は熱を吸収しやすいことが分かる。

夕方、再び駐車場へ。(16:20)

夕方は、正面の木が西日を遮ってくれる。
この日射遮蔽による蓄熱低減効果はとても大きい。

ボディは約42℃
13:00の48℃から約6℃下がった。
(アスファルトは約18℃下がっている。昼の照り返しが厳しいことが分かる。)

天井は約45℃
13:00の56℃から約11℃も下がった。
また、計測はしていないが13:00に比べ車内室温もだいぶ下がっていた。

少しわき道にそれますが、
僕の車は、小さいので「蓄熱される量」も少ないです。
(ボディが大きければそれに比例して蓄熱量も増す。)
(大きい車がいつまでも冷えないのはそのせい)

小さい分、日射熱の流入が少ないということ。

それは、冷暖房した熱の流出も少ないということにもつながります。

(冷房した冷たい熱が外へ逃げる量が少ない。
 暖房した暖かい熱が外へ逃げる量が少ない。)

簡単に、家に言い換えると
小さな家は冷暖房費が少なくて済む。ということですね^^

「大きさも家計負担もちょうど良い家」を提案したいですね。

今回、車の表面温度を数値化してお伝えしましたが、
車のほうは多くの方が体感的に知っていることだと思います。

日を浴びると暑くなること(空気が。そして壁天井が蓄熱する)は、住宅も全く同じです。

夏期の日射を遮ることにより、

・冷房費の削減


・体感温度の低減→快適性の向上

が見込まれます。

では、住宅の窓の日射遮蔽の有と無ではどのくらいの違いが出てくるのでしょうか。

そのご報告はまた次回に^^

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


愛車自慢
:小さくて古い車ですが実は空調の効きはとても良い♪
(小さい=空調容積が少ない。から)

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【秘訣】夏の日射熱調査①「窓の適切な日射遮蔽方法は?」

ゆうです^^

現在、夏期の日射取得熱の調査をしています。

目的は「窓の適切な日射遮蔽とは?」の探求です。

すだれ?外部ロールスクリーン?カーテン?なにが良いのでしょうか。

夏場は日射熱を室内に入れると、室温が上がることはもちろん、室内に蓄熱してしまうことが問題です。

よく聞く

「エアコンをつけても部屋が全然冷えない。」

「エアコンの冷気が不快(≒冷房病)。」

という症状は、

「室内の空気は冷えても、室内の壁や天井などが熱を持ったまま。

であることが原因です。

夏の日を浴びた車の中で冷房が効かない体験をされている方はピンと来ると思います^^

日に晒される双太郎。
外装の鉄板がそのまま内装となっている部分もあるので夏の車内は灼熱となる。

「夏の日射を遮る必要がある」ことは理解頂けたと思います。

では、「理想的な日射遮蔽の方法」は?

僕は今まで「すだれ」をお勧めしてきました。

窓の「外側」で日射を遮るのが一番効果的だからです。

そして、木の外壁の家にはすだれが良く似合う^^

その外観を見るだけでもなんとなく涼しくなります。

また「季節によって衣替えする家」というものとても素敵ですよね。

他には「外部ロールスクリーン」という方法もあります。

『山取り樹木の庭と杉板の家』より。

すだれが「日本風」であるのに対し、外部ロールスクリーンは「洋風」ですね。

外壁がシルバーグレーになった後もとても映えると思います。

また、上げ下げが簡易で、使わないシーズンも取り外す必要がないことも魅力です。

僕は「すだれ」も「外部ロールスクリーン」もとても好きです。

しかし、メリットがあれば、デメリットもあります。

【すだれ】


○雰囲気
○コスト(安い)
○交換手間少(買い替え簡単)
○効果大

△取り付け・取り外し手間
 (外部に取り付けるのが面倒、大変)※1
△保管場所に悩む
△カビる、数年で買い替え必要
(外部なので問題は少ないが、床下に収納することに少し抵抗あり)
△台風時に心配あり(取り外すかどうか)

※1.エスネルデザインでは、引き違い窓をお勧めしていません。
 (用途的に必要なところを除いて)

それは、気密性が低いから。

冬場の風が強いときは新築時であっても隙間風が入ってくることもあります。
(パッキンが劣化してきたら、、言わずもがなですね)
築2年のT様の感想(引き違いから隙間風あり)

そのため、居室の窓は「開き窓」をお勧めしています。
(開き窓は気密性が高い。)

ただし、開き窓はすだれの取り付けが少し大変(^^;)

これは仕方がないのですが、なにか改善案はないかなと考えていました。

【外部ロールスクリーン】


○雰囲気
○取り付け・取り外し手間なし(保管不要)
○効果大

△コスト(高い。一箇所数万)
△交換手間大(業者さんに依頼)

要約すると、

・すだれは取り付け・保管に難あり。


・外部ロールスクリーンはコストに難あり。

です。

これは実体験からで、

ここ数年、僕の部屋の窓にすだれをつけていたのですが、
少し面倒に感じてきました(^^;)

外部ロールスクリーンは魅力的ですが、
払ったコストに対する冷房費削減コストのパフォーマンスは△だと感じています。
(ただし、冷房費削減効果ではなく「体感温度の低減」には有効)

そこで現在、お勧め(落としどころ)はどこか考えています。

いろいろと検討した結果、現在有力なのが、

すだれも外部ロールスクリーンもせずに
内部遮光カーテンで日射遮蔽するです。

日射遮蔽効果のみを考えれば窓の外で遮蔽するほうが理想的です。
(なぜなら内遮蔽の場合、サッシ本体は熱されてしまうから)

しかし、コストや手間などを考えると落としどころは変わってきます。

僕の部屋はこの夏はすだれから内部遮光カーテンに変えました。

現在効果を実験中です^^

幅2.6m、高さ1.8mの窓。
遮光ロールスクリーンはニトリさんで合計1万円程(最安)。

とりあえず、安くて楽です^^

これで効果がある程度感じられれば、エスネルデザインの夏期の日射遮蔽方法は「内部に遮光カーテン」になりそうです。

※デザイン的に「すだれが良い」「外部ロールスクリーンが良い」
 または「予算あります」という方は別です。

次回からサーモ画像を用いて実験結果をお伝えしていきます^^

お楽しみに♪

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


日射遮蔽選択の悩み。
:手間だけど本当はすだれの雰囲気がとても好き。

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【秘訣】エアコンの選び方「エアコンは選べない!」

ゆうです^^

わけの分からないタイトルをつけてしまいました。

以前「エアコンの選び方」ということで記事を書きましたが、

最初に謝らせてください。

エアコンは選べない!!!(かも)

数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その3

「エアコンは選べない」とは、

「設計者がお勧めのエアコンを建て主に提案することはできない。」

という意味です。



「必要能力(快適性)」「効率(経済性)」

は計算で出せます。(提案できます。)
家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①」

「買い時」「光熱費」

も伝えられます。(提案できます。)
家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方②『光熱費と買い時』」

では、なぜ「エアコンは選べないの??」

それは、、

エアコンの実際の『耐用年数』はメーカーごとに違い、メーカーにしか分からないから!!

わざわざこういうことを書くのには理由があります。

僕が昨年購入した「T芝」社のエアコンの不具合がここ最近急増しているんです。

※現在調査中のため、現時点での話。
※異常が確認されるのは2012~2015年のT芝製の上位グレードエアコンのみ。
※メーカーが想定している使用時間よりも長時間連続運転をしている。
※不確定な要素が多いこと、僕自身が詳細を確認したわけではないため、参考程度として聞いてもらいたい。

まずは、僕の師匠であるオーブルデザインのブログを紹介します。

数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その3

経緯を説明すると、

①師匠が使用しているT芝製エアコンでエアコンの風が暖まらない事態が起きた。

②室外機を見てみると霜がびっしりとついていて「霜取り」が上手くできていなかった。
 →冷媒の量が減っている疑い

③冷媒を新たに補充してもらったら直った。しかし、また一年後に同様に霜が異常に付く現象が起きた。
 →どこかから冷媒が漏れている疑い

④冷媒管(配管)を調査したが冷媒が漏れている箇所はみつからなかった。

⑤エアコン本体を調査してみると、本体内部から冷媒が漏れ出していることが発覚した。
 →取付工事(電気屋さん)の責任ではなく、エアコン本体(メーカー)の責任

同時に、T芝製のエアコンの選定した建て主さんに連絡を取ると同様の事態が多発しており、発生確率は60%以上だった!
(築2~3年で不具合60%は明らかに異常。)

要点をまとめていきます。

・エアコンの設計寿命は約10年(メーカーより)
 (冷房使用:9時間/日、暖房:7時間/日)
 ※空調期に24h連続使用の場合、計算上は「冷房:7年、暖房:4年」になる。

・昔のエアコンは10~20年以上壊れず使い続けることができた。
 →冷房利用が多かった(負荷の大きい暖房利用は少なかった)。
 →壊れにくいように安全率の高い設計がなされていた。
  (より高耐久の部品を使用していた→「メイドインジャパン」ブランド化)

想像ですが、

・近年の家電の価格競争(海外製品含む)の影響で、価格を抑えるため、安全率の少ない設計を余儀なくされているのではないか。

(ex.昔の製品は設計寿命10年と書かれていても15年以上壊れなかったが、最近の製品は設計寿命10年なら10年で壊れるほどの耐久性しか持たせていない。)

これは格安化の影響のほかに、
・メーカーの経験値が貯まったこと(今までの故障の経験からどの程度の材料を使えばいいかの予測の精度が高まったこと。)
もあると思います。

その結果、『設計・材料選定の過度な改悪がなされている可能性がある。」ということ。

→今回のようなエアコン本体からの冷媒の漏れ

あくまで現時点では可能性でしかありませんし、現在では改善がされているかもしれません。

そして、T芝だけの話ではないのかもしれません。

T芝は「デュアルコンプレッサー」など技術的に真面目にやっている印象があったのに残念です。

(僕が買ったエアコンも同じような不具合がでないかドキドキしています。)

しかし!対策はあります!

製品保証・工事保証をつけることです。

僕のエアコンは、家電量販店のジョーシンさんで買ったのですが、

メーカー保証(1年)に、ジョーシンさんの保証がプラスされ、

製品保証5年、工事保証10年がついています。

他の家電量販店でも同様の保証サービスはしているようです。

逆に、

家を建ててもらう工務店さんに頼む場合、それらの保証はついていないことが多いです。
(メーカー保証の1年のみ)

なのでこれからは、

・エアコンの選定は設計者が行い、お勧めの機種を建て主さんに伝える。

・建て主さんが家電量販店などで延長保証をつけて自分でエアコンを買う。

という流れがお勧めなのかもしれません。
(建て主にとっても工務店にとっても)

手間はかかりますが価格も安い場合もありますしね。

エアコンは、冷蔵庫やトースターのような買い替えする家電感覚でいるということですね。

まとめます。

・家と設備は分けて考えること。
 
→設備(電化製品)はいつかは壊れる、不具合が起こる可能性もある。買い替え・取替えを想定した選定、取り付け位置を。

※escnel(エスネル)の二番目の「E」に込めたEasyのとおり。

・取替えが容易ではない「屋根」や「断熱性」や「耐震性」は新築時に、より安全な設計を行い、設計どおりに現場で施工されていることを確認すること。

→理想は書類(設計図書・工事監理記録)として残しておくこと。



・エアコンは10年(以内)で壊れるかもしれないと思って選定すること。

→上位グレードは空調効率は高いが、10年以内に壊れた場合、費用対効果を考えると不利になるケースもある。
付属の(お掃除などの)おまけ機能に不具合がでることもあり得る。(→シンプルなものを選ぶ。)

(余談)
エアコンは風量マックス運転にするのが一番空調効率が高く運転することが出来る。
(熱交換機に多量の風を当てられるため)

しかし、風量マックスで24h連続運転を行った場合、モーターの消耗などの劣化を早めることも考えられる。

想像でしかなく明確なことは言えないが、出来ることとしては、

フィルターのホコリはこまめに取り除く。

・1台のエアコンに運転を集中させるのではなく、複数台で運用する。
 (特に暖房)

・断熱性を高めて「暖房負荷」自体を少なくする。

などが考えられる。

まだまだ検討の余地はあるが、設計者として建て主さんのためになるよう出来る限りの提案をしていきたい。

…………………………..

今回のブログは設計者(僕)の言い訳のようなものでもあります。

最初に「エアコンを選べない」と書きましたが、

言い直すなら、

「メーカーの仕様・耐久性まで熟知できないので責任を持てない。」

ということです。

今回のT芝製エアコンの一件でとても怖くなりました。

もし、僕がそのエアコンをお勧めしていて何百件も引渡しをしていたら、、、

誰がどう責任をとるのでしょうか。

(もちろん最終的な責任はメーカーだが、それを勧めた設計者の信用問題もある。←建て主さんがどう考えるか。)

今後、家電業界は、熾烈な競争や海外への工場移転などの影響で品質にバラツキがでやすくなっていくのかもしれません。

まだ調査中ではありますが差し当たり現状の報告をさせて頂きました。

おまけ…………………………..

T芝のエアコンの不具合が発覚した経緯(オーブルデザインブログより)。
より専門的で具体的で面白いです。

東芝のエアコン・・・問題あり?

冬期の霜取り運転が上手くされず室外機が凍り付く事態が起きた。
他メーカーでは見ない霜の着き方。明らかに異常。
冷媒を入れなおすと正常になったため、冷媒漏れが疑われた。

数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?
T芝のエアコンの内部を見てみるとサビがひどいことがわかった。

数年前の東芝製のエアコンはリコールした方がよいのでは?その2

27年前(1991年製)の三菱製のエアコンの室外機の内部。
カビはあったがサビはなかった。
「メイドインジャパン」ブランドは今後どうなる?