カテゴリー
Uncategorized

豊かな暮らしのつくり方。03ー『僕の住宅観の変遷』ー

前回、『家は、建てるな。』という表現の強いブログを書きましたが、
その考えに至るには、とても長い期間がありました。

「家は建てるなって、急にそんなことを言われてもついていけない!」

と感じた人も多いと思います。

そこで今回は、
前回のブログ「家は、建てるな。」の補足になればと思い、

『僕の住宅観(家づくりに対する考え方)の変遷』

の話をしようと思います。
(長くなりすぎないようだいぶ簡略化して書きます。)

家づくりを考える上で参考になれば幸いです。



①20代前半。住宅営業マン時代

その頃の僕は、

「家族をもって早く自分の理想とするカッコいい家を建てたい!」

と考えていました。

新築されるお客さんがうらやましく感じていました。
新築住宅を建てるお手伝いができることにやりがいと誇りを感じていました。
「新築住宅を建てる=家族の幸せ」とシンプルに考えていました。

この住宅観は、家を建てられる人の多数を占めるのではないでしょうか。

②20代後半。設計事務所下積み時代

その頃の僕は、


「ただ、住みやすくかっこいい家ではなく、
耐震性はもちろん、超高気密高断熱化して、
住んでからの光熱費や快適性を重要視し、
メンテナンスコストも少なくなるよう考えた
コストパフォーマンスの高い家を建てなければ!」

と意識が変わってきていました。

これは、

・東日本大震災が起き、今後エネルギーコストの上昇が避けられないことがハッキリとしたこと、

・構造計算と工事監理で裏づけがとられた耐震性能の重要性を再確認したこと、

・雨漏りや、素材の劣化など様々なクレーム被害を調べていくなかで、
引き渡してからのメンテナンスの重要性を再確認したこと、

・妻の実家(築35年。低気密低断熱)での生活がスタートし、
暖かさ・快適さが、生活する上で、なにより重要であると感じたこと、

・日本経済の先行きや、自分の老後に不安を感じたこと、

など、様々な理由からです。

現在の事務所に来られるお客様が、
家づくりについて、自力で本当によく調べられていたことにも大きな刺激を受けました。

インターネットが発展している現在、
ここまで考えて住宅を建てられる人も大勢いるかと思います。



③30代。家族を持ち、独立を考え出した現在。

設計事務所で経験を積みながら一級建築士をとり、
独立を考えている現在、とうとう


「家は、建てないことにしよう!」

というところまで、考えがかわってきました。

その理由は前回書いたとおりです。

簡単に言うと、

「家にお金をかけるよりも、家族で旅行に行きたい♪」

という感覚です。

世界一周の旅をしている頃から、
僕の中の価値観が変わっていきました。

旅をしていなくても、時代の流れで必然的に変わっていたと思います。

「物質的にはもう満たされている。」


「物質的な豊かさでは、幸せを感じることは少ない。」



「それよりも、精神的な豊かさにとても大きな幸せを感じる。」



「限られたお金をかけるなら、物質的なものよりも精神的なものにお金をかけたい。」

僕が感じる精神的な豊かさとは、具体的には、

「家族で過ごす時間」


「仲間と過ごす時間」



「自然の中で過ごす時間」



「三世代同居のなかで感じる豊かさ」



「田舎暮らしで感じる豊かさ」



「生まれた地で生活し、自分が育った町で子育てをする幸せ」

などなどです。

家の本体費用や、建てた後にかかってくる費用をけずってでも、
これらの幸せにお金をまわしたいと考えるようになりました。

そのほうが、きっと
寿命を終えるときに、「良い人生だった♪」と幸せに逝けると思ったんです。

さてさて、また長くなってきてしまいました。

「家は、建てない。」

では、どうするか。

どうやって暮らしていくのか。

それは、、、

次回に続きます♪

カテゴリー
Uncategorized

僕の過去のブログ紹介。

こんにちは。ゆうです。

新潟では、ようやく晴れ間の見える日も増えてきて、

春の気配が感じられるようになってきました。

春が待ち遠しい反面、冬が終わるのが少し寂しい気もする、

なんかそわそわした気分です。

寒いうちに もう一度、友人たちとうちの庭で

焚き火を囲みながらお酒が飲みたいなーと妄想しています♪

さて、

僕は、このブログのほかに今までに2つブログを書いてきました。

ひとつは、


『住宅手帳*新潟のある設計士の物語。』

これは、4年前に現在在籍している設計事務所に入ってすぐのときから、

書きはじめた 田舎暮らしやら 建築やらの備忘録でした。

恥ずかしい話ですが、仕事が忙しくなったことや、試験勉強に打ち込むために

途中で更新をストップしてしまっています。

言わば、このエスネルブログのプロトタイプです。

もうひとつは、


『世界中から、うたを送ろう★』







これは、2011年末から2013年までの1年と2ヶ月の間、


妻と二人で世界一周の旅をしていたときのブログです。




妻とは、高校で出会い、大学生のときから付き合っているのですが、


そのころから、26歳になったら二人で世界一周しよう!と計画していたのでした。


内容は、観光の話が多いですが、


旅をする中で、いろいろと 人生や 仕事や 家族について、


あれこれ悩んで、考えて、決めていった過程も書かれています。




旅のときの話は、このブログでも


これから少しずつふりかえってみたいと考えています。





興味があれば読んでみてください♪
(若いときのブログなので恥ずかしいですが、)

昔をふりかえり懐かしい気持ちになった
ゆうでした。

カテゴリー
Uncategorized

豊かな暮らしのつくり方。02ー『家は建てるな。』ー

これから家を建てることを考えているひとに、
最大級のアドバイスを送ります。

それは、、、



『家は、建てるな。』

です。

「え!? この人なに言ってるの!?(それでも設計士?)」

という声が聞こえてきそうですね。

しかし、これは、冗談ではなく、本気で言っています。

真意としては、

『まずは「家を建てる(所有する)」という常識を疑え!』

ということです。

現在、なんとなく、

「結婚して、子供が生まれたら、次は家を建てる」

という流れが常識化しています。(特に田舎は。)

親や友人など、まわりが家を建てているため、
家を建てることに疑問を感じていない人も多いのではないでしょうか。

最初は不安があったとしても、
住宅総合展示場に行ったり、銀行で話を聞いたりしているうちに
どんどん不安が薄れてきます。

それは、住宅や銀行の営業マンは、良いことしか言わないからです。
(住宅やローンを売ることが商売だからです。)

営業マンの中には、本気で、「家を建てることが家族の幸せにつながる」と信じて
セールスしている人もいます。

それはそれで、悪いことではないのですが、
「家を建てることが家族の幸せになる」かどうかは、
建てる人(あなた)が判断しなければいけません。

具体的な判断基準を言えば、『家計が回るかどうか』です。
(ローン返済全期間)

それプラスアルファで今後の時代の流れを読む技術や知識も必要になってきます。

「今後の時代の流れを読む技術や知識ってどういうこと?」

と思われると思うのですが、
未来を予測するためには、過去からの流れを知ることが一番です。

ひとつ質問します。

「みなさんは、日本人がいつ頃から家を所有しだしたかご存知ですか?」

江戸時代初期?

江戸時代後期?

明治?大正??

答えは、1960年ごろからなんです。

それまでは、みんな借家に住んでいたんです。

持ち家文化は、まだ半世紀ほどしかないんです!

「家を建てる=当たり前」

ではなく、

「家を建てる=超最近の新しい文化」

なんです。

ではなぜ、借家から持ち家に切り替わっていったのでしょうか。

それは、戦後復興のための国と企業の戦略でした。

戦後、焼け野原になった日本には、お金も住む場所もはありませんでした。

そこで、企業と国が、

「いつかは夢のマイホーム!」

「あたなも一国一城の主!」

と銘打って、住宅を庶民に所有させる流れを作ったのでした。

住宅を建てる(所有する)ことは、

・資産のない庶民が唯一資産形成できる。(土地神話)

・建築業界が潤い、地元にお金が落ち、お金が循環し、経済が活性化する。
 (住宅建築は仕事の業種が多く、近場の職人さんに頼むことが多いため、
  地元に広くお金が落ちる。)

・価値の低かった土地を、開発することで価値が上がり、開発業者が儲かる。

・住宅の所有に対して税金をかけられ、国の歳入が潤う。

などなど、国、企業、庶民みんなにとっていいことづくめの政策でした。

しかし、
ここまで読んで、勘が良い人なら気づいたはずです。



「もう土地神話は終わっていて、家も土地も価値が減っていくし、人口減少で、土地も家も余るし、景気(消費)がこれから良くなるとは思えない。」


=『時代が変わって、建てる人のメリットがなくなってないか!?』

家を建てる前に、みなさんに伝えておきます。

時代がかわったので、家を建てることは、昔に比べ、

ハンパなくハイリスクなことなんですよ!!!

住宅の営業マンはみんな言います。

「35年ローンで家賃並みで家が建てられますよ♪
 家賃は掛け捨てですが、住宅は資産ですよ♪」

いっけん、「なるほど!家を建てたほうがお得そうだ!」と思いますよね。

でも、

築35年の中古住宅に、新築時と同じ家賃を払って住みたいと思いますか?

35年ローンを組むということは、35年後にそうなっているということです。

さらに言えば、

35年後、あなたは今より高い給料をもらっているのでしょうか?


今の勤めている会社は存続しているのでしょうか?



家族と週末旅行に行く経済的な余裕はあるのでしょうか?



そのときの家+土地の価値はいくらになっているのでしょうか?

たしかに、今のアパートの家賃をもったいないと感じるかもしれません。

しかし、短絡的にすぐに家を建てるのではなく、
一歩踏みとどまって、いろいろと勉強したり、自分で考えたりしてからでも、
家を建てる決断は遅くはありません。

僕は、住宅を設計する(家を売る)仕事をしていますが、
最初のアドバイスは絶対にこれです。



『家は、建てるな。』

-「超高断熱の小さな家」escnel design-





…………….

しかし現実的には家を建てる以外により良い「住」の選択肢が少ないのは確かです。
あれこれ考えたあと最終的には「家を建てる」ことがベターであることが多いです。
(そのために僕は住宅設計士をしている)
『家は建てるな。』と書いたのは一度「あれこれ考えてもらうため」。
その結果、地に足がついた家づくりが進められればと考えているからです。

「家が欲しい。」

「家を建てて本当に良いのかを疑う。」

「いろいろ検討した上で、やっぱり家を建てようと思う。」

と冷静に検討を進めたあとで下記のブログを読んでもらえればと思います。

家を建てる場合『重要な4つのポイント。』があるんです。
カテゴリー
Uncategorized

豊かな暮らしのつくり方。01ー『もちはもち屋に。』ー

住宅業界に入って早10年以上。

良い家をつくるにはどうすればいいのかがわかってきました。

それは、『もちはもち屋に頼む』ということです。

具体的には(行動順)、



①信頼できるファイナンシャルプランナーを探し、人生の収支計画をつくってもらう。

自分の家計を見てもらい、様々な収支を考慮した上で、

将来にわたって負担の暮らしができる住宅予算を教えてもらう。

家がほしくなったらまず、展示場に行く方がほとんどだと思います。

そうすると、「あれがほしい」「こっちのグレードがいい」と

家への要求でいつのまにか頭がいっぱいになってしまいます。

良い家づくりのスタートはそうではありません。

家ではなく、家族が送りたい人生を考える。

僕は、豊かな人生とは、家ではなく、

こどもや趣味や老後など家以外のことにお金を使える人生だと考えています。

こどもや趣味や老後に比べ、たいてい家を建てることが一番先にくるため、

予算のかけ方を間違ってしまう方が多いんです。

そうならないよう、まずは自分の家族のファイナンシャルプランを立てましょう。



②信頼できる設計士を探し、住宅の設計をしてもらう。

設計士の仕事は本当に多岐にわたります。
参考『設計士が設計する家を。』

良い家づくりは、自分にあった本当に信頼できる設計士と会うことからです。

信頼できる営業マンに会うことも大切ですが、

将来にわたって本当に考えられた良い家を建てるには、

営業マンではなく、信頼できる設計士に会うことが必要です。

営業マンの良し悪しは、家が完成するまでの満足度に関係してきます。

設計士の良し悪しは、家が完成してからの満足度に関係してきます。

家の間取りや使い勝手はもちろん、

光熱費やメンテナンスの頻度、素材が経年劣化しづらい工夫、

安全性、快適性、豊かな時間が過ごせる空間的工夫、、、(もっともっとあります)

設計士の力量で、良い家かそうでない家か、とても大きな差が生まれます。

③信頼できる工務店を見つけ、家を建ててもらう。

はっきり言います。

良い家ができるかどうかは、大工さんで決まります。

設計の段階では、「絵に描いたもち」です。

それを実際に形にするのが大工さんや職人さんです。

大工さんが違えば、同じ図面でも、まったく違う家ができあがります。

パッと見ではわからなくても、

気密性はしっかりしてる? 断熱材は奥までちゃんと入っている?
数年して壁紙がはがれてこない? 扉がきしんでこない?

技術のない大工さんは、技術のない仕事をします。

良い大工さんは、良い仕事をします。

かんながきれいに乗っている。 床材をいいものを選んでくれている。

万が一がないように、気密の処理が入念にされている。

万が一の雨漏りがないように、雨が吹き付けそうな部分の防水は通常よりも入念にされている。

設計では、書いていないようなことも、
良い大工さんは自分の思いと誇りで良い仕事をされいます。

そして、家ができたあと、数十年にわたり、

実際のお付き合いをしていくのも大工さんです。

家を考える数ヶ月に比べ、はるかに長い年月を

大工さんと一緒に家をメンテナンスしていくことになります。

住宅業界では、家が建ったあとにメンテナンスや定期点検にくる大工さんが、

実際に自分の家を建てた大工さんではないことが往々にしてあります。

もちろん、そういう大工さんも甘い仕事はしないと思います。

しかし、あなたが大工さんの身になってみたとき、

自分が建てた家と、建てていない家、

同じ気持ちでメンテナンスや点検ができるでしょうか?

やっぱり人間、自分で建てた家のほうが格段に愛着があります。

不具合があれば早く直してあげたいという思いがあります。

あなたがお願いする工務店の大工さんは、

家が完成してからも、メンテナンスにきてくれそうですか?

そして、もっとも重要なことは、

①信頼できるファイナンシャルプランナー
②信頼できる設計士
③信頼できる工務店

これらを分離して依頼すること。

それぞれプロフェッショナルに依頼すること。

これが、良い家づくりができる条件です。

①②③、全てが完璧な会社はないと思います。

それぞれに都合がありますから、

「あっちを立てればこっちが立たず」になります。

会社には社長がいて
社長は利益を上げようとします。

本音を言えば、一番利益が上がる家を売りたいんです。

できるだけ予算を多くして契約額を増やしたいんです。

できるだけ楽で手間のなく使いまわせる設計をしたいんです。

できるだけ作業が少なくアフターメンテナンスに呼ばれづらい家を作りたいんです。

本音を言えば、今、売られている住宅は、
良い家ではなく「売りやすい家」「クレームがおきづらい家」なんです。

本音を言えば、僕も、設計だけでなく、施工もして、
ファイナンシャルプランもつくる工務店をつくったほうが儲かると思っています。

でも、それはしません。

なぜなら、

「良い家」をつくりたいからです。

良い家をつくるにはどうすればいいかずっと考えてきました。

やっとわかってきました。



『もちはもち屋に。』

これから家を建てられるみなさんが、信頼できる人に出会えることを願っています。

ゆう。

-「超高断熱の小さな家」escnel design-