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【秘訣】2018年の積雪から空調を考える。「低温暖房能力」

ゆうです。

前回、ここ数日の異常積雪から「構造」を考えました。
 →【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「設計積雪量」

今回は「空調」について考えたいと思います。

グラフは新潟市の日平均気温の推移を示したもの。
赤線(過去4年平均)青線(2018年)が大きく下回っている。

ポイントは「氷点下になっている日が多い。」ということ。

(新潟では例年最低気温が2℃を下回る日は数日しかなかった。
 今年の氷点下の日数は少し異常。→水道管の破裂がそこらじゅうで起きた。)

氷点下になると空調にとってなにが問題かというと、

・エアコンの効率が下がる!
・発揮できる能力が下がる!

ということ。

①効率が下がる。

エアコンはヒートポンプという仕組みで動いています。
簡単に言えば、1の消費電力から4倍とか6倍とかの暖房効果が取り出せる仕組みです。

1の消費電力から1の暖房効果しか取り出せない電気ストーブなどに比べると、環境負荷が少なく経済的です^^

その4倍とかの効率が、外気温が低くなるにつれて3倍とか2倍とかまで落ちこんできます(T_T)

効率が落ちる理由は、


①外気温と設定室温の温度差が大きくなるため(負荷が増すため)
外気温4℃~室温22℃なら差は18℃だが、外気温-2℃~室温22℃だと差は24℃。差が大きいほうがエアコンにとっては辛く効率が落ちる。

②雪が室外機に入り込み熱交換フィンを冷やすため(外気温以上に温度差がつくため)
これは融解熱の影響によるもの。
1kgの氷を溶かすには、1kgの水を80℃まで上げるのと同量の熱量が必要。
氷を溶かすには想像以上に多くの熱量がいる。逆に言えば、雪が解ければそれだけ多くの熱が奪われている。

③エアコンの室外機に霜がつきやすくため。
熱交換フィンが冷えれば霜が付く量が増える。霜取り運転をする割合が増えればその分暖房効率は落ちる。

効率が下がるということは、
暖房費が余計にかかる!ということです。

続いて、

②発揮できる能力が下がる。

エアコンは外気温が低くなるにつれて発揮できる能力が下がっていきます。

先日我が家で購入したエアコン(6畳用)。
暖房能力(外気温7℃時)は最大3.9kWだが、
低温暖房能力(外気温2℃時)は最大2.8kWと発揮できる能力が落ちる。

エアコンを選定する際にはこの低温暖房能力が必要能力以上かどうかを見極める必要があります。



しかし、今後はそれでは不足かもしれません!

僕は「新潟では外気温2℃以下になる時間は多くないため、低温暖房能力が足りていれば良し」と考えてきました。

しかし、この冬で新潟でも数日間連続で氷点下になることがわかりました。

1月末~2月頭の平均気温。
新潟、柏崎ともに2℃~-2℃。
1/24~1/26には平均気温が氷点下である日が3日間続いた。

僕の師匠が行ったエアコン調査から、
外気温-4℃のときの暖房能力は、外気温2℃のときの暖房能力の約60%まで落ちることが分かっています。

また、雪が室外機に付着することを考慮すると暖房能力はカタログの数値からさらに落ちます。

これらを踏まえ、エアコンの選定方法をどう考え直すか。

・まだ2018年冬の途中であること。
・この冬と同様の冬がどの程度の頻度で起きるか明確でないこと
などから、現時点で結論を出すことは出来ません。

しかし、わかっていることはあります。

最悪の事態は

「選定したエアコンで暖をとれなくなること。」

 →寒さから体調が悪くなること。健康を害すこと。

これは、ここ数日我が家はエアコン暖房をしていましたが、特に問題を感じませんでした。
(1日中過ごしている妻に聞いた。)

外気温-2℃ほどでもエアコンで暖を取ることはできた。→OK

ひとまず「問題なし」としておこうと思います。

これは、エアコンを24時間連続運転で使用しているため、部屋の壁や家具などが暖まり蓄熱していた影響が大きいと思われます。

また、室外機の位置が雪が積もりにくい屋根下であることも影響していると思われます。

屋根下の室外機(写真下)。(寝室の室外機(写真上)は雪がかぶっている。)

今後の課題をまとめると、

・暖はとれてもエアコンの効率は落ちているため、暖房費は増える。

・24時間連続暖房でないと暖がとれない可能性がある。

・外気温-2℃以下になった場合はわからない。

もし今後、現在よりも厳しい気象状況が起こる場合には、

新潟では豪雪地以外不要と考えていた「寒冷地用エアコン」の採用が必要になるかもしれません。

※寒冷地用エアコンは、
・低温暖房能力が氷点下-10℃以上でも高いこと。
・室外機にヒーターがついているため霜取り運転が少ないこと。
が特徴だが、その影響で効率は落ちる。
よって必要がない外部条件なら寒冷地用エアコンでないほうが経済的。

いずれにせよ

「新潟の気象条件を加味して空調設備を選定しているか。」

が良い家を建てられるかどうかの分かれ道かもしれません。

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家のエアコン買い替え。「エアコンの取り付けとカビ」

ゆうです。

先日購入したエアコンを今日取り付けてもらいました。

取り外したエアコンを内部を見てみると大変なことが、、、!

取り替えたのは、

1階についていたパナソニック製CS-SG25Y(約6畳用、1998年製)
冷房COP=3.6 / 暖房COP=3.9 

と、

2階についていた三菱製MS-2571(約6畳用、1991年製)
冷房COP=3.1(冷房のみ)

1998年製のエアコンの冷房COPが3.6、
先日調査した最低グレードの2017年製のエアコンの冷房COPは3.5~4.1。

20年経ってもそこまで劇的に性能が上がってはいないことがわかりますね。
(最高グレードの冷房COPは5.5ほど)

→エアコンの仕組み自体はとてもシンプルでこれ以上性能を上げられない。
 →各社、付加機能で付加価値をつけ、何十年も販売し続けていることが分かる。

―――――


新しく購入した東芝のRAS-C225D(6畳用)。冷房COPは4.1

裏面。冷媒管を取り出す。

旧エアコンを取り外し、、

受け材を取り付け、、

本体を設置する。室内機の取り付けはシンプル。

設置完了!

外に出て、、

既存室外機を取り外す。

取り外された室外機。

製造から19年経過。
熱交換器のフィンの折れ曲がりや白サビが見受けられる。

フィンの素材はアルミ製。
アルミは熱伝導率が高く(鉄の約2.8倍)、耐腐食性が高いため熱交換フィンに多様される。

冷媒管を室外機につなげる。この中を冷たいガスが通り、室内機の熱交換器を冷やし、風を通し、冷房する。

冷媒管の断面。銅製の管に断熱材が被覆されている。
銅の熱伝導率はアルミの1.6倍あり、容易に曲げることもできるため冷媒管に適する。
(アルミと比べ、耐腐食性は低いので被服が必要)

ポンプで冷媒管の中を真空にし、その後冷媒(ガス)を充填させる。
この作業を丁寧に行うことがとても重要!

管の中に空気が残っていると能力低下や効率低下を引き起こしてしまう。
計器で圧力を確認しながら、冷媒管を適正に充填させる。

ドレン管は結露水を問題なく排出するため、なるべく垂直に下げる。
(水が溜まるような状態だと、あふれて室内機から水が垂れてくることがある)

室外機取り付け完了。
積雪地域の場合、室外機は地面起きせずに壁付けとし、雪で室外機が埋まらないようにすると良い。
(雪で埋まると暖房効率が極端に落ちてしまう)

―――――

さてさて、ここまでは一般的なエアコンの取り付け。

ここからが僕にとってはお楽しみの

既存のエアコンの経年変化チェック!

まずは1998年製(設置19年)のエアコンから。

中をのぞいてみる。

意外と内部もシロッコファンもきれいだった。
客間に設置されていたこともあり、相方の話ではあまり使用頻度は高くなかったそう。

―――――

続いて1991年製(設置26年)のエアコン。

中をのぞいてみると、、、

ややや!!!

カビだらけー!!!

これが26年経ったエアコンの内部です。

このエアコンは、個室に設置されいて夏期は毎日使用していました。

まあ正直この内部の様子は分かっていました。

毎夏の使用前に、届く範囲でカビをふき取っていたからです。

(除菌スプレー+ティッシュ+割り箸で)

でももちろん全てのカビを取り去ることはできません。

そんななかでだましだまし使用していたのでした。

しかし、

新生児がいる空間となると、気分的に心配する気持ちが増してきます。

そんなこんなで今回のエアコン購入となったのでした。

ちなみに、現在のエアコンには、

「クリーニング機能」というものが備わっています。

これは、冷房後、一定時間ファンが回転し、エアコン内部を乾燥させカビなどの成長を抑える機能です。

今回購入した東芝の機種だと、

冷房運転1時間以内の後にはクリーニングを2時間自動で、

冷房運転1時間以上の後にはクリーニングを4時間自動で行う設定になっていました。

いつ頃からこのクリーニング機能が一般的になったのかはわかりませんが、

1998年製のエアコン内部はカビがほとんどなかったことから、

もしかしたらその頃からクリーニング機能のようなものが備わっていたのかもしれませんね。

とりあえずこれで来年の夏はきれいなエアコンの冷房がかけられます。

一安心です。

フタを開いて内部の熱交換器の様子を見る。
熱交換機自体にはカビなどはなく、健全な様子だった。

―――――

以上が今回のエアコン買い替えの顛末でした♪

カビにビックリされましたでしょうか。

みなさんの家のエアコンの内部はどうでしょう?

この機会に一度見てみられてはいかがでしょうか。

安心するか、ビックリするかどっちでしょう^^

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家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方〈その他の要因〉」

ゆうです。

エアコンの選び方の補足です。

その①「エアコンの選び方概要」はこちら
その②「具体的なエアコン比較」はこちら

①、②は伝わりやすいようだいぶ簡略化して話をまとめました。

今回は、その補足をしようと思います。

雨の日の通勤中、直射が差して虹が出ていた♪

―――――

さて、エアコンの選び方ですが、実はけっこう複雑で難しいんです。

というのは、建物からどれだけの熱が逃げるのかを計算する必要があるからです。

前回の②では単純に、中と外の温度差だけを考え、どれだけ熱が逃げるのかを計算しました。

真夏にクーラーボックスを外に置いていたら、徐々にクーラーボックス内の温度は上がっていきますよね。
外から中へ熱が伝わるからですよね。

それと同じ種類の熱の逃げ(熱貫流)だけ考慮しました。

しかし、実際は温度差により熱の逃げのほかにも、

日射熱による熱負荷
 (窓ガラスから入ってくる太陽の熱)

家電や人の発熱による熱負荷
 (冷蔵庫やパソコンや照明や人からの熱)

換気扇による熱負荷
 (今の家は24時間換気をしている=空調した空気を外に捨てている)

これらは、家ごとにケースバイケースで、

・日射熱の量は、窓の大きさや向きによって変わります。

・家電や人も同様

・換気扇も家の大きさや、換気扇の種類によって異なります。

これらそれぞれ個別の条件を拾い出し合算することで初めて、暖房冷房の必要能力が算出されます。

また、これらはあくまで机上の計算ですからもちろん現実とはズレがあります。

生活スタイルの違いや空調の設定温度によっても変わってきます。

なので、シビアなエアコン選定はとても難しい!!

その結果、多くの設計者が

「12畳の部屋には12畳のエアコン(またはそれより大きな能力のエアコン)」

を提案しているのが現状です。

しかし、それでは、効率が悪い!(=光熱費がかかる!)

効率が悪い運転を続けていたら年間○万円も損してしまうかもしれません。

それを知らないのはもったいないですよね。

なので、しっかりとエアコンの必要能力を計算し、適切な機器を提案することがとても大事なんです。

また、その①では、「建物の断熱性が大きなポイントです」と書きましたが、

それだけでなく、気密性もとても大きなポイントです。

気密性が低いと(例えば、1階床・2階の天井に隙間があると)、

暖房時には、煙突のように1階床から冷気が入ってきて、2階の天井から暖気が外に抜けていってしまいます。

「温かい空気は上に行く」と学校で習ったとおりです。

(そのため、古い家ではよく「エアコンじゃ全然温まらない!」という話になる)

具体的な数値で言えば、気密性能を表すC値は1以下にしたいです。

(現在の事務所では平均C=0.4ほどを出しています。)

ちなみに、その①では、断熱性UA=0.9で計算しましたが、

UA=0.9はおよそ現在の断熱等級4(最高ランク)です。

しかし、現在の事務所ではUA=0.3ほどの断熱性の住宅をつくっています。

断熱等級4の3倍も断熱性が高いということですね。

それは、UA=0.9では快適性も光熱費の削減効果も必要十分でないと考えているからです。

そのあたりはまたいつか詳しく書こうと思います。

また、エアコンを家全体で使うか、個別の室で別々で使うかによっても選定は変わってきますね。

同様に、エアコンを24時間連続で使うか、いるときだけ付けたり切ったりして使うかによっても変わってきますね。

ちなみに、エアコンは風量が強のほうが効率の良い運転ができるって知っていますか?

同じ熱量を部屋に供給するとき、

風量が多いほうが、エアコンの機器の中の温度を少なく抑えられるからです。

説明が難しいですね、、

暖房で、室内を24度にしたいとき、

風量強なら、エアコン内温度は30度で足りるところ、

風量弱だと、エアコン内温度は40度必要になってしまう。

ということ。(数値は概算。)

※エアコン内には冷媒管という管が通っていて、その温度を変え風を当てて吹き出すことで冷暖房をしている。

※しかし風量を強にすると、音や風が当たることでの不快感などが増すリスクがある。

―――――

最後に、もろもろ考慮して現在の事務所で提案していることをまとめます。

○基本的に、断熱性と気密性は高い仕様とする。
 (UA=0.3、C=0.4)

【夏(冷房期)】

○すだれや外部ブラインドで日射熱を防ぐ。

○吹き抜け上の冷房エアコン(6畳用等)で家中全体冷房(24時間連続)

【冬(暖房期)】

○洗面脱衣室に設置した床下エアコン(14畳用等)で家中全体暖房(24時間連続)
 風量強で高効率運転
 →洗面室に設置することで音の問題解消+風呂や洗濯物を乾かす。

―――――

ここまでまとまりなく書いてきましたが、

空調は、

必要能力、快適性、光熱費、断熱気密性、効率、配置、音、メンテナンス、、、

等が複雑に関わってくるので、簡単に言いまとめることはとても難しいです。

プロの設計士でもバランスの良い提案が出きている人は一握りだと思います。

なので、それらの知識・経験があり、それぞれの住宅ごとに深く検討してくれる設計士に出会えればラッキーですね。

まとまりがありませんが、今回はこの辺で。

いずれもう少し個別に深くブログで書いてみたいと思っています。

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家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方②『光熱費と買い時』」

ゆうです。

エアコンの選び方②です。→その①はこちら

ベビーの部屋用のエアコンですが、実は冷房用のエアコンを買ったのでした。

寒くなってきて冷房用のエアコンを買う。なんでー?

価格コムより。あるエアコンの価格の推移。

皆さんは一年の中で一番良いエアコンの買い時はいつか知っていますか?
上のグラフを見れば一目瞭然ですが、
エアコンの買い時は、ずばり冬です。
エアコンは毎年4月頃に新モデルが発売になります。
(最高グレード機種は年末頃)

5-6月頃に良い値段で家電量販店に並び、

夏が近づき、ボーナスも出た後の7月以降に一番売れるようになります。

夏は、需要のほうが上回り価格はまだ少し高いままの商品が多いです。

そして、設置業者が混んでいます!

2週間以上待つなんていうこともざら。

業者も仕事がパンパンなので作業にミスが出る確率も高いかもしれません。

ということで、エアコンを買うのであれば冬がオススメです。

年末のセールなんかでも良いかもしれませんね。

(しかし新潟では雪が降り出すので作業がしづらくなるため△)

といった理由で来年の夏用のエアコンをこの時期に買ったのでした。

―――――

さて、

具体的なエアコンの選定ですが、事前にインターネットで調べました。

12畳の部屋につけるので大きさは6畳用で決まりです。
(↑詳しくは「エアコンの選び方①」より)

まず、グレードごとの性能と価格の関係について。

日立のエアコンで比べてみました。
※冷房COP・・・以下COP
※価格・・・価格コム最安(2017.11.23現在)

①Xシリーズ(最上位グレード)
 COP=5.5
 価格=22.9万円

②Eシリーズ
 COP=4
 価格=9.4万円

③Wシリーズ
 COP=3.9
 価格=5.9万円

でした。

最上位グレードはいろいろ機能がついているせいかやたら高いですね!

僕は、いろいろな付加機能は不要と考えているので最低グレードで十分です。
(COPが極端に悪くなければ)

―――――

続いてメーカー比較です。

6畳用最低グレードで比較しました。

○日立
 COP=3.9
 価格=5.9万円

○東芝
 COP=4.1
 価格=5.9万円

○パナソニック
 COP=3.7
 価格=7.4万円

○三菱
 COP=3.5
 価格=5万円

○ダイキン
 COP=3.8
 価格=4.9万円

比較してみると、営業力(ブランド力)のあるメーカーの価格は高めであることがわかります。

調べてみて、「よし。東芝にしよう」と決めました。

東芝のエアコンには、センサーカメラや自動掃除+排出機能や自動加湿など、

不快リスクや不具合リスクや光熱費アップリスクが考えられる付加機能がなかったこともプラスでした。

―――――

ここまで考えると、

「COP1の差ってどれほど光熱費に反映してくるの?」

という疑問が浮かびますよね。

計算してみます。

前回同様、UA値=0.9、部屋の表面積=84㎡(12畳)
夏場内外温度差=35℃ー26℃=9℃、冷房期間60日
とすると、

0.9×84㎡×9℃×24h×60日≒1000kW

暖房も使うとして、
冬場内外温度差=24℃-5℃=19℃、暖房期間150日
とすると、

0.9×84㎡×19℃×24h×150日≒5200kW

夏冬足すと、合6200kW
COP=3のとき、消費電力は、
6200/3≒2000kW
電気代の単価が28円/kWとすると、2000×28=5.6万円/年
COP=4のとき、消費電力は、
6200/4≒1550kW
1550×28=4.3万円/年
結果、COP=3とCOP=4の年間光熱費の差は約1.3万円でした。
※12畳の部屋を空調期間中24時間連続空調したときの差です。
※計算を簡略化するため、日射熱や家電熱や換気熱は無視し、
 空調期間の温度差は一定として計算しています。

―――――

結果僕は、東芝の「大清快 C-Dシリーズ」 (6畳用)RAS-C225Dを買いました。

長くなってきたので省きますが、

ジョーシンさんでいろいろ頑張ったら価格comの最安価格より安く買えました♪

本体保証5年、工事保証10年、標準取り付け工事費込みで一台5万円(税込)でした。

(取り付けオプション費用やジョーシンポイントは除く)

取り付け工事は4日後。十分検討できたし安くて早くてよかった^^

2回にわたり長々と書きましたが、皆さんのエアコン購入の参考になれば幸いです。

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家のエアコン買い替え。「エアコンの選び方①『能力と効率』」

ゆうです。

ベビーが生まれて初めての冬がやってきます。

僕は今日、ベビーの部屋のエアコンを買ってきました^^

皆さんは適切なエアコンの選び方って知っていますか?

エアコンを買ったことがある人であれば経験があると思いますが、

エアコンを選ぶのってとっても難しい!

なにを基準に選んでいいのかよくわからないし、ハッキリ言って面倒くさいですよね。

僕が勤めている設計事務所は、空調や断熱性に特化した提案をしています。

そのため、専門知識+実践経験が蓄積されています。

今回は住宅のプロはどういった基準でエアコンを選ぶのかを書こうと思います。

東芝のエアコンのカタログ2017。一社だけでもこれだけある。

エアコンを選ぶのって大変ですよね。

・各メーカー4~6種類のグレードを用意している

・6~26畳用ほどの大きさに分かれている(9段階ほど)

・メーカー数が大手だけ9社ほどある。

単純に掛け算したとすると、6×9×9=486種類!

のうちの1つを選ばなければならない!

しかも、買い方も様々。

・家電量販店で交渉して比較して、、、

・ネットで最安を狙って、、、

・昔からの付き合いの電気屋さん、工務店に頼んで、、、

イヤになりますね!

適当に決めたいところですが、かといってもエアコンは

・快適性(冷房、暖房の効き)

・光熱費

に大きく影響するため慎重に選びたいものです。

ネットで情報を探すとしても、出てくるのはたいてい

「メーカーそれぞれの特徴、機能の比較」

ばかり。(または価格比較サイト)

はっきり言いますが、(僕の主観です)

各メーカーそれぞれの機能はおまけ!

であって、エアコンを選択するための要点とは別。

と考えています。

特徴、機能とは例えば、

・D社は自動加湿機能がついているとか、

・M社、H社はセンサーカメラがついているとか、

・P社は自動お掃除+排出機能がついているとか、

・S社、T社は空気清浄機能がついているとか、、、

(それぞれの機能が悪いとは言いませんが、それらの機能ってエアコンに含む必要あるの?)

(その機能専用の機器をエアコンとは別に買ったほうがコスパも不具合の出づらさも良いのでは。)

(センサーカメラが人を検知して風を当てに来るって、エアコンの直風に当たりたい人っているのかな。)

(自動お掃除+排出機能は不具合がでやすいという話はよく聞くな、、)

ちょっときつい言葉を並べてしまいました。
(カッコ内はさらっと読み飛ばしてください)

なにが良いたいかというと、エアコンを選ぶ際の基準は、おまけ的な機能ではなく、

単純に、

『必要能力』

『効率』

だということ。

・「必要能力」とは、空調したい部屋の大きさに対して能力が足りているか。
 (快適性に関する)

・「効率」とは、能力を発揮した際にいかに消費電力が少ないか。
 (光熱費に関する)

「効率」の求め方は覚えてしまえば簡単です。

エアコンの効率の指標にはCOP(成績係数)という基準があり、

COP=能力/消費電力

です。

能力が大きく、消費電力が少なければCOPは高い(良い)ということになります。

その計算方法はというと、

カタログに書いてある「能力」を「消費電力」で割ると出ます。

上のエアコンの場合、

暖房COP=2500W/430W=5.8

となります。

この数値が大きいほうが効率がよく、光熱費が安くなると言うことです。

―――――

それに対して、「必要能力」の検討は少し難しく専門知識もいります。

新築の場合は、ここが設計者の技量になります。

ここで質問です。

「12畳の部屋には、どのくらいの能力のあるエアコンを選べば良いでしょうか。」

単純に、

「12畳用のエアコンを選べば良いんじゃないの?」

と思われた方が多いかと思います。

しかし、これはほとんど間違いなんです!

家電量販店に行って

「12畳の広さの部屋につけるエアコンが欲しい。」

と言えば間違いなく、

12畳用のエアコンか、または安全を見て12畳よりも大きな容量のエアコンを勧めてくると思います。

それは、

・万が一、冷えない(温まらない)とクレームになるから。

・より大きな商品を売ったほうが売り上げになるから。

ですよね。

しかし、これではエアコンの能力を決める際に大事なポイントを踏まえていません。

それは、

その部屋の断熱性です。

断熱性が高い部屋と低い部屋では、必要な能力も当然かわってきます。

そして、エアコンに書いてある「○畳用」の基準は、

なんと断熱材が入っていない家を想定しているんです!

(なんと1965年に定められた基準!!)

(改定するとエアコンの売り上げが落ちるから変えないんでしょうね、、)

なので、「○畳用」は信用できません。

「じゃあどうすればいいの??」

計算して、必要能力を算出する必要があります。

そのためには、その住宅の断熱性(UA値)が必要になります。

ちょっと計算が難しくなりますが、

UA値=0.9(旧Q値≒2.7)の12畳の部屋の冷房用エアコンの必要能力は、

(天井高=2.4mとすると、部屋の表面積≒84㎥)
(内外温度差=35℃ー26℃=9℃として)

0.9×84㎥×9℃≒680W ←家からの熱損失

これに+日射熱+家電発熱+換気損失を足して、ざっくり1500W

ということで、1500Wあれば足りることがわかりました。

6畳用のエアコンの冷房能力は2200Wなので6畳用で十分です。

(12畳用の冷房能力は3600W ←必要に対して多すぎ△)

ここで、

「大は小を兼ねるというし、12畳用のエアコンにしておいてもいいのでは?」

と言う声もあるかと思います。

良いですが、効率は落ちます。→△

少しマニアックな話ですが、

エアコンの効率は、

・能力の大きいエアコンの場合・・・定格能力の約半分ほどの負荷

・6畳用など能力の小さいエアコンの場合・・・定格能力の80~100%ほどの負荷

であるときに、

一番高い効率で運転できることが、検証実験から導き出されています。

極端に例えるならば、

上の計算の12畳の部屋に12畳用のエアコンをつけることは、

「200km/h出せるスポーツカーが60km/hで走行しているようなもの。」

燃費が悪そうなイメージがつかめましたでしょうか。

60km/hで走るなら、軽自動車のほうが燃費が良いですよね。

※「冷房が全然効かない」という人は太陽の直射日光が窓から入りすぎている恐れがあります。
すだれやブラインドなどで適切に日射を遮蔽すると効果的です。

―――――

ということで、

エアコンの必要能力の選定は、断熱性に大きな影響を受けるということ。

→その家の断熱性能を数値で計算する必要があるということ。

という話でした。

しかし案外、断熱性の計算を一棟一棟個別で行っているメーカーは少ないんです。

ましてや、エアコンの必要能力の計算を考えている設計士や営業マンはほとんど一握りです。

(機会があれば聞いてみるといいかもしれませんよ。
 「エアコンの必要能力の計算はしていますか?」と。)

だいぶ長くなってしまいました。

僕がどんなエアコンを買ったかはまた次回に続きます。

(良い買い物ができました♪ 秘訣は次回に^^)

-「超高断熱の小さな家」escnel design-