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豊かな暮らしのつくり方。05-2 ー『親と同居し、二世帯暮らし②』ー



「親と同居し、二世帯暮らし」その②です。

その①はこちら。

現在、核家族化が進んでいます。

しかし、僕の考えでは、これから先、10年、20年後には、

核家族が減り、二世帯暮らしが増えていくと思っています。

理由は、



「人口が減り、経済が縮小していくから。」です。

端的に言えば、


「収入が今より少なくなり、核家族では生活を維持できなくなるから。」

ということです。

また、

「インターネットにより、地方と都会の情報格差が少なくなってくること。」




「都会の物質的な豊かさよりも、田舎の精神的な豊かさを選択する人が増えてくること。」

も理由に挙げられます。

僕が旅した北欧やオーストラリアなど先進国では、
すでにそういう生き方を選択する人が増えてきているように感じました。



「物質的な成長の限界の先には、
 精神的な豊かさを求めるステージがくるのか。」

と現地で感じたことを思い出します。

日本は戦後、なにもないところから高度経済成長期に入り、

「田舎から都会に出て、稼ぐ」

という選択肢が王道となってきました。

現在も東京一極集中が進行しています。

今までは、核家族化のメリットが大きかった。

それは、
「田舎より、都会のほうが稼げた」ということ。


「物質的な豊かさが、そのまま人生の豊かさとなっていた」こと。

田舎から都会に移り住み、稼ぐ。

稼いだお金で家やマンションを購入する。

ローンを払うために仕事を頑張る。

収入が増える。

という好循環のパターン。

しかし、これからは、
核家族化のメリットよりデメリットのほうが大きくなってくると考えています。

それは、循環の最後の「収入が増える」がついてこないからです。

これは、人口が減少する今後の日本ではしかたのないことです。

(今後も稼ぎたければ世界へ出るしかありません。
 それもまた、素敵な選択肢でしょう。)

ましてや、両親の住む地元で核家族として住宅を建てることは、
とてつもなく贅沢なことと言えるかもしれません。

10年後、20年後にはおそらく、
裕福な人しか新築住宅を建てることはできなくなるでしょう。



『これからの時代に核家族化は有効なのか。』

今一度、考えてみてください。

ではどうすればいいのか。

悩んだときは、過去に学びましょう。

そもその核家族化は、1960年頃から進んできました。

その歴史約50年ちょっと。

人類の長い歴史から見ても、
核家族という現象は、高度経済成長が生んだ特殊状態なんです。

では、高度経済成長以前の
まだ景気がそこまでよくなかった時代、みんなどう生きていたのか。

三世代、四世代がひとつ屋根の下に暮らしていたんですよね。

経済規模(=収入レベル)が、過去並みに落ち着いてくるとするならば、
住の形態も過去並に合わせれば、収支のバランスが保てますよね。

経済(=収入)の成長に限界がきたならば、
過去のように、二世帯暮らしに戻ればいいんです。

さて、
これからは、二世帯暮らしをするメリットが様々な面で大きくなっていきます。

住宅建築費用はいうまでもなく、

光熱費、税金等、居住費用。

そして、子供の保育費用。

もしかすると、祖父母と子供が同居することで

祖父母世代も若返り、医療費や介護費を減らすこともできるかもしれません。
(この効果は大いにありえると思います。)

そして現在、様々な自治体が二世帯暮らしを推進しています。

二世帯暮らしに対する補助金は毎年増える一方です。

しかし、


「義父、義母とは生理的にどうしても一緒には住めない!」

という人もいるでしょう。

当然ですよね。

人間だれでも、
育った環境や価値観が違う人(しかも目上!)と
一緒に住むのはとても大きなストレスがかかります。

(これは、私自身が現在、妻の実家に同居しているので
 身をもって感じているところです。)

我慢してもいつか爆発します。
何十年も一緒に暮らすためには、我慢しない状況を作らなければならないのです。

そこで!

『設計の力』が役に立つわけです。

私が考える二世帯リフォームのオススメその①は、



『キッチンは2つ作る。』


『親世帯、子世帯で別々のリビング、ダイニングを作る。』

です。

感覚としては、

『ひとつ屋根の下に、別々に暮らす。』

というイメージです。



できる限り、お互いの生活スタイルや価値観に干渉しない状況を作る。

これが重要だと思います。
(もちろんケースバイケースですが)

そうすることで、
些細な価値観のズレなどからくるストレスを軽減することができます。
(些細なことでも、「チリも積もれば、、」になるんですよね、)

そして、
二世帯リフォームのオススメその②は、



『断熱リフォーム』

家まるごとでなくても、部分的にするのでもありです。


人間、寒いのだけは耐えられません。

これは、僕が、今の妻の実家(築35年)に暮らし始めて
つくづく感じていることです。

冬、家の中が寒いことは、肉体的にも精神的にも非常に不健康です。

また、
二世帯リフォームのオススメその③は、



『耐震リフォーム』

断熱リフォームをする際には、
外壁をはがすような大工事になることがほとんどです。

それであれば、耐震リフォームもするのがオススメです。

注意点ですが、

「断熱リフォーム」と「耐震リフォーム」は、

ひじょーーーに、
専門的な知識、経験が必要とされます

これらは、もはやリフォームではなく、
「リノベーション」といったほうがしっくりくるでしょう。

このあたりはまたいつか詳しく書こうと思っています。

(「断熱リノベ」や「耐震リノベ」を高いレベルで提案できる設計士は
本当に少ないのが現状です。)

長くなってしまいましたが、
最後まで読んで頂き、ありがとうございます^^

(だいぶ強い二世帯推しの内容になってしましましたが、
 新築も中古住宅もその人のライフスタイルにあっていれば
 最良の選択肢になると思っています。
 そのあたりの話は今後に!)

妻の実家のリノベーション計画を着々と考えている
ゆうでした。

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豊かな暮らしのつくり方。05ー『親と同居し、二世帯暮らし。』ー

前回からの続きです^^

これからの『住』の選択肢として、前回3つの選択肢を紹介しました。

今回はそのうちのひとつ。

『親と同居し、二世帯暮らし』

をほりさげていきます。

さて、

「二世帯暮らし」というとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

「気をつかいそう、、」

「だらだらできなそう、、、」

「古い家はみっともない、、、」

「二世帯住むにはせまい、、、」

「嫁・姑問題とかこわい、、、」

、、、、。

完全に僕の独断と偏見ですが、

はっきり言って「二世帯暮らし」は

ポジティブなイメージより、
ネガティブなイメージのほうが大きいのではないでしょうか。

僕は最初はそうでした。

しかし、その僕は現在、

「新築」ではなく、「二世帯暮らし」という生き方を選択しようとしています!

なぜなのか、、、

それは、端的に言えば、
僕の頭の中で、


新築(借金)への不安・費用負担 
   > 二世帯暮らしの億劫さ

となったからです!

二世帯暮らしを選ぶ理由第一位!!(完全主観)

金銭的な負担が少なくなる!
=ほかのことにお金を使える!!

これは、間違いないのではないでしょうか。

とてもザックリですが、

「二世帯暮らし」を選ぶと、
どれくらい金銭的な負担が少なくなるか検討してみました。

比べる期間は30年間とします。(新築のリフォーム時期)

【新築の場合】

家本体代金 2,500万(例)
土地代金  1,000万(例)
新築諸経費  150万(登記・土地仲介料・融資諸経費等)
ローン金利  600万(3000万借入)
固定資産税  300万(土地建物30年)
保育園費   170万(月2万×3年)
光熱費      720万(月2万×30年)

合計  5,340万

【二世帯暮らしの場合】

家本体代金     0万
土地代金      0万
リフォーム代    1,000万(キッチン追加、窓・外壁・内装交換、、)
新築諸経費       0万
ローン金利     200万(1000万借入)
固定資産税     150万(築25年の家のとき。土地建物30年)
保育園費        0万(親が見てくれるとして)
光熱費         480万(月2万×30年×2/3。親と共有)

合計  1,830万

新築費用ー二世帯暮らし費用≒3,500万
(3,500万/30年=116万/年)

30年で3,500万円浮く計算になりました。
(リフォームなしなら、4,700万!)

一年あたりにすると、約100万円ちょっとです。

年間100万円を、ほかのことに使えたら嬉しいですよね。

例えば、、

家族で旅行に年に数回行けたり、




子供が「やりたい!」っていう習い事に使えたり、





自分の趣味に使えたり、




たまには夫婦でちょっとリッチなディナーに行けたり、





親になにかプレゼントできたり、(旅行とか)





友達と旅行に行ったり、、、、

逆に言うと、


「お金がないから、上に書いたようなことは我慢しなきゃいけない、、」

では、豊かな人生とはなりませんよね。

多くの場合、『家づくり』≒『住を選ぶ』タイミングは、

上に書いたことをするよりも前にくることが多いです。
(家を考えるのは、20代後半から30代~。子育てのメインはその後。)

『人生で一番お金がかかること』=『慎重に決めなければならないこと』が、

一番最初にきてしまう。

まだ、金銭的・精神的・肉体的に余裕のある時期にきてしまう。

これが、家づくりがリスキーなものとなっている理由です。

「家建てるけど、みんな建ててるし、なんとかなるでしょ♪」では、

10年後、20年後、

なんとかなっていないかもしれません。

『家づくり』=『住を選ぶこと』は、

この人生をどう生きたいのか、
よーーーーーーーーーーーく
考えて想像して逆算して決めないと、
取り返しがつかなくなってしまうんです。
(数千万のローンを組んだら、そう簡単に路線変更はできません。)

こんなことは営業マンは教えてくれません。

豊かな人生を歩むために、
本当に気をつけてください。

と、ここまでお金の話ばかりをしてきましたが、
ここからは、僕が二世帯暮らしをしてみて感じた
金銭面以外の良さの話をします^^

金銭的な負担が減ることは本当にありがたいこと。
これは間違いありません。

しかし、『二世帯暮らし』には
それと同じかそれ以上に、満足や幸せを感じることもたくさんあります。

僕が『二世帯暮らし』を選んだほかの理由は、

○お義父さん、お義母さんがやさしく、毎日暮らしていて本当に楽しい。
 (たぶん、妻と二人で暮らしているより、4人で暮らしているほうが楽しいと思う。)

○子供が生まれたあとの安心感。
 子供にとってじいじ・ばあばがいることの良い影響。
 (なぜなら、二世帯暮らしで育ってきた妻を僕は好きになったわけだから♪)

○二世帯がひとつ屋根の下で暮らすことで受ける刺激、与える刺激。

○田舎暮らしが楽しい!
 ・まわりは大自然!お隣さんちは遥か彼方。
 ・お風呂は窓を開けっぱなして入っても、前が森だから誰の視線も気にならない。
   →自分の家が露天風呂気分♪
  (ニュータウン育ちの僕にはとても新鮮で感動的なことでした。)
 ・季節の移ろいをストレートに感じることができる。
  春の桜、5月の苗と水面の風景、夏の緑、海、夕日、秋の様々な樹木の紅葉、
  冬の雪景色、、、ほとんどが家の庭で感じることができます。

○家に友達を呼んでバーベキューが気兼ねなくできる豊かさ。
 田舎だから、土地は広い。
 駐車場も停め放題だし、肉の匂いや煙も出し放題♪ 炭も捨て放題♪

○農業が暮らしと密着している。
 自分でつくったお米を自分で刈り取り、食べる幸せ。
 子供にも体験させてあげたい。

僕の場合は、二世帯暮らしの家が町から離れた田舎にあったんで、
「二世帯の良さ」だけでなく、「田舎暮らしの良さ」も混じっていますね。

とにかく豊か!
圧倒的な精神的豊かさを日々感じています。

これから先、この家で、

子育てしたり、

バーベキューしたり、

田植え・稲刈りしたり、

盆暮れに親戚が遊びにくるのを楽しみにしたりしながら、

楽しく豊かに過ごしていけることが今から楽しみです♪

また、「二世帯暮らし」は、
これからの社会でもよりいっそう求められてきています。

それは、

親世代の介護の問題であったり、

待機児童の問題であったり、

地方の過疎化であったり、、、

その解決策のひとつとして『二世帯暮らし』があがっているんです。

僕は、毎週プールに行って体を鍛えているのですが、
最近、お義母さんが「私もプールに行きだしたよ!」と言っていました。

逆に、お義父さん、お義母さんから、山菜の取り方を教わったり、
地元の活動やイベントを教えてもらったりと刺激を受けることもたくさんあります。

一緒に住むことで、お互いに良い刺激を与えあえていることがあると思います。

その結果、

健康寿命が伸びたり、

ボケ防止になったり、

活動の範囲が広がって仲間が増えたりすれば、みんなハッピーですよね。

自分が「いいな♪」と思って選んだ道が、

社会的にも「いいね♪」であったら、

それはみんなが幸せになれる素敵なことですよね。

このブログの最初に、

新築(借金)への不安・費用負担 
   > 二世帯の億劫さ

と書きましたが、
金銭的なメリットだけでは、人間、何年も頑張れないものです。

僕が二世帯暮らしを選んだ大きな理由は、
金銭面だけではなく、

二世帯暮らしの楽しみ・豊かさ
    > 二世帯暮らしの億劫さ

だったからです^^

だいぶ、主観的な話ではありましたが、

「二世帯暮らしもありかも♪」と感じられた方がいれば嬉しい限りです。

二世帯暮らしで日々幸せを感じている
ゆうでした。

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豊かな暮らしのつくり方。04ー『家は、所有から共有の時代へ。』ー

前回から『家は、建てるな。』というブログを書いています。

その意味は、

まずは「家を建てる(所有する)」という常識を疑え!



ということでした。





読んでみて、

「なるほどねー」

「少し、目が覚めた、」

「家を建てるのって当たり前じゃないんだ!」

と感じた人もいるかと思います。

しかし、



「そうは言っても、
 いつまでもアパート暮らしを続けるわけにはいかないし、
 どうすればいいっていうの??」

となりますよね。

この問いの僕なりの答えは下に書きますが、
すぐに読むのではなく、少し、自分の心と向き合って考えてみてください。

それが、良い暮らしをつくる第一歩目になります。

※「一生アパート暮らし」という選択肢も、
 近い未来には、一般的なものになっているかもしれません。

しかし現時点では、
あまり良い選択肢ではないと考えます。
(書くと長くなるので、詳細ははぶきますが、
 一番大きな理由は、
「子育てをする上で、子供に良いことが少ない」からです。)

では、実際にどう暮らすのがいいのでしょうか。

現時点での私のオススメは以下の3つです。



『親と同居し、二世帯暮らし』



なんとなく、

「親と住むより、自分たちだけで住みたいなー」

と考える人は多いのではないのでしょうか。

特に二世帯同居しなければいけない理由がなければ、
わざわざ二世帯同居する人は少ないと思います。

やっぱり肩身が狭いですし、気を遣いますしね。

友人たちはみんな新築して、自分たちの家族だけで住んでますしね。

しかし!!

前回の『家は、建てるな。』を読んで、現実を知ったあとでは
意識も少し変わってくるのではないでしょうか!?
(むしろ、意識が変わるまで何度も読んでもらいたい)

これから、新築住宅を建てることは、

スーパーハイリスクな行為

になっていきます!

ざっくりですが、そもそも家を新築する場合、
一軒の家を、二代の家族が住み終えて
ようやく元がとれるといったところではないでしょうか。

『二世帯暮らし』について詳しくはまた、次回以降のブログで書こうと思います。

しかし、
みんながみんな、地元に住んでいるわけではないし、
親の家が遠く、二世帯は物理的に不可能という人もいますよね。

そういう人への次の選択肢が、

②中古住宅を買い、
 →そのまま住む or リノベーションして住む

希望にどんぴしゃで合った中古住宅はそうそうないと思います。

しかし、
住宅ではなく、ほかにお金を使いたいと考えられた場合、
住宅に対する要望のハードルも低くなるかと思います。

その結果、もしその中古住宅を気に入れたとすれば、
新築するよりだいぶコストを抑えて、
理想の暮らしを手に入れられるかもしれません。

しかし!
中古住宅の購入は、非常にハイレベルな知識が必要になります!
ハッキリ言って、建築の知識がない人では不可能です。

間取りや立地や価格に対してはある程度判断できたとしても、

・建物の構造は大丈夫なのか(地震がきても倒れないか)

・断熱性、気密性はどのレベルなのか(冬極寒・夏灼熱状態にならないか)

・柱や梁などの構造材は腐っていないか。
 屋根、窓から雨漏りしていないか。

・キッチンやお風呂の設備は十分使えるか。配管は古くなっていないか。

まだまだありますが、これらを判断するには、
現場を知り尽くした大工さんや設計者に見てもらう必要があります。

その結果、
その建物の価格は本当に妥当なのかが判断できたり、

「入居前に最低限、ここの工事だけはしておいたほうがいいよ。」
といったアドバイスが受けられるかもしれません。

大きな考え方の流れとしては、

タイトルで書いたとおり、

『家は、所有から共有の時代へ。』

社会全体として、

『あるものを使っていこうよ。
(そのほうが、コストもエネルギーも浮かせられるよ。)』

という感覚が一般的(経済的に合理的)になっていくと考えています。

『中古住宅を買う』についても、また別の記事で詳しく書きます。

さて、

「二世帯も不可能、良い中古住宅もない、、」

となった場合は、どうすればいいのでしょうか。

そのときは、

第三の選択肢、、、

③家を、建てる!

です!!

けっきょくーーー!!!!

「家を、建てる。」の詳しい話は、また次回以降に♪

前置きが長めな
ゆうでした。

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豊かな暮らしのつくり方。03ー『僕の住宅観の変遷』ー

前回、『家は、建てるな。』という表現の強いブログを書きましたが、
その考えに至るには、とても長い期間がありました。

「家は建てるなって、急にそんなことを言われてもついていけない!」

と感じた人も多いと思います。

そこで今回は、
前回のブログ「家は、建てるな。」の補足になればと思い、

『僕の住宅観(家づくりに対する考え方)の変遷』

の話をしようと思います。
(長くなりすぎないようだいぶ簡略化して書きます。)

家づくりを考える上で参考になれば幸いです。



①20代前半。住宅営業マン時代

その頃の僕は、

「家族をもって早く自分の理想とするカッコいい家を建てたい!」

と考えていました。

新築されるお客さんがうらやましく感じていました。
新築住宅を建てるお手伝いができることにやりがいと誇りを感じていました。
「新築住宅を建てる=家族の幸せ」とシンプルに考えていました。

この住宅観は、家を建てられる人の多数を占めるのではないでしょうか。

②20代後半。設計事務所下積み時代

その頃の僕は、


「ただ、住みやすくかっこいい家ではなく、
耐震性はもちろん、超高気密高断熱化して、
住んでからの光熱費や快適性を重要視し、
メンテナンスコストも少なくなるよう考えた
コストパフォーマンスの高い家を建てなければ!」

と意識が変わってきていました。

これは、

・東日本大震災が起き、今後エネルギーコストの上昇が避けられないことがハッキリとしたこと、

・構造計算と工事監理で裏づけがとられた耐震性能の重要性を再確認したこと、

・雨漏りや、素材の劣化など様々なクレーム被害を調べていくなかで、
引き渡してからのメンテナンスの重要性を再確認したこと、

・妻の実家(築35年。低気密低断熱)での生活がスタートし、
暖かさ・快適さが、生活する上で、なにより重要であると感じたこと、

・日本経済の先行きや、自分の老後に不安を感じたこと、

など、様々な理由からです。

現在の事務所に来られるお客様が、
家づくりについて、自力で本当によく調べられていたことにも大きな刺激を受けました。

インターネットが発展している現在、
ここまで考えて住宅を建てられる人も大勢いるかと思います。



③30代。家族を持ち、独立を考え出した現在。

設計事務所で経験を積みながら一級建築士をとり、
独立を考えている現在、とうとう


「家は、建てないことにしよう!」

というところまで、考えがかわってきました。

その理由は前回書いたとおりです。

簡単に言うと、

「家にお金をかけるよりも、家族で旅行に行きたい♪」

という感覚です。

世界一周の旅をしている頃から、
僕の中の価値観が変わっていきました。

旅をしていなくても、時代の流れで必然的に変わっていたと思います。

「物質的にはもう満たされている。」


「物質的な豊かさでは、幸せを感じることは少ない。」



「それよりも、精神的な豊かさにとても大きな幸せを感じる。」



「限られたお金をかけるなら、物質的なものよりも精神的なものにお金をかけたい。」

僕が感じる精神的な豊かさとは、具体的には、

「家族で過ごす時間」


「仲間と過ごす時間」



「自然の中で過ごす時間」



「三世代同居のなかで感じる豊かさ」



「田舎暮らしで感じる豊かさ」



「生まれた地で生活し、自分が育った町で子育てをする幸せ」

などなどです。

家の本体費用や、建てた後にかかってくる費用をけずってでも、
これらの幸せにお金をまわしたいと考えるようになりました。

そのほうが、きっと
寿命を終えるときに、「良い人生だった♪」と幸せに逝けると思ったんです。

さてさて、また長くなってきてしまいました。

「家は、建てない。」

では、どうするか。

どうやって暮らしていくのか。

それは、、、

次回に続きます♪

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豊かな暮らしのつくり方。02ー『家は建てるな。』ー

これから家を建てることを考えているひとに、
最大級のアドバイスを送ります。

それは、、、



『家は、建てるな。』

です。

「え!? この人なに言ってるの!?(それでも設計士?)」

という声が聞こえてきそうですね。

しかし、これは、冗談ではなく、本気で言っています。

真意としては、

『まずは「家を建てる(所有する)」という常識を疑え!』

ということです。

現在、なんとなく、

「結婚して、子供が生まれたら、次は家を建てる」

という流れが常識化しています。(特に田舎は。)

親や友人など、まわりが家を建てているため、
家を建てることに疑問を感じていない人も多いのではないでしょうか。

最初は不安があったとしても、
住宅総合展示場に行ったり、銀行で話を聞いたりしているうちに
どんどん不安が薄れてきます。

それは、住宅や銀行の営業マンは、良いことしか言わないからです。
(住宅やローンを売ることが商売だからです。)

営業マンの中には、本気で、「家を建てることが家族の幸せにつながる」と信じて
セールスしている人もいます。

それはそれで、悪いことではないのですが、
「家を建てることが家族の幸せになる」かどうかは、
建てる人(あなた)が判断しなければいけません。

具体的な判断基準を言えば、『家計が回るかどうか』です。
(ローン返済全期間)

それプラスアルファで今後の時代の流れを読む技術や知識も必要になってきます。

「今後の時代の流れを読む技術や知識ってどういうこと?」

と思われると思うのですが、
未来を予測するためには、過去からの流れを知ることが一番です。

ひとつ質問します。

「みなさんは、日本人がいつ頃から家を所有しだしたかご存知ですか?」

江戸時代初期?

江戸時代後期?

明治?大正??

答えは、1960年ごろからなんです。

それまでは、みんな借家に住んでいたんです。

持ち家文化は、まだ半世紀ほどしかないんです!

「家を建てる=当たり前」

ではなく、

「家を建てる=超最近の新しい文化」

なんです。

ではなぜ、借家から持ち家に切り替わっていったのでしょうか。

それは、戦後復興のための国と企業の戦略でした。

戦後、焼け野原になった日本には、お金も住む場所もはありませんでした。

そこで、企業と国が、

「いつかは夢のマイホーム!」

「あたなも一国一城の主!」

と銘打って、住宅を庶民に所有させる流れを作ったのでした。

住宅を建てる(所有する)ことは、

・資産のない庶民が唯一資産形成できる。(土地神話)

・建築業界が潤い、地元にお金が落ち、お金が循環し、経済が活性化する。
 (住宅建築は仕事の業種が多く、近場の職人さんに頼むことが多いため、
  地元に広くお金が落ちる。)

・価値の低かった土地を、開発することで価値が上がり、開発業者が儲かる。

・住宅の所有に対して税金をかけられ、国の歳入が潤う。

などなど、国、企業、庶民みんなにとっていいことづくめの政策でした。

しかし、
ここまで読んで、勘が良い人なら気づいたはずです。



「もう土地神話は終わっていて、家も土地も価値が減っていくし、人口減少で、土地も家も余るし、景気(消費)がこれから良くなるとは思えない。」


=『時代が変わって、建てる人のメリットがなくなってないか!?』

家を建てる前に、みなさんに伝えておきます。

時代がかわったので、家を建てることは、昔に比べ、

ハンパなくハイリスクなことなんですよ!!!

住宅の営業マンはみんな言います。

「35年ローンで家賃並みで家が建てられますよ♪
 家賃は掛け捨てですが、住宅は資産ですよ♪」

いっけん、「なるほど!家を建てたほうがお得そうだ!」と思いますよね。

でも、

築35年の中古住宅に、新築時と同じ家賃を払って住みたいと思いますか?

35年ローンを組むということは、35年後にそうなっているということです。

さらに言えば、

35年後、あなたは今より高い給料をもらっているのでしょうか?


今の勤めている会社は存続しているのでしょうか?



家族と週末旅行に行く経済的な余裕はあるのでしょうか?



そのときの家+土地の価値はいくらになっているのでしょうか?

たしかに、今のアパートの家賃をもったいないと感じるかもしれません。

しかし、短絡的にすぐに家を建てるのではなく、
一歩踏みとどまって、いろいろと勉強したり、自分で考えたりしてからでも、
家を建てる決断は遅くはありません。

僕は、住宅を設計する(家を売る)仕事をしていますが、
最初のアドバイスは絶対にこれです。



『家は、建てるな。』

-「超高断熱の小さな家」escnel design-





…………….

しかし現実的には家を建てる以外により良い「住」の選択肢が少ないのは確かです。
あれこれ考えたあと最終的には「家を建てる」ことがベターであることが多いです。
(そのために僕は住宅設計士をしている)
『家は建てるな。』と書いたのは一度「あれこれ考えてもらうため」。
その結果、地に足がついた家づくりが進められればと考えているからです。

「家が欲しい。」

「家を建てて本当に良いのかを疑う。」

「いろいろ検討した上で、やっぱり家を建てようと思う。」

と冷静に検討を進めたあとで下記のブログを読んでもらえればと思います。

家を建てる場合『重要な4つのポイント。』があるんです。
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豊かな暮らしのつくり方。01ー『もちはもち屋に。』ー

住宅業界に入って早10年以上。

良い家をつくるにはどうすればいいのかがわかってきました。

それは、『もちはもち屋に頼む』ということです。

具体的には(行動順)、



①信頼できるファイナンシャルプランナーを探し、人生の収支計画をつくってもらう。

自分の家計を見てもらい、様々な収支を考慮した上で、

将来にわたって負担の暮らしができる住宅予算を教えてもらう。

家がほしくなったらまず、展示場に行く方がほとんどだと思います。

そうすると、「あれがほしい」「こっちのグレードがいい」と

家への要求でいつのまにか頭がいっぱいになってしまいます。

良い家づくりのスタートはそうではありません。

家ではなく、家族が送りたい人生を考える。

僕は、豊かな人生とは、家ではなく、

こどもや趣味や老後など家以外のことにお金を使える人生だと考えています。

こどもや趣味や老後に比べ、たいてい家を建てることが一番先にくるため、

予算のかけ方を間違ってしまう方が多いんです。

そうならないよう、まずは自分の家族のファイナンシャルプランを立てましょう。



②信頼できる設計士を探し、住宅の設計をしてもらう。

設計士の仕事は本当に多岐にわたります。
参考『設計士が設計する家を。』

良い家づくりは、自分にあった本当に信頼できる設計士と会うことからです。

信頼できる営業マンに会うことも大切ですが、

将来にわたって本当に考えられた良い家を建てるには、

営業マンではなく、信頼できる設計士に会うことが必要です。

営業マンの良し悪しは、家が完成するまでの満足度に関係してきます。

設計士の良し悪しは、家が完成してからの満足度に関係してきます。

家の間取りや使い勝手はもちろん、

光熱費やメンテナンスの頻度、素材が経年劣化しづらい工夫、

安全性、快適性、豊かな時間が過ごせる空間的工夫、、、(もっともっとあります)

設計士の力量で、良い家かそうでない家か、とても大きな差が生まれます。

③信頼できる工務店を見つけ、家を建ててもらう。

はっきり言います。

良い家ができるかどうかは、大工さんで決まります。

設計の段階では、「絵に描いたもち」です。

それを実際に形にするのが大工さんや職人さんです。

大工さんが違えば、同じ図面でも、まったく違う家ができあがります。

パッと見ではわからなくても、

気密性はしっかりしてる? 断熱材は奥までちゃんと入っている?
数年して壁紙がはがれてこない? 扉がきしんでこない?

技術のない大工さんは、技術のない仕事をします。

良い大工さんは、良い仕事をします。

かんながきれいに乗っている。 床材をいいものを選んでくれている。

万が一がないように、気密の処理が入念にされている。

万が一の雨漏りがないように、雨が吹き付けそうな部分の防水は通常よりも入念にされている。

設計では、書いていないようなことも、
良い大工さんは自分の思いと誇りで良い仕事をされいます。

そして、家ができたあと、数十年にわたり、

実際のお付き合いをしていくのも大工さんです。

家を考える数ヶ月に比べ、はるかに長い年月を

大工さんと一緒に家をメンテナンスしていくことになります。

住宅業界では、家が建ったあとにメンテナンスや定期点検にくる大工さんが、

実際に自分の家を建てた大工さんではないことが往々にしてあります。

もちろん、そういう大工さんも甘い仕事はしないと思います。

しかし、あなたが大工さんの身になってみたとき、

自分が建てた家と、建てていない家、

同じ気持ちでメンテナンスや点検ができるでしょうか?

やっぱり人間、自分で建てた家のほうが格段に愛着があります。

不具合があれば早く直してあげたいという思いがあります。

あなたがお願いする工務店の大工さんは、

家が完成してからも、メンテナンスにきてくれそうですか?

そして、もっとも重要なことは、

①信頼できるファイナンシャルプランナー
②信頼できる設計士
③信頼できる工務店

これらを分離して依頼すること。

それぞれプロフェッショナルに依頼すること。

これが、良い家づくりができる条件です。

①②③、全てが完璧な会社はないと思います。

それぞれに都合がありますから、

「あっちを立てればこっちが立たず」になります。

会社には社長がいて
社長は利益を上げようとします。

本音を言えば、一番利益が上がる家を売りたいんです。

できるだけ予算を多くして契約額を増やしたいんです。

できるだけ楽で手間のなく使いまわせる設計をしたいんです。

できるだけ作業が少なくアフターメンテナンスに呼ばれづらい家を作りたいんです。

本音を言えば、今、売られている住宅は、
良い家ではなく「売りやすい家」「クレームがおきづらい家」なんです。

本音を言えば、僕も、設計だけでなく、施工もして、
ファイナンシャルプランもつくる工務店をつくったほうが儲かると思っています。

でも、それはしません。

なぜなら、

「良い家」をつくりたいからです。

良い家をつくるにはどうすればいいかずっと考えてきました。

やっとわかってきました。



『もちはもち屋に。』

これから家を建てられるみなさんが、信頼できる人に出会えることを願っています。

ゆう。

-「超高断熱の小さな家」escnel design-