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【注意点】請負契約「工事中、地震が来たら被害の負担は?」

ゆうです。

家づくりの打合せが進み、図面が完成したらいよいよ工事が始まります。

その際に締結するのが工事請負契約

内容を確認してから契約するわけですが、

「工事中にお隣さんに損害をかけることが起きたら?」




「工事中に地震で被害が出たら負担は誰がするの?」

などわからないことも多いですよね。

契約を結ぶ前に内容を確認・納得しておくことが重要になります。

一般的に使用されることの多い「民間(旧四会)連合」の約款。

「工事請負契約書」自体の内容はシンプルです。

発注者、受注者、工事名称、工事場所、工期、請負金額、支払方法、等を記載し、
それぞれ記名押印します。

それ以上の細かい内容を定めたものが「約款」になります。

(ex.「〇〇の事態が起きた場合は、××のように対応すること。」などがそれぞれ定められた契約条項。)

約款に書いてある中で特に重要な部分をご説明します。
(「民間(旧四会)連合」の約款)

第19条 第三者損害

例えば

「工事中にお隣りさんの車にクギを落としてしまい、キズがついてしまった。」

といった場合。

その場合の損害賠償は、受注者(施工会社)の責任と定めています。

対して、

受注者が注意を払っても避けられない事由により、第三者に与えた損害は、発注者が負担すること。」

となっています。

要約すると、

『施工会社の過失であれば、施工会社の負担。』

『施工会社の過失でなければ、発注者の負担。』

ということですね。

(※具体的な状況によりケースバイケース。)

…………….

第20条 施工中について生じた損害

「引き渡しまでに生じた損害は受注者の負担」とする。

これはシンプルですね。

…………….

第21条 不可抗力による損害
第22条 損害保険

「天災(または人為的な事象)などの不可抗力によって損害が発生した場合、発注者が損害を負担する。」

「ただし、受注者が損害保険に入っている場合、保険で賄える額は、発注者の負担から控除する。」

不可抗力で損害が発生しても、施工会社がかけていた保険内で納まれば発注者の負担は無いということですね。

(施工店が保険をかけているか、どんな保険内容なのかの確認が重要です。)

また、現場保険(火災保険など)ですが、地震は対象外というものが一般的です。
(水害は保険対象内のものはある)

万が一ではありますが、
工事中に起きた地震による損害は発注者が負担することになる可能性が高いです。

むしろ一番避けなければならないことは、損害負担そのものよりも、

損害による賠償で施工会社が倒産してしまうことです!

例えば、
「工事中に発生した損害を施工会社が賠償できず、施工会社が工事中に倒産してしまう。」

そんなことになったら大変です。

そうならないためにも現場保険はとても大切です。

施工会社が現場保険をかけているか+その内容の確認を契約前に確認することが重要です。

(+支払いを「出来高払い」にすることでリスクを減らすことが出来る)

もちろん、まずは損害が発生しないように、
現場の整理整頓や清掃、戸締りの徹底、近隣挨拶など日々の仕事を誠実に行うことが大切になります。

「万が一」はそうそう起こることではありませんが、
(僕は10年以上住宅業界にいて、1度も経験はありません。)
万が一が起きたときにための備えは大切ですね。

そして、
「万が一が起こった時どうなるのかを契約前に把握しておくこと。」

これも家づくりの大切な要点のひとつになります。

※今回紹介した約款の内容は、あくまで一般的な事柄に対して書かれた「大枠のルール」といったものです。
実際の対応は、個別の状況に応じて変わってくると考えられます。

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【秘訣】壁内にカビ発生。「中古住宅購入時の注意点」

ゆうです。

先日、知人から「室内にカビが生えてきた。」という相談があり、伺ったところ大問題が発覚しました。

「施工の不良」「中古住宅を購入する際の注意点」

勉強させられました。

※今回の記事にはカビの写真があります。苦手な方はご遠慮ください。


半年前に築20年の中古住宅を買った知人から

「室内にカビが生えてきた。」と聞いたときは、

「サッシの結露水が溜まってカビが生えたのかな?」と思いました。

石油ストーブ+加湿器+アルミサッシ+換気無し

の状況ではよく起きることです。

しかし、家に伺うと全く事態は違っていました。

丸の部分にうっすらカビが浮き出ていた。
室内に生えたのではなく、壁の内部から出てきている様子。

「え?こんなの見たことない。(これは大ごとだな。)」

と考えを改め、事態の重要性を知人に伝える。

柱の隙間から室内側へ生え出すカビ。
多量の水分が保持されないと通常ここまでカビは生えない。

押してみると「グニっ」とへこむ。

木材にも濡れたような形跡があった。

知人に状況を伝えて不動産業者に調査してもらうよう伝える。

後日、不動産業者が外壁を剥いで壁を確認することになったということで再度訪れた。

【ポイント!】
中古住宅の売主は一般の人か不動産業者か。

○売主が一般の人の場合

契約時に「売主の瑕疵担保責任を免除(または○ヶ月間と)する」という特約が付くことが一般的です。

簡単に言えば

「現状で売るから今後問題があっても文句言わないでね。(そのリスクも含めた価格設定だよ)」

ということです。

(買う立場からしたら辛いですが、自分が売る立場ならこう言いたいですよね。)
(数年経ってから「雨漏りしたので損害賠償を」を言われても辛い。)

そのような場合、今回のように「なんらかの問題(隠れた瑕疵)」があったとしても売主に費用を請求することは出来ません。

※改正民法(H32.4.1施行)では「隠れた瑕疵」は「契約の内容に適合しないもの」に言い換えられる。

○売主が不動産(宅建)業者の場合

瑕疵担保責任の期間は最短でも2年は必ず設けられます。(宅建業法)
(2年以下にするような特約は無効扱い)

そのため、今回のようなことが起きた場合、不動産業者は対応する責任があります。

中古住宅購入時には売主が誰であるかが大きなポイントになります。

今回、知人が幸運だったのは、

・売主が不動産業者だったこと

・購入して2年以内に問題が発覚したこと

でした。

さてさて、現場の状況はというと、、、

外壁を剥ぐ。とりあえず防水紙と通気工法は施工されていた。
が、和室の出窓の入隅部分の下地材はボロボロになっていた。
(防水紙が出窓とその他で違うので過去に補修があったのかもしれない)

下地材はボロボロでスカスカ。
シロアリに食べきられている様子。

基礎との取り合い部分。蟻道はすでになかった。
シロアリはどこから?基礎の内部からだろうか。

そして、防水紙が水切りの裏に施工されていた。
これでは雨水は室内に入り込んでしまう。→×

同様のことは出窓の屋根部分でも。(水切りが防水紙の外)
これでは防水紙を伝った雨水は室内に侵入してしまう。→×

防水紙が膨れて外壁の「通気層」をふさいでいた。
通気層がふさがれると室内の湿気が上手く排出されず壁内に湿気がこもるリスクが高まる。→×

和室は真壁納まり(柱が露出する納め方)のため壁の厚みが他より狭い。
そこに他と同じ厚みの断熱材を入れたことで防水紙が突き出てしまったと思われる。

そして徐々に問題の部分が、、、

通気層に大量のカビが、、
和室(1階)の屋根がこの状態なので2階からの雨水の流れに問題がある。

和室の出窓の上部(2階)にも出窓があった。
当該部は北西面。冬場一番雨風が当たる場所。

さらに外壁を剥いで見るとこの状態。
出窓の上部には外壁を留める為の下地材が横に入っていて、通気や雨の排出を阻害していた。→横下地材が濡れてカビ発生。

通気層の施工の重要性を改めて感じる。

後日、出窓の屋根を剥いでみると下地が湿っていて劣化していた。
(勾配が少ない→△)

断熱材を剥ぎ取り、問題のカビが生えた壁の内部を調査する。

断熱材を撤去した壁内。カビで真っ黒・真っ白だった。
室内にカビが染み出す理由が分かった。

赤丸あたりから室内へカビが入り込んでいる様子。
恐ろしい。

明確な原因はさらに分析が必要だが、おそらく

・雨水の壁内への浸入。


・室内からの湿気の侵入。


・水分の壁外への排出の阻害(通気不備)

→カビの発生。

だろうと推測される。

断熱材は、内側にシートがあるタイプだったが、ところどころに穴があいており「防湿」機能はなさそう。

真壁納まりで防湿層(この場合は恐らくビニールクロス)が不連続だったことも、室内から壁内へ湿気が侵入したであろう理由の一つと思われる。

(他の大壁納まりの出窓がある部屋では起きていなかったため※あくまで室内から見て)

構造材である柱もボソボソになっていた。→×
(シロアリではなく、水分の影響かと思われる。)

これらを調査結果として知人に報告し、

不動産業者に送るメール文の作成なども行った。

・現状の確認(土台や他の出窓など)と説明

・対応策

・回答を書面(メール)で頂きたいこと

・今後同じようなことが起きた場合の対応について

補修案としては

・適切な防水、防湿施工

・適切な通気施工

・劣化した構造材の交換または補強

などを依頼した。
(具体的な説明がないなか、補修工事が始まろうとしていた。)

知人には追加で

・出窓をなくすこと、和室を洋室にリフォームすること

を有償で依頼することもありだよとアドバイスした。

後日、不動産業者から回答があり補修してもらえることになったそう。

「これから先、同様のことが起きた場合も対応します。

ただし、2年間の保証となっています。

ということだった。

今回は和室以外の他の出窓では室内から見たカビの発生はなかった。

しかし、出窓の屋根の納まりなどは同様だと思われるため、もしかしたら時間の問題かもしれない。

内部結露に関しては、ビニールクロスが簡易防湿層となりある程度は防いでくれるかもしれない。

また、石油ストーブや加湿器・換気など住み手側の使い勝手によるということも要点となる。

そして「中古住宅」であるということでどこまで許容するかという点もある。
(価格もあるので)

アドバイスとして

「様子を見て、保証が切れる前の来年の春にもう一度状況をみて判断する」

というのでも良いかもしれないよと伝えた。

(僕が正確に調査したわけではないのであくまで助言。)

中古住宅の購入はこういったことが往々にしてある。

インスペクションをしても全てがわかるわけではなく、住んでみて初めて発覚することもある。

中古住宅を検討する際には、こういったことを理解した上で購入することが重要になる。

おまけ…………….

その他の調査報告

出窓の側面には断熱材は入っていなかった。
(20年前の断熱施工では往々にしてある)

興味深いのは「断熱材が入っていないほうが壁内結露しづらい」ということ。
(昔の家なども同様)
中途半端な「中気密中断熱」が一番危険。

外壁(窯業系サイディング)のシーリングはまだ粘性を保っていた。
(防水性を保っているとは限らない。)

防水テープ(ブチル系)も粘性を保っていた。

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【注意点】冬場の基礎コンクリート打設って大丈夫??

ゆうです。

先日、これから家の工事が始まる友人から

「冬場の基礎コンクリート打ち込みって大丈夫なの?」

「凍ったりしない?なにか注意点ある?」

という質問を受けたのでこのブログで詳しく回答しようと思います^^

冬場の基礎コンクリート打ち込みの注意点は大きく3つあります。

それは、

1.コンクリートがちゃんと固まるか。

2.上棟時までに上棟の重さに耐えられるコンクリート強度に達しているか。

3.施工は問題ないか。余計な費用はかからないか。

ひとつひとつ詳しく話すと、

1.コンクリートがちゃんと固まるか。

冬場は氷点下になることがあります。

氷点下になったときにコンクリートが凍ってしまわないか。

建築基準法には、
「コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2度を下らないようにし、養生しなければならない。」

と書いてあります。

コンクリートの温度が2度以下になると、コンクリートの固まるスピードが極端に遅くなります。

また最悪の場合、コンクリートが凍り、凍害を起こし、必要な強度が出なくなってしまうこともありえます。

そうならないように、

きちんと基礎コンクリート打ち込み後は養生をして、コンクリートの温度が下がらないよう措置する必要があります。

具体的には、ブルーシートや毛布などで基礎をすっぽり覆います。

それでも温度が足りないような厳寒期の場合は、ヒーターなどを使用して必要な温度を保ちます。

(コンクリート打ち込み中は養生できないため、打ち込み日が氷点下にならない日を選ぶなど注意が必要です。)

新潟・長岡・柏崎の冬場の平均気温。(2013-2017過去4年間平均)
積雪がある時期(12月中旬~3月中旬)は4℃を下回る。
1月~2月末までは2℃を下回っている。
この時期は特に注意しなければならない。


2.上棟時までに上棟の重さに耐えられるコンクリート強度に達しているか。
 
コンクリートは時間と共に強度が出てきます。

ちなみに、コンクリートは「乾いて」強度が出るのではなく「水と化学反応して」強度が出ます。

暖かければ早く強度が出ますが、気温が低いと強度が出るまでに時間がかかります。

養生期間を長めに取れれば良いのですが基本的に現場は工程をつめて動きます。

基礎コンクリートを打ってから5日間養生し、型枠をばらして最短で上棟する場合、基礎の養生期間は合計7日ほどです。

その7日間で、上棟時にかかる重さに耐えられるだけの十分な強度が出るようにコンクリートの配合量を調整する必要があります。

これを強度補正と言います。

コンクリートは配合によって強度を変えることができ、その強度を指定することができます。

冬期以外の通常の季節には「呼び強度24~27N/mm2」という強度でコンクリートを発注することが一般的ですが、冬期は強度が出るまでに時間がかかってしまうため、その強度に+3ほどして「呼び強度27~30N/mm2以上」で発注します。

(強度27N/m㎡・・・10c㎡角のコンクリートで27トンに耐えられる強度。)
(冬期・・・平均気温8℃未満、夏期・・・平均気温25℃以上)

全国生コンクリート工業組合連合会HPより。
7日後の圧縮強度(設計強度に対する発現割合)は、
外気温21℃のときは約60%発現するのに対して、
外気温4.5℃のときは約40%しか発現しない。

3.施工は問題ないか。余計な費用はかからないか。
 
極寒の中での鉄筋組みや型枠施工は大変な作業です。

僕ら設計者が現場を監理するのも一苦労です。

施工スピードや精度はどうしても他の季節よりも悪くなります。

そうなると、余計に手間賃がかかります。

また、積雪が多いようであれば除雪の手間賃を見る必要もあります。

コンクリート打ち込み前に型枠内に積もった雪をバーナーで溶かす手間もあります。

「雪の降る日に外で鉄筋を組む作業」想像をして頂ければ、どれだけ大変かがわかると思います。



【まとめ】

一番の対策は、
厳寒期のコンクリート打ち込みを避けること。

建てる会社にとっては、年間何十棟するうちの一棟かもしれませんが、

貴方にとっては一生に一度のマイホームのはずです。

なにも厳しい時期に基礎コンクリートを打ち込む必要はないと思います。

しかし、建てる会社はこういったことは言いません。

なぜなら、お客さんが「ある時期」を避ければ、その時期の現場の仕事がなくなり、逆に違う時期に現場の仕事が集中してしまうからです。

年間何十棟も建てている会社であればなおさらですよね。

僕(エスネルデザイン)はどうするか。

まずは、厳寒期の基礎コンクリート打ちを避けられないか建て主さんと相談します。

よほど完成時期にしばられてるような状況でなければ、避けたほうが建て主さんのメリットになると考えるからです。

年間着工棟数を追わない家づくりだからこそ出来る提案です。

また、状況を見てですが、

厳寒期の基礎コンクリート打ち込みも行います。

(氷点下になるような時期は避けます。)

それは、適切な設計者判断工事監理を適切にする自信があるからです。

追って、打ち込んだコンクリートの配合量の資料や、現場の状況を報告書にまとめて報告します。

これも年棟数を追わない家づくりだからこそ出来る提案です。
(年間何十棟も建てていたら細かな検討や現場の監理は疎かになりがちです。)

補正指示や監理や報告などを建て主に約束できない会社であれば、厳寒期の基礎コンクリート打ち込みはおすすめしません。

全てはケースバイケースですが、厳寒期の基礎コンクリート打ち込みに関しては大まかにこんなところです。

ちなみに、、

今年の新潟は異常気象。

寒気の影響で例年になく平均気温が2℃を下回る日が多い。
それだけ注意してコンクリート打ちをする必要がある。
マニュアルに沿うのではなく、その年ごとの気象条件を見極め、適切な設計者判断をしていきたい。

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「施工品質の崩壊と独立した工事監理。」

ゆうです。

「施工品質の崩壊。」

物騒なタイトルのブログを書きます。(真剣)

現在勤めている事務所では「日経ホームビルダー」を定期購読しています。
この雑誌は、基本的にプロ向けの内容なのですが、
とても突っ込んだ記事が多く面白いです。
2017.7月号では、住宅の施工品質の今後の低下に警鐘を鳴らしています。
僕も、これから
住宅の粗雑な施工実態が次々に明らかになっていく
と思っています。
そのわけは、ざっくり言うと、
○職人の数の減少

○施工の複雑化、要望の多様化

○インターネットの発達、SNSなどリアルタイムメディアの一般化
が上げられると思います。
詳細な声としては、記事に書いてあるように、
「人員不足と値引き競争からくるコスト不足により、適正な人員を割り当てられなくなり、一人当たりに能力を超えた業務が要求されている。」


「担当する現場が多すぎてただこなしているだけになり、若手監督や職人の技能レベルが上がらないままで若手を育てるシステムが崩壊している。」


「ローコスト住宅が増え、職人の単価が上がらない。コストが厳しければ質の悪い業者がはびこる。」

「技能工が高齢化し、絶対数も不足している。」
などが上がっています。
これは、大手だからと言って例外ではありません。
大手ハウスメーカーも施工は現地の大工や職人に依頼します。
大手ハウスメーカーは、
「年間○棟をあなたに発注するから、そのかわりに△△円くらいの(低い)単価でやってください。」
というような契約を職人と結びます。
職人は、年間安定した受注と引き換えに、低い単価の仕事を数多くこなすことになります。
そうすると、自ずと記事に書いてあるようなことにつながりますよね。
僕は、
「大手ハウスメーカーの仕事はもうやらないことにした。」

「うちは大手ハウスメーカーの仕事はしていません。」
という声を大工さん職人さんからたくさん聞いてきました。
これは、
「うちは質も低く単価も安い仕事はしません。質の高く質に見合った単価の仕事をしています。」
という職人さんのアピール(自慢)なんです。
(すべてのメーカーに当てはまる話ではありません。
 しかし、ローコストメーカーは往々にして当てはまると思います。)
ーーーー
現場監督の具体的な話をすると、
ローコストメーカーなどでは、年間10棟、20棟を一人の監督が担当することもめずらしくはありません。
そうすると、
「耐力壁の施工精度の確認」
「断熱材、気密処理の施工精度の確認」
などは、一人で10棟以上も担当していれば、
監理が甘くなってしまうのは物理的にしょうがないことかもしれません。
(監督さんの仕事はそのほかにもたくさんあるから。)
でも、建て主からしたら、「しょうがない」じゃすみませんよね!

日経ホームビルダー2017.7月号より。耐力壁に打つクギの施工ミス。
こういうミスはよくある。しかしだれもチェックしないから真相は闇の中へ、、

熊本地震でも耐力壁の施工ミスが原因で倒壊した家が数多く発見された。

ーーーー

そして勘違いしがちなのが、

「営業マンがいかに良い人でも、営業マンは工事監理はしません。」

現場にたまに来たとしても、クギの施工をすべて確認するなんてことは絶対にしません。

それは営業マンの仕事ではないからです。

良い家ができるかどうかは

営業マンでは決まりません。

あくまで、現場の職人さんとそれを監理する設計者で決まります。

僕はそういった現場や話をたくさん見たり聞いたりしてきました。

なので僕は「良い家」をつくるために今の設計事務所に入り、

これから工事は請け負わない純粋な「設計事務所」として独立しようとしています。

これは、

『独立した工事監理』

をお勧めしているからです。

「工事」も「設計」も「監理」もすべて同じメーカーに任せるのではなく、


「工事」と「設計・監理」を別の会社が担当する。

これによって、

設計士が現場に対して正しいことを遠慮なしに指摘することができるようになる。

これは、

「設計士が建て主の完全な味方になる」

ということです。

工事と監理が同じ会社だと、正しい指摘ができないこともあるかもしれません。

それは、監理する設計士は、建て主からではなく、会社からお金をもらっているのだから。

ーーーー

長くなってしまったので今回はここまでに。

興味のある方は日経ホームビルダー2017.7月号を購入してみてください。