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【注意点】請負契約「工事中、地震が来たら被害の負担は?」

ゆうです。

家づくりの打合せが進み、図面が完成したらいよいよ工事が始まります。

その際に締結するのが工事請負契約

内容を確認してから契約するわけですが、

「工事中にお隣さんに損害をかけることが起きたら?」




「工事中に地震で被害が出たら負担は誰がするの?」

などわからないことも多いですよね。

契約を結ぶ前に内容を確認・納得しておくことが重要になります。

一般的に使用されることの多い「民間(旧四会)連合」の約款。

「工事請負契約書」自体の内容はシンプルです。

発注者、受注者、工事名称、工事場所、工期、請負金額、支払方法、等を記載し、
それぞれ記名押印します。

それ以上の細かい内容を定めたものが「約款」になります。

(ex.「〇〇の事態が起きた場合は、××のように対応すること。」などがそれぞれ定められた契約条項。)

約款に書いてある中で特に重要な部分をご説明します。
(「民間(旧四会)連合」の約款)

第19条 第三者損害

例えば

「工事中にお隣りさんの車にクギを落としてしまい、キズがついてしまった。」

といった場合。

その場合の損害賠償は、受注者(施工会社)の責任と定めています。

対して、

受注者が注意を払っても避けられない事由により、第三者に与えた損害は、発注者が負担すること。」

となっています。

要約すると、

『施工会社の過失であれば、施工会社の負担。』

『施工会社の過失でなければ、発注者の負担。』

ということですね。

(※具体的な状況によりケースバイケース。)

…………….

第20条 施工中について生じた損害

「引き渡しまでに生じた損害は受注者の負担」とする。

これはシンプルですね。

…………….

第21条 不可抗力による損害
第22条 損害保険

「天災(または人為的な事象)などの不可抗力によって損害が発生した場合、発注者が損害を負担する。」

「ただし、受注者が損害保険に入っている場合、保険で賄える額は、発注者の負担から控除する。」

不可抗力で損害が発生しても、施工会社がかけていた保険内で納まれば発注者の負担は無いということですね。

(施工店が保険をかけているか、どんな保険内容なのかの確認が重要です。)

また、現場保険(火災保険など)ですが、地震は対象外というものが一般的です。
(水害は保険対象内のものはある)

万が一ではありますが、
工事中に起きた地震による損害は発注者が負担することになる可能性が高いです。

むしろ一番避けなければならないことは、損害負担そのものよりも、

損害による賠償で施工会社が倒産してしまうことです!

例えば、
「工事中に発生した損害を施工会社が賠償できず、施工会社が工事中に倒産してしまう。」

そんなことになったら大変です。

そうならないためにも現場保険はとても大切です。

施工会社が現場保険をかけているか+その内容の確認を契約前に確認することが重要です。

(+支払いを「出来高払い」にすることでリスクを減らすことが出来る)

もちろん、まずは損害が発生しないように、
現場の整理整頓や清掃、戸締りの徹底、近隣挨拶など日々の仕事を誠実に行うことが大切になります。

「万が一」はそうそう起こることではありませんが、
(僕は10年以上住宅業界にいて、1度も経験はありません。)
万が一が起きたときにための備えは大切ですね。

そして、
「万が一が起こった時どうなるのかを契約前に把握しておくこと。」

これも家づくりの大切な要点のひとつになります。

※今回紹介した約款の内容は、あくまで一般的な事柄に対して書かれた「大枠のルール」といったものです。
実際の対応は、個別の状況に応じて変わってくると考えられます。

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【職人技】「隠しコンセント」と「大工手摺」と「留め納まり」

ゆうです^^

僕は、既製品をパタパタと組み立てた家ではなく、
大工さんの技が光る家を提案したいと考えています。

そして、僕は大工さんの技を「伝える人」になろうと思っています。
(大工さんの技は時にすごすぎて説明がないと分からないことが多々ある)

「大工さんの技を感じること」は「家への愛着を育てること」。

それこそが「家の長寿命化」の最大の要点になります。

まずはこの床に空いた穴から^^

なんでしょう?

取れそうですね。

正解は、、、

床埋めコンセントでした^^

大工さんの細やかな仕事が伺えます。

穴は「指入れ」と「配線」の為の2役を果たしています。

設置場所はダイニングテーブルの真下。

ホットプレートなどを使うためのコンセントです。

フロア用コンセントもありますが、

・どうしても段差が出来てしまうこと(掃除でストレス)

・見た目の問題

があるため、このようにコンセントを隠す提案をすることがあります^^

一般的なフロア用コンセント(段差2mm程)。

…………….

続いて大工さんが作る階段手摺を。

現在、既製品の手摺が主流ですが、大工さんが作る手摺はすごいんです!

滑らかに連続する木製手摺。
段差がないから手の移動もスムーズ。
(既製品手摺は折れ部にフレキジョイントを使うため段差になりがち)

ほれぼれするような仕上がり。
手摺は毎日手が触れる部分。大切に想いを込めて作りたい。

…………….

最後は、留め納まりについて。

「留め」とは、直交する材の端部を斜めに継ぎ合わせる納まりのこと。

きれいに斜めで継がれた「留め」納まりの窓枠。

ピタッときれいに納まった留めを見ると心が震える。
逃げの効かないとても厳しい納め方。

面取りがあると斜めで継ぐのはさらに難しくなる。
(だからこそ心が震える)

階段なりに連続する巾木の留め納め。
直角につながる柾目はもはや芸術的。

そして、留めでより難しいのが「建具枠」です。

建具のミゾが加わると複雑さは一気に跳ね上がる。

はい、どれだけ難しいかは上手く説明できません(^^;)

下のリンクを開いてみてください♪
(それで伝わると思います。)

留め 仕口 – Google Search

大工さんの技術は本当にすごいんです。

大工さんの技を知れば、もっと家に愛着がわいてくるはず^^

家は工業製品じゃないんです。
(工業製品のような家もありますが)

家は手仕事による言わば「工芸品」のような側面もあるんです。

大工もですし、左官もですし、家具も、建具も、、、

それらのすごさを知った上で、家に住めたら最高に幸せですよね♪

これからも「職人さんの技」を伝えていこうと思っています^^

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


設計士の役得。

:大工さんの仕事を間近で見れること。

【関連記事】…………….

原惣右エ門工房の班紫銅 at 柏崎。『唯一無二の表札プロジェクト。』

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新潟観光大使。54『鎌田養鶏「たまご畑」& ふかぐら亭「ござそば」 at 柏崎』

ゆうです^^

地元柏崎のおいしい「たまご」「そば」を紹介します♪

僕が住んでいる柏崎市西山町で育った鎌田養鶏さんの養生卵。

その卵が刈羽村の「たまご畑」で販売されています。

鎌田養鶏は西山町鎌田にあり、40年以上の歴史があります。

そこで作られる「養生卵」は新潟県産米で飼育され、通常の卵よりもビタミンEが約10倍も多いのが特徴です^^

養生卵の鎌田養鶏 トップページ

「たまご畑」はレストラン「至福の時間」の隣にある。

お店の隣には緑あふれるドッグランも。

高台にあり刈羽平野を一望できる。

山小屋風の開放的な店内。

店内でスイーツが作られている。

鎌田の「養生卵」たち。

かまたロールはお土産の定番^^

たまごプリンは相方の大好物。
(ケースは息子の遊び道具に♪)

クッキーなどのお菓子も売っています。

「たまごソフトクリーム」や「カタラーナ」もおすすめです^^

養生卵の鎌田養鶏 たまご屋さんのカタラーナ

…………….

続いては、柏崎高柳地区の蕎麦屋ふかぐら亭さんをご紹介^^

ふかぐら亭さんでは、なんと
店主が自ら育てた蕎麦の実を製粉した高柳産そば粉100%の手打ちそばを提供されています。

(しかも、耕作放棄地を自ら開墾されたそう!すごい情熱、)

2011年にリフォームし完成した店舗。
(実はそのとき「資材を運搬した」という縁がある^^)

向かいには「麦麦(ばくばく)ベイク」さんのお店が。
海カフェドナでも麦麦さんのパンが提供されている。)

寄りたかったがすでに完売でした(>_<)(13時頃)

営業後初めて来たけど、懐かしい玄関^^
田舎ならではの雰囲気が良い♪

店先でタケノコやフキが売ってあった。(5月末)

高柳名物「ござそば」とは??

この日は友人のもりと。

ござの上でそば打ちしていたという歴史から「ござそば」は生まれたそう。
厚く幅広なのが特徴。

自家製粉したそば粉とつなぎ不使用も大きな特徴。

ござそばとザルそばのハーフセットもあり嬉しい^^

ござそばは歯ごたえとそばの香りが力強くとても美味しかったです。

野菜も高柳産のものにこだわられているとのことでした。
手作りおぼろ豆腐も美味しかったです。

ござそば通販|ふかぐら亭

とても素敵なWi-Fiサイン♪

ふかぐら亭さんのそばの味は本物です。

そばの風味をそのまま味わうことが出来る、そば通の人がハマりそうな味ですね^^

柏崎に遊びに来られた際はおすすめです♪

これから始まる大地の芸術祭2018と合わせてぜひご賞味あれ^^!

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)


ふかぐら亭の前は芝峠温泉「雲海」へ。

マラソンの日焼けで湯船につかれなかったのは良い思い出♪

【関連記事…………….

ケンチク探訪♪ 16&新潟観光大使。53『香港ハウス見学 at 大地の芸術祭2018!』

新潟観光大使。08『星峠の棚田と絵本と木の実の美術館。』

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いなか日記。89『鏡張りの夕日とハマヒルガオ。』

ゆうです^^

少し前の夕日をお届けします。

砂浜に花が咲くことに感動しました。

夕日を見るカップルもとても幸せそうでした。

浜に咲くシロツメクサ。

砂浜にも花は咲くんだ。

ハマヒルガオはとてもたくましく見えた。

こんなに影が伸びる。
気分は足長おじさん^^

久しぶりに波打ち際へ。

砂丘が出来る様子を伺う。

素敵な時間でした。

また別の日も海へ。

いつもの違う「秘密のビーチ」を発見♪
雲の感じもとても良かった。

この日のmusicはスピッツの「スカーレット」と「愛の言葉」。

波がなく鏡張りになる海。

とても素敵な時間でした。

ありがとう。

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ケンチク探訪♪ 16&新潟観光大使。53『香港ハウス見学 at 大地の芸術祭2018!』

ゆうです^^

僕の中で一足先に、大地の芸術祭2018が始まりました!

本祭は2018.7.29からです。

が、今日は大地の芸術祭2018の会場のひとつとなる

香港ハウス(香港部屋)を見学させて頂きました!
(名称は決定前)

やばかったです!!

見学への経緯ですが、
住学でつながった大平政志建築設計事務所の大平さんが、
なんと香港ハウスの設計をしているという話を聞き、
見学(住学番外編)が開催されたのでした^^

大平木工 | 新潟県津南町・十日町・魚沼の家づくり(新築・増築・改修・リフォーム)

まずは津南にある大平さんの会社へ。
(右が施工の「大平木工」さん。左が設計の「大平政志建築設計事務所」さん)

カ、カッコいい!(設計事務所っぽい!)

とても優しい大平政志さん(左)
同世代の設計士としてとても刺激を受けます!

香港ハウスのプランの変遷を模型と図面で教えて頂く。
(興味深々!)

当初のコンセプト案。(コンペグランプリ案)

この「香港ハウス」は、なんと香港(中国)政府からの依頼で始まったプロジェクト!

「香港で行われた設計コンペのグランプリが実際に大地の芸術祭で建つ」というもの。

その原案を基に、地元の若手建築家が実施設計を行い完成させるという、いわば、香港と日本の共同作品。
(大平さんワールドワイドっす!)

地元の若手建築家として白羽の矢が立った大平さんですが、

コンセプト案通りすんなり進められるかというと、そんなことはなく、

積雪の問題であったり、

予算の問題であったり、

構造やアート作品の展示の問題であったり、

と実施設計での調整はとてつもなく大変だったそうです(>_<)

逆に、ディテールはほとんど大平さんの思うようにさせてもらえたということで、
完成した建物は、ほとんど大平さんが考えたと言っても過言ではない?いう様子でした^^

車で10分ほど移動し、いざ実物へ!
(集まる住学メンバー。津南までみんなすごい(^^;))

向かいにあった「上郷クローブ座」でもアート展示が行われる。

体育館を改装して会場として使用している。

いざ香港ハウスへ!
外観はとてもスッキリとしてシンプル。

雪下ろしを考慮し、屋根の勾配は原案から角度が緩く変更された。

「香港部屋」のネオンサインがとても中国建築っぽい♪

そしてナナメになった屋根の部分は、、、

四面の折れ線が1点に集まっていた!
しかも目透かし納まりでとてもきれい!
さらに、一部の板は既製品サイズではなく、特注の、、、(略)

板金の角もとてもスッキリ納まっていた。すごい!

裏側のテラス壁のスリットが良い感じ^^
視線が抜けるだけで開放感がかなり変わる。

そして「風を通すことでツバメが巣を作りづらいように」 という大平さんの設計的配慮がありました。

反対側。
室内から見た景色は、青空と緑が切り取られていてとても素敵でした。

板金と板壁の取り合いもとてもキレイに処理されていた。

エアコンの室外機が高い位置に付いているのも豪雪地ならでは。

さて、ここで問題です^^

屋根の下に室外機がありますが、室外機の上にも庇がついています。

一見意味がないようにも見えますが、なぜなのでしょうか?

正解は、
冬場に結露水(ドレン水)が下の室外機に垂れると室外機が凍りついてしまうから。

庇で結露水を防いでいるんですね^^

(ドレン用ホースで結露水を振ることもありますが、氷点下になるような地域だと、ホース内で凍結してしまうためNG)

雪国の設計者は雪国の家の作り方を知らないといけません。

香港ハウスの内部はさらに素敵でした^^!
(現時点では写真アップ不可)

設計的な見所もたくさん!

閲覧禁止になるかもしれないという2階も見学させて頂き、またとない機会になりました。

大地の芸術祭が始まり、展示が入ったときの様子もぜひ見たいですね♪

大平さん、お声掛け頂いたサトウさん・石田さん、
ありがとうございました^^!

勉強&楽しい時間をすごさせて頂きました。

また来ます!

…………….

その後は、十日町建築巡りを^^

十日町産業文化発信館「イコテ」
設計は手塚建築研究所。

いこて/IKOTE

かまくらのような形状の屋根(構造体)の中にハコが入っている。

「路地感」がとても心地良かった^^
「玄関までの(ワクワクする)路地」はいつか住宅で実現したいアイデア。

「ご飯を、、」と思ったのですが、この日はお休みでした(^^;)

ご飯と建築めぐりを兼ねて「キナーレ」へ。

設計は京都駅の設計もされた原広司さん。
原さんと大地の芸術祭は縁があるらしい。
(僕の親父もその縁に携わったことがある。)

ギリシャの神殿建築のような内観。
RCの柱がとても細く、みんなで構造を推測する^^

内部では芸術作品の製作・展示が佳境を向かえていた。

2階のレストランでみんなでご飯。
カレー美味しかったです^^

大地の芸術祭は2018.7.29から9.17まで!

3年に一度のお祭りは海外でも人気で外国の方も大勢来られます。

新潟に世界レベルで有名なお祭りがあるというのはとても誇らしいですね^^

「今年は、息子を連れて周りまくろうかな!?」

と今からワクワクしています^^

会場でお会いしたら声を掛けてください♪

大地の芸術祭の里

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)

息子と行きたいアート展示
:絵本と木の実の美術館♪

【関連記事】…………….

新潟観光大使。08『星峠の棚田と絵本と木の実の美術館。』

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【エスネルの仕様】床材:「国産無垢ヒノキ」

ゆうです^^

エスネルデザインの標準仕様の床材は
「国産の無垢のヒノキ」です。

とても柔らかく暖かいヒノキの床。

赤ちゃんの肌のようなヒノキの床。

ヒノキの表情はとても豊かで自信を持ってお勧めしています。

薄紅色の赤ちゃんの肌のようなヒノキの床(新築時)

カンナ仕上げでツヤツヤ・スベスベ。

エスネルデザインがヒノキの床をお勧めしているのには6つの理由があります。

1.見た目が優しいこと。

まず一番は見た目です。

床は家の中でも壁に続いて面積の大きな場所。

見た目の印象は住まい手にとても大きな影響を与えます。

好みによりますが、ヒノキの薄い木色

これは、針葉樹の文化で生きてきた日本人の
DNAに刻まれているであろう心地良い色だと思っています。

洋材(広葉樹系)とは違った針葉樹の暖かい空気感があります。

※ヒノキは古来から社寺仏閣建築に使用されてきました。

遷都されたばかりの伊勢神宮(2013)

2.柔らかく、暖かいこと。

ヒノキを始めとする針葉樹は広葉樹に比べてとても軽いです。

比重(g/cm3)で比べると、ナラ=0.7に対してヒノキ=0.4です。

それだけ材の中に空気を含んでいるということ。

それは「柔らかさ」「暖かさ」につながります。

「空気が多い(密度が低い)=断熱性が高い(熱伝導率が低い)」

となり、冬場に素足で歩いてもヒンヤリしづらいです。

半年ほど経ったヒノキ。薄紅色から徐々にアメ色へ。

反面、柔らかいことはキズつきやすいことにもつながります。

キズがついたヒノキの床。
このキズが「味(家族の思い出)」と思えるかどうかが、針葉樹を選ぶかの分かれ目。

3.サラッとして気持ち良いこと。

特に汗をかく夏場に足裏がサラッとして気持ち良いこと。

「サラッとする=汗・湿気を調湿してくれる」

ということ。

これは、針葉樹であるヒノキはオイルなどを塗らず「無塗装で使える」からです。

「無塗装=調湿作用を妨げる膜がない」

ということ。

対して、オークなどの広葉樹はオイルを塗る必要があります。

これは、
針葉樹は油分の含有が多いのに対して、
広葉樹は油分の含有が少ない(ものが多い)ため。

そのため、広葉樹のフロアはオイル塗装をしてあげないと乾燥してササくれが起きてしまいます。(無塗装は不可)
→調湿作用が落ち、足裏がサラッとしづらくなる。

オークのササくれ(無塗装)

オーク無塗装(左)とオークオイル塗り(右)

ヒノキオイル(上)とヒノキ無塗装(下)
ヒノキでも、水染みが気になる水廻りはオイルを塗ることもある。
(数年すると無塗装部分にも油が乗り、境目は分かりづらくなる。)

※オイルは調湿作用が落ちる反面、汚れがつきづらくなる効果があります。
(無塗装は水滴をほおっておくと水染みになることもある)

※オイル以上に汚れを防ぐ仕上げに「ウレタン塗装」があります。
 板にウレタン塗装をすると、調湿作用はなくなります。

(極端に言えば、板と足裏の間にサランラップが引いてあるような状態になる。)

半年が経ったY様邸のヒノキの床。

4.木の香りがすること。

ヒノキは昔から日本に馴染みのあり、その香りには鎮静作用があります。

(ヒノキはαピネンを含有しており、森林浴と同様のリラックス効果がある)

またヒノキの香りには、血行促進作用や疲労回復やだるさの緩和、冷えやむくみの改善効果があると言われています。

難しい効果はさておき、木の香りってやっぱり良いですよね^^

※ヒノキは香りが強いので好き嫌いあり。

(住み手は2-3ヶ月もすると慣れて香りを体感しづらくなるが、
たまに来る方に「木の香りがいいね」と言われて再認識する。ということが多々ある。)

2年が経ったT様邸のヒノキの床。

5.国産であること。

国産神話は崩れてきているのかもしれませんが、
木材に関してはまだ「安全・安心」に対する信頼性は高いと思います。

それは、国産が陸運なのに対して、海外産は「海運(船便)」だから。

海外産材は輸送時間も長く、輸送環境も厳しいです。

もちろん質の高い海外産の床材もありますが、見分けることはなかなか難しい。

そして、国産はコストを低減できます。

コストとは「金銭的コスト」と「エネルギーコスト」。

金銭的コストには「輸送コスト」「関税」などが上げられます。

ヒノキ無垢材でも、節あり材であれば価格はそこまで高くはない。

6.日本の林業を育て、地球環境を守ること。

海外材は輸送に多くのエネルギーが使われます。

また、過剰な森林伐採も問題視されてきています。

(東南アジアのチークなどは乱獲が進み、原生林は減る一方。)

地球環境を考え、身近にあり、植林しやすい材を使用することが求められてきています。

対して、国産であるヒノキを使うことは、日本の林業を活性化させ、森林を循環させることに寄与します。

現在、林業は負のスパイラルに入りつつあり、廃業する業者が後を立ちません。

「安い海外産の木を使う→国内林業が売れない→業者が減る→
 植林地が荒れる→木の質が下がる→海外産の材に負ける→・・・」

この負のスパイラルを

「植林した国産材を使う→林業で採算が成り立つ→質の向上→
 国産材のシェア拡大→スケールメリットにより低価格化→・・・」

という正のスパイラルへ。

もちろん、森林が循環すればCO2削減量も増えていきます。

と、長々と書いてきましたが、まとめるならば、

慣れ親しんだ近場の材を使うことは
体も心も気持ち良いし、環境にも良い。

ということかと^^

もちろん好みはありますのでヒノキを無理強いするつもりはありません。

オークの欧州風の高級感溢れる表情もまた素敵でしょう。

オークの床。
「傷つけたくない・高級感が欲しい・暗めのインテリアが好き」といった方におすすめ。

オーク(左)とヒノキ(右)
ヒノキは色が明るいので日光の反射が増え、室内が明るくなりやすいのもメリットのひとつかもしれません^^

…………….

家で使用される材にはすべてに「理由」と「物語」があります。

設計者は全ての材を理由あって選んでいます。

デザインだけでなく、背後の「物語」も踏まえた上で選定しています。

機会があれば、設計者に「なぜその材を使っているのか」聞いてみると
面白い話が聞けるかもしれません^^

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)

おすすめ体験
:カンナの乗った無塗装のヒノキのスベスベ感。
 (ずーっと触っていられます^^)

【関連記事】…………….

「素材感。」インテリアで最も大切にしたいもの。

【お客様の家】築2年のT様邸に訪問①「自然素材の経年変化」
【お客様の家】築半年のY様邸に訪問①「家具が置かれた生活の様子。」

【秘訣】集成材やヒノキ床材の経年変化。

魚沼杉の伐倒・製材・塗装を見学!「木が切られる瞬間」

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ケンチク探訪♪ 15『東中島の家(加藤淳さん)・タトウノイエ(サトウ工務店さん)見学会。』

ゆうです^^

先日「住学番外編」が開催され、

加藤淳一級建築事務所さんの「東中島の家」と、

サトウ工務店さんの「タトウノイエ」を見学させて頂きました!

どちらも素晴らしい住宅で大きな刺激を受けました。

その後のご飯会も為になる話が続出。有意義な一日になりました^^

まずは加藤さんの「東中島の家」へ^^

なんと月曜の昼にも関わらず、今回の番外編に集まったのは30名以上!
(1回目の住学本編と同じくらい??番外編の規模も拡大している)

みんなで歩いて完成したお宅へ向かいました。

「東中島の家」
今週末開催の見学会に向けて作業は大詰め!

スッキリとした外観に、2階の「サッシ+ベランダ」が光る。
ひと目見ただけで「建築士が力を込めて設計した跡(魅力)」が伝わってくる。

玄関戸は木製高断熱ドア(塗装+ガラス欄間)。
加藤さんの玄関への想いが感じられる。

玄関正面のファブリックが埋め込まれた壁。
これが住み手の個性を伝える「飾り棚」。

ピタッときれいに納められているが、取り外し・生地の交換が可能。
加藤さんの細やかな配慮が伺えます^^

加藤さんから説明を聞く。
苦労した点、配慮した点など「設計者からの話」は三度のメシよりみんな好き?

設計スケッチ。
検討の「跡」が伺えてとても面白い。

「限られた条件(敷地・要望・予算)の中でどれだけ効果的な提案を示せるか」
が設計者の力の発揮どころ。

建て主様が希望された「ヘリンボーン張り」のキッチン壁。
ラスティックで個性のある表情が素敵。
(材種や張り方はアンドウッドさんと相談されたんだとか)

水洗の根元は防水性のあるメラミン仕上げ。(板への水染み防止)
こういった細やかな配慮を僕も大切にしたい。

隣家の柿の木が借景できる畳コーナー。
狭小地では「どこに視界(採光・景観)を開くか」はとても大きなポイント。
加藤さん、さすがです!

僕が感じたことは

「天井高が2.4mよりもほんの少し高い気がする。でも2.45mまでまではなさそう。
 (そんな細かい天井高設計するのかな?)」

と思い、加藤さんに聞いてみると、天井高は2.426mでした!

26mmの違和感を感じとれたことが嬉しかったです^^
(職業病?)

そして「26mm(窓枠の幅)だけ天井を上げる」という加藤さんの繊細な設計にも驚かされました。

見学を終え、続いての見学会場へ。

サトウ工務店「タトウノイエ」。
可愛い小箱がぽこぽこと置かれたようでとても抽象的。

外壁には電線もなく、雨どいもない。

→施工中の様子はこちら

植栽はサトウさんが絶大な信頼を置くEN GARDEN WORKさん。

室内も階段が浮くなど抽象度合いがとても高い。

エスネルデザインや他の会社のパンフレットが置かれたコーナー。
エスネルデザインのリーフレットと『サトウ工務店さん見学会開催!』

もはやサトウ工務店さんの代名詞「モイスの壁」

スッキリした収納壁かと思いきや、、、

ひとつはなんとトイレのドアでした!

いろいろすごすぎて途中から言葉がなくなっていく。
(出るのは感嘆のため息ばかり?)

見学会で配られている案内。
設計のポイントがわかりやすくまとめられている。

なぜ「タトウ(多棟)」になったのか。
それは高低差のある敷地条件を活かしたためでした。

理由のある設計。(さらに構造計算の裏付けあり)

デザイン力、構造、現場への精通、モイス壁など職人さんの熟練度、、

サトウ工務店さんはトータルでの「建築力」が非常に高い。

全国的にもトップクラスの工務店だと思います。

(もはや説明するための言葉がみつかりません。)

そして、その気さくで優しい人柄。
実力も人間力も兼ね備えられた方。住学に人が集まるわけですね。

次回の住学の案内をしてこの日は終了。

次回はなんと「大地の芸術祭2018」でお披露目される建築の見学。

人のつながりが建築のつながりを呼ぶ。

建築だけでなく「大きな流れ」のようなものを学んでいる気がしています。

この日はこのあと都合がつく方でご飯会へ。

18時からのご飯も気づいたら21時前。

お酒も飲まずに大の男たちが建築談義に盛り上がっていました^^

「次の住学のアイデア」や「ITツールを駆使した最新のプレゼン手法」など、
みんなで話していると話題はつきませんね。

とても愉しい時間でした^^

加藤さん、サトウさん、皆さん、本当にありがとうございました。

今後とも宜しくお願いいたします。

…………………………………………

村松 悠一(ゆう)
エスネルデザイン代表(設計士)

前職での設計格言シリーズ。
:「今日一日でどれだけ成長できるか。」

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

【お知らせ】…………….

加藤淳一級建築事務所さんの「東中島の家」の見学会は今週末の7/8(日)です^^
詳細は下記リンク先をご参照ください。

こだわりのヘリンボーン | 加藤淳一級建築士事務所の日記

ネイティブディメンションズの鈴木さんもこの日のことをブログに書いています^^

番外住学ー酔ってない時ほどダメージでかい編ー – native dimensions blog

石田伸一さんもブログで書かれています!

『住学。そして住学番外編。』

住学が成り立つ理由「なぜ他社の紹介をするのか」



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住学でのエスネル村松のトーク動画全編公開!

ゆうです^^

住学3回目の僕のトーク
「世界の建築・世界の暮らし」の動画を全編アップしました!

記事をバラバラにすると紛らわしいので過去の記事の一番下にアップしました^^

興味があればご覧いただければと思います♪

『住学3回目』①無事終了!エスネルゆう発表内容全公開!

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住学が成り立つ理由「なぜ他社の紹介をするのか」

ゆうです^^

最近「住学」の活動が増えてきました。

今年初めから1回、2回、3回と開催され、9月に第4回目の開催も決定しています。

また「住学番外編」として、住学仲間の完成物件を見学させて頂いています。

そして、それをブログやSNSでお互い紹介し合う。

本当に面白い仲間だと感じています^^

(画像はネイティブディメンションズさんブログより)

ブログで紹介するだけでは飽き足らず、ついには

自社の見学会で他社のパンフレットを置く

という猛者も出る始末w

サトウ工務店さん見学会で置かれた他社のパンフレットたち。

エスネルデザインのリーフレットと『サトウ工務店さん見学会開催!』

なぜそんな(常識はずれな)ことをするのか?




なぜそんなこと(住学)が成り立つのか?

このブログでも他社の紹介をさせて頂いています。

ここで少し明文化しておこうと思います。

「なぜ他社紹介をするのか?」

それは、

「他社=敵」

ではなく、

「他社=仲間」

だからですね^^

住学のメンバー内でお客さんを取り合うわけではありません。

家を建てられる方の数はとても大きい。

ハウスメーカーで建てられる方もいれば、
ローコストメーカーで建てられる方もいる。

そもそも「競合することが少ない」ということ。

どちらかというと、

「どう家づくりをしていいかわからない。」

「とりあえず総合展示場に行くしか考えつかない。」

と言った方に対して、

「こんなことをしている人たちもいますよ。」

「こういった入り口もありますよ。」

というグループ単位(住学)での紹介のようなカタチ。

仮にお客様が住学内の複数のメンバーを検討して、どちらかに決めることになったとしてもそれは「適性(マッチング)」の問題。

「その方にとって」どの会社がより適していたかということだけ。

良い会社と劣っている会社があるわけではないと思っています。

そう思えるのも、住学の仲間は、

本当に建築が好きで

本当に良い家を作ろうとしているから。

そして、

本当に皆さん個性的で


それぞれが考える「良い家」へのアプローチが異なるから。

・敷地を読み取り、その敷地の魅力を最大限に引き出す設計

・地元の素材を使い、住み手や地域に愛される家を作る設計

・極限まで小さな家の中で家族が高密度に暮らす設計

・限られた予算の中で、いかに効果的に空間を作れるかを突き詰める設計

、、、、

「みんなちがって、みんないい。」

まさに金子みすずさんの詩のとおり。

「優劣」ではなく「適性」があるだけ。

住学はそんな仲間たちです。

だから、他社(仲間)を紹介できるんですね^^

(サトウさんの姿勢に多くの人が感銘を受けていると思います。僕もその一人)
ケンチク探訪♪ 9『サトウ工務店さんへ。幸せの錬金術。』

そんな中で「エスネルデザイン」は、

暮らしを一番に考えた家づくり

を提案していきたい。

具体的に言えば、

・まず初めに、資金計画を建てて健全な家づくり予算を知ること。


・ランニングコストを抑えるため、断熱性の高い家を建てること。


・イニシャルコストを抑え、家以外に使えるお金を残すこと。
 (家族旅行など)
 →具体的には「小さな家」の提案

・小さな家に住み、家族の暮らしの密度を高めること。

端的に言うならば、

家より家計を大切にする設計


家にこだわりすぎない設計

です。

(こだわらない家を作るためには、設計者が見えないところでよほどこだわる必要があります(^^;))

これは「僕だったらそんな家で暮らしたい。」と思ったから。

長くなるのでエスネルの話はこの辺で。

伝えたかったのは「住学の仲間はとても素敵なんです。」ということ^^

だって、仕事でもないのに、昼から夜遅くまで(お酒もなく)ずっと集まって話しているんですから♪

-「超高断熱の小さな家」escnel design-

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【見学会】網川原のエスネルでプロ向け見学会「住学番外編」開催!

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W杯日本代表、感動をありがとう。

W杯日本代表の皆さん、感動をありがとう。

日本サッカー史上、最高の試合だったと思います。

感動しました。

結果が全てかもしれないけれど、

結果が全てではありません。

選手の皆さん、監督、スタッフさん、サポーター、そして日本人を
プレーを超えて誇りに思います。

胸を張って帰ってきてください。

感動をありがとう。