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【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「設計積雪量」①

ゆうです。

ここ数日、日本海側は数年に一度の寒気に見舞われ、柏崎市では24時間降雪量が全国1位の69cmを観測しました。

柏崎市の積雪は90cm以上と平年の3倍を超えました。
そして、明日も朝までに多いところで60cmの降雪が予想されています。

2/6 19:00時点での積雪の深さ。
多くの地域で平年の2~3倍の積雪となっている。

家を建てる際に行う構造計算には「設計積雪量」を入力する欄がある。

例えば設計積雪量1.5mなら、屋根の上に1.5mの雪が積もっても構造的に問題がないよう計算されるということ。

(構造計算をしていない家はそもそも積雪量の検討はされていない。→△)

市町村ごとに過去の測定から導き出された「垂直積雪量」というものを出しており、それを目安に設計者が「設計積雪量」を決める。

柏崎市であれば、垂直積雪量は1.3m(平野部)。
長岡市であれば、垂直積雪量は2.5m(中心部)。

ただし、雪下ろしを行う慣習のある地方は、
雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
(建築基準法施行令86条第6項)

このため、豪雪地を除く新潟県内の住宅はそのほとんどが設計積雪量1mで構造計算されていると思われる。

しかし、現実は雪下ろしを想定していない家がほとんど。(屋根に上がるすべ無し)

新潟県垂直積雪量運用基準には、
雪下ろしによる低減は「速やかに雪下ろしが可能な形状の建築物に限り適用するものとする。」と書かれている。(※基準であり、義務ではない。)

近年は積雪が少ない年が続いたこともあり、雪への関心は薄くなっていたように思う。

そもそも設計士から「設計積雪量は○mでよいでしょうか。」という話をされていない方がほとんどだと思われる。

安易に積雪量の低減をすると数年~数十年に一度の異常時に大変なことになる可能性がある。

今一度、設計積雪量の設定の重要性を啓蒙していきたい。

「あなたの家の設計積雪量は何メートルですか?」






「あなたの家はどれほど雪が積もっても大丈夫ですか?」


「必ず垂直積雪量で設計すべき」というわけではない。
垂直積雪量は過去の積雪量から算出されたもののため、現実に即していない場合もある。(→オーバースペックになってしまう。)

設計積雪量を上げるということは、それに耐えるための柱・梁や壁の量を増やす必要があるということ。
 →間取りの制約が増えるということ。

雪への耐性と間取りの優先順位のバランスを考え、建て主の要望を踏まえて設計積雪量を決めることが重要になる。

【関連記事】…………….

【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「設計積雪量」①

【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「設計積雪量」②

【秘訣】2018年の積雪から構造を考える。「雪庇・カーポート」

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【秘訣】家づくりは非日常。しかし家は、、。

「家づくり」は多くの人にとって初めての体験だと思う。

結婚式のように『非日常』体験ということ。

結婚式のように「ソフト(思い出)」の体験は非日常を非日常として楽しんでいい。

家を提案する側としては、家づくりも本当は「非日常として楽しでもらいたい。」と思っている。

しかし、そこには注意点がある。

それは「家づくり」は非日常だが「家(暮らし)」は『日常』だということ。

新築も築2年頃までは非日常感はあるだろう。

今までのアパート暮らしでは出来なかったことが出来る日々。

新築祝いに両親や友人が遊びに来ることもあり、家づくりのときのワクワクした余韻がまだ残っている。

そしてその後、家(暮らし)は日常になる。

革製の靴が自分の足になじむように。

カップルが交際期間を経て、結婚して夫婦になるように。

新入社員が経験を積み、中堅社員になるように。

『家は日常である。』

ということを家づくりのときに意識していることが重要。

具体的に言えば、

「この追加オプションは本当に自分たちにとって必要なのか。」

「客間は必要なのか。」

「リビングは20帖以上必ずいるのか。」

家づくりで叶えたい『夢』はあると思う。

それを叶えることはとても素敵なことで応援したいこと。

ポイントは

「本当に本心から叶えたいと思っているかどうか。」

それは自分自身にしかわからない。

家づくりは急ぐ必要はない。

例え候補の土地が他の人に取られようとも。

「今が金利の底ですよ。」と言われようとも。

ゆっくり自分の心の超えに耳を傾けて、

家づくりの『非日常と日常のあいだ』を行ったり来たりするのを愉しみながら。

自分たちの家族のペースでゆっくりまったりじっくりと進められれば良い家が出来ると思います。

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エッセイ。「家づくりの転換期。訪日外国人と出国日本人。」

家づくりにおいて「大きな道しるべ」になりたいと思う。

経済的、物質的な満足度のものさしから、少し離れたものさしで考える家づくりを。

それが、豊かな家族、豊かな地元、そして豊かな日本の未来を作ると信じて。

この本文の内容は特に、
「これから家を考える僕と同世代以下(30代以下)」に当てて書きたいと思う。

日本は今、大きな価値観の転換期にきている。

東京オリンピックが控えていることもあり、

ここ数年「世界を」「日本を」紹介するテレビ番組が急増している。

上の表が示すとおり、
訪日外国人の数は2011年頃から年々1.2~1.4倍ほどのペースで増えてきている。

面白いのが、出国日本人の数は変わらず横ばいだということ。

これは「状況の変化」に対して「変化への対応」に時差が生じているということを示している。

(端的に言えば、世界的な状況の変化に日本人の行動が遅れているということ。)

これから、海外の人の様々な価値観、生活様式、文化などが海外から来る観光客とともに、その観光客向けのビジネスが増えていくと共に浸透していく。

それらがある程度浸透したのち、出国日本人数も増えていく。

そして、海外の価値観を体感し、「幸せのものさし」が変化していく。

物質的な豊かさを重視するものさしから、精神的な豊かさを大切にするものさしへ。

「社会(まわり)と比べる幸せ」から、

「個人の絶対的な幸せ」に変わっていくと言ってもいい。

「人からどう思われるのか、思われたいのか。」

ではなく、

「自分にとっての幸せ」

を大切にする世の中へいずれ日本も変わっていく。

ただ、世界の変化に比べると日本の変化は遅い。
(島国、単一民族の弊害。)

今の中国を見ると思うことがある。

「アメリカや欧州は、1980年代の日本を見てこういう感情を抱いていたのかな。」と。

人口を武器に経済成長する。

それは、極端に言えばどの国でもいつかは起きる。

大切なのは『その先』なんだろう。

アメリカはあれこれしながら世界の経済の中心で居続けている。

それはそれでとても素晴らしくありがたいことだ。
(アメリカにとっても世界にとっても。※経済的な話)
(しかしもはや「国」ではないのかもしれないとも思う。)

かたや、北欧などでは『経済的な発展の先』を見つけられているように思う。

『自然や家族との幸福な暮らし』を第一に考える。

それが叶えられる国のシステムが整備されている。

そのシステムを作れた理由は「まず国民がそのシステムを願ったから。」

日本は今はその前のステージ。

「国民が自分たちの幸せをどう絵描きたいのか。」

それをみつけるステージ。

それがみつからなければ国のシステムは変わりようがない。
(一部の人が絵描いても「絵に描いたモチ」になってしまう。)

少し違うかもしれないが「プレミアムフライデー」もまさに「絵に描いたモチ」だろう。

僕はそういう取り組みはとても良いことだと思う。トライに対しては大賛成。

しかし、国民の価値観が「なぜそれをするのかを理解できていない。」

なんのために休みをとるのか。

経済のためなのか。家族と過ごすなど一人ひとりのQOLの向上のためなのか。

はっきり言うと、国民が個人でその目的を絵描ける力はまだ日本人には備わっていないように思う。

日本人にはまだ「国民が一丸となって進むべきスローガン、大義」のようなものがないといけない。

みんなが一致団結して一歩を踏み出せるような大きな目的、土壌(ムード)がないと日本人は動けない。
(東日本大震災復興・東京オリンピックなど)

別にそれを悲観したいわけではない。

なにが言いたいのか要点をまとめると、

「まわりの人に流されて、既存の価値観に流されて、なんとなく家を建てていては、将来の幸せに結びつかない時代、状況に変わってきている。」

「自分や家族のために、もっと個人の価値観・幸福感を真剣に長期的なスパンで考えなおすことが必要になってきている。」

ということ。

国とか大きな話を持ち出したのは、家が30~60年ととても長いスパンで影響を持つため。

(家ではなく「住宅ローン」と言い換えてもいい。)

そして、これから30~60年の間に日本を取り巻く状況は想像できないほど大きく変わる。

それは経済も価値観も。

端的に言えば、
収入や日本経済は頭打ちになっていく中で、日本人は「なにに次の幸せを感じていくのか。」を個人が探し、答えを出していかなければならない。

収入の量はある程度しょうがない。

日本の状況を考えある程度「受け入れる」という姿勢も大事だろう。

もちろん人と比べてもしょうがない。

しかし「支出」の量は調整できる。

将来をある程度だが予測、計算することもできる。

避けたいのは、

「現時点での価値観で家を建てたが、何十年後かに価値観が変わった。しかしローンもあり、価値観にそぐわない家に暮らし続けなければならない。」ということ。

言い換えれば、
「収入は減り、物価は上がり、物より体験にお金を使いたいのに、借りすぎた住宅ローンで身動きがとれず幸せを感じられない。」ということ。

(これは「最悪」を想定した場合ですが、該当する人は少なくないのではないでしょうか。)

(前置きが長くなりすぎました。)

そのなかで『家づくりをもう一度見直す。』

新築に無理にこだわらない、広さも必要以上に求めない、

「子育て中の今」だけではなく、「30~60年後」までを見通した家づくりを。

僕はこれまで『旅』にはお金も時間もたくさんかけてきた。

住宅設計と同じくらい大切にしたいものが『旅』だ。

世界を旅していろいろな価値観・幸福感を体験してきた僕にだからこそできる視線、提案を。

「家、暮らしはどうあるべきか。」

「時代、幸福感はどう変わるのか。」

複雑なことほどシンプルに考えればいい。



『必要十分。』

エスネルのEに込めた「Enouth(十分な)」のとおり。

その必要十分とはなんなのか、どこまでなのか、を設計士は悩み考え提案する。

そして住まい手の価値観と融合させ『家』という形に仕上げる。

設計士には、間取りを考える力などの技術の前に、

『体験』、『思想』、『予測力』

などの基本的な能力が必要だと考えている。

もちろん僕も至らないことはたくさんあるが、日々悩み体験し考えを深めていきたいと思っている。

『建て主にとって本当に幸せな家(暮らし)とはなんなのか。』

建て主が自分自身でも気がついてないところまで掘り下げて話し、提案することを心がけていきたい。

建て主家族のため。ひいては日本の未来のために。

それを常に意識し精進していこう。

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いなか日記。69『仲間とスノボ&家族で節分。』

ゆうです^^

2月3日は節分、4日は立春でしたね。

暦の上ではもう春。最近日も徐々に長くなってきました。

立春の陽気の良い日に仲間家族とみんなでスノーボードに行ってきました♪


仲間家族合計9人で子供の連れて『雪だるま高原 キューピットバレイ』へ。

「キューピットバレイ」は僕らの地元の柏崎から近く、小さい頃からよく行っているスキー場。

知名度の高い湯沢エリアと妙高エリアのほぼ中間にあるため、そこまで混雑もしていないので家族連れにはおすすめのスキー場です^^
豪雪地帯で豊富な積雪があり雪質も抜群♪

出発前、仲間に落書きされた凍る双太郎。

7時柏崎発!スノボは1年ぶり。息子が生まれる前にみんなで行ったのが懐かしい。

着いたー!早速リフトへ。

気持ちいいー!!

ゴンドラの中ってお互いの距離も近くて半密室で独特の空気感がある。
そんな空間でするちょっとプライベートな話なんかもスキーの醍醐味?
お互いの家族の話や仕事の話。
お酒はないけどつもる話はたくさんある^^

天気は最高!景色も最高!
条件がそろえばゲレンデトップから日本海が望めるらしい♪

みんなでお昼休憩^^
シーズンパスを買っている友人がガチャランチなるものを教えてくれた♪

みんなで挑戦♪
味噌ラーメンだったり、ビーフカレーだったり、タレカツ丼だったり。
それぞれポテトやドリンクバーが着いていて1000円以上分の券が当たりました。
子供たちも楽しそうでなにより^^

キッズパークで遊ぶ友人の子供たち♪
お菓子作りしたり滑り台で遊んだりそりしたり。
来年はうちの息子も混ぜてもらおう^^

午後はまったりゆっくり景色を眺めながら。

久しぶりのスノボは最高に楽しかった!
このあと入った雪だるま温泉も最高だったね♪

来年はみんなで泊まりで行こう^^!

(息子と留守番してくれた相方には感謝。来年からは家族で行こう!)

おまけ…………….

3日は家族で豆まきをしました^^

義母手作りの鬼のお面をかぶって息子も一緒にみんなで「鬼は外!福は内!」

義母特製の恵方巻き。
毎年の恒例だったが子供が生まれると張り合いが出る。
季節の節目を家族や仲間で楽しみながら豊かに暮らしていきたい。

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『建築』というダイナミズム。建てるという行為。

『建築』という行為はとてもダイナミックだ。

先日、その行為の大きさに感動する出来事があった。

ある場所に設計した家がもうすぐ完成する。

その敷地はもともと田んぼで既存の住宅地からも少し離れた場所にあった。

敷地の前はとても開けていて、その奥には新潟を代表する雄大な山々がそびえている。

自然の中に自然と共に建つ家。

その田んぼを埋め立てて家を建てた。

先日足場がはずれ、外観はほとんど完成状態に仕上がった。

その姿を初めて見たとき、

『数ヶ月前、なにもなかった場所に建物が建つ。』

というスケールの大きさに圧倒された。

今まで何棟も家を建ててきたが、ここまで強く感じたのは初めてだった。

なにもなかった土地に大きな建物が建つ。

なんとダイナミックなことか。

そして、そこに何十年と暮らし続ける家族ができる。

ハードだけでなく、ソフトを見てもとても大きな行為だ。

「建築とはなんてダイナミックな仕事だろう。」

改めて感動した。

この仕事をしていることに誇りを感じた。

そして、その責任を強くかみ締めた。

そうした家々がやがて『風景』となる。
100年後の人が見たときに「いいな。」と感じるものを造っていきたい。

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わくわくプロジェクト。07『質問トーク!(プレリリース)』

ゆうです^^

久しぶりのわくわくプロジェクト。

『質問トーク(仮称)』という企画(遊び)を考えています^^

単純に相手にいろいろ質問してみてそれを動画にまとめて発表するというもの。

目的は「面白いことやってるな!この人応援したいな!」という人のPR^^

『まだマイナーだけど面白いこと、良い仕事をしている人』にどんどん光が当たっていけば、世の中もっと楽しくなるはず♪

いろんな質問に答えてもらうことで「その人の人柄がより伝えられるといいな」と考えています。

第一弾は僕^^

先日、相方に撮影してもらいました。

まだ途中で編集もしていないのでラフカットをひとつプレリリース♪

これから様々な人に質問していくことで、

僕もその相手のことが良く知れてより仲良くなれて、

動画を見てくれた人もその人のことに興味を持ってもらえたらいいなと思っています^^

プレリリース動画はこちら♪(ためし)

話の中に出てくる「米山」とは、地元柏崎にある標高993mの山で冬の雪化粧がとてもきれいです^^

正面が米山。雪が降ったあとの晴天の日はとてもきれいで感動する。

平成6年に発行された「柏崎ふるさとかるた」
僕の絵が選ばれた。書いたのはもう20年以上前。
句は「春を呼ぶ 米山さんの 鯉姿」
(友人がわざわざ柏崎青年会議所まで写真を撮りに行ってくれた!感謝!)

「質問」は僕が考えたものもあれば、相方が考えたもの、本や人から参考にさせてもらったものなどなど。

何気ない回答の言葉と言葉のあいだにその人固有の人間味のようなものが出ると思っています。

文章や写真では伝わらない、リアルでも普通に接しているだけではわからない部分を表現できたらいいなーと^^

それがこれからの時代に価値のあるものなんじゃないかなーと。
(AIやロボットなどに代替されないもの)

今考えている質問は、

「最近ハマっていることは?」

「最近楽しかったことは?」

「最近感動したこと、泣いたことは?」

「最近怒ったこと、イラっとしたことは?」

「最近感謝したことは?」

「好きな言葉、格言は?」

「尊敬する人は?」

「奥さん(旦那さん)の尊敬するところ、好きなところは?」

「人生を変えるほど影響を受けた本、映画、テレビは?」

「今まで生きてきてすごいなと思った人は?」

「先生から刺激を受けたこと、思い出は?」

「小学生のときに得意だったことは?」

「理想の男性像は?」

「理想の女性像は?」

「仕事で嬉しかったことは?」

「あなたにとって仕事とはなに?」

「あなたにとって人生とはなに?」

「人生で一番大事にしたいことは?」

「今までの一番の失敗は?」

「今までの一番の後悔は?」

「今までの一番のラッキーは?」

「今までの一番の決断は?」

「挑戦したいこと、していることは?」

「誰にでも会えるとしたら誰に会いたい?」

「音楽を今後一曲しか聴けなくなるとしたらなにを選ぶ?」

「好きな女性芸能人は?どこが好き?」

「1年間、有給があったらなにをしたい?」

「今まで一番、時間とお金を使ってきたことは?」

「あなたにとって理想の毎日とは?」

「この人生でやりたい大きな夢は?」

「70歳になったらどこでなにをしていたい?」

「死ぬならどこでどんなシチュエーションで?」

あなたの答えはなんでしょうか^^
いつか聞くかもしれません♪

日本海と米山。いつもの秘密のビーチから。
今日は立春。晴れの日が増えるにつれ春の近づきを日に日に感じる。

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【注意点】冬場の基礎コンクリート打設って大丈夫??

ゆうです。

先日、これから家の工事が始まる友人から

「冬場の基礎コンクリート打ち込みって大丈夫なの?」

「凍ったりしない?なにか注意点ある?」

という質問を受けたのでこのブログで詳しく回答しようと思います^^

冬場の基礎コンクリート打ち込みの注意点は大きく3つあります。

それは、

1.コンクリートがちゃんと固まるか。

2.上棟時までに上棟の重さに耐えられるコンクリート強度に達しているか。

3.施工は問題ないか。余計な費用はかからないか。

ひとつひとつ詳しく話すと、

1.コンクリートがちゃんと固まるか。

冬場は氷点下になることがあります。

氷点下になったときにコンクリートが凍ってしまわないか。

建築基準法には、
「コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2度を下らないようにし、養生しなければならない。」

と書いてあります。

コンクリートの温度が2度以下になると、コンクリートの固まるスピードが極端に遅くなります。

また最悪の場合、コンクリートが凍り、凍害を起こし、必要な強度が出なくなってしまうこともありえます。

そうならないように、

きちんと基礎コンクリート打ち込み後は養生をして、コンクリートの温度が下がらないよう措置する必要があります。

具体的には、ブルーシートや毛布などで基礎をすっぽり覆います。

それでも温度が足りないような厳寒期の場合は、ヒーターなどを使用して必要な温度を保ちます。

(コンクリート打ち込み中は養生できないため、打ち込み日が氷点下にならない日を選ぶなど注意が必要です。)

新潟・長岡・柏崎の冬場の平均気温。(2013-2017過去4年間平均)
積雪がある時期(12月中旬~3月中旬)は4℃を下回る。
1月~2月末までは2℃を下回っている。
この時期は特に注意しなければならない。


2.上棟時までに上棟の重さに耐えられるコンクリート強度に達しているか。
 
コンクリートは時間と共に強度が出てきます。

ちなみに、コンクリートは「乾いて」強度が出るのではなく「水と化学反応して」強度が出ます。

暖かければ早く強度が出ますが、気温が低いと強度が出るまでに時間がかかります。

養生期間を長めに取れれば良いのですが基本的に現場は工程をつめて動きます。

基礎コンクリートを打ってから5日間養生し、型枠をばらして最短で上棟する場合、基礎の養生期間は合計7日ほどです。

その7日間で、上棟時にかかる重さに耐えられるだけの十分な強度が出るようにコンクリートの配合量を調整する必要があります。

これを強度補正と言います。

コンクリートは配合によって強度を変えることができ、その強度を指定することができます。

冬期以外の通常の季節には「呼び強度24~27N/mm2」という強度でコンクリートを発注することが一般的ですが、冬期は強度が出るまでに時間がかかってしまうため、その強度に+3ほどして「呼び強度27~30N/mm2以上」で発注します。

(強度27N/m㎡・・・10c㎡角のコンクリートで27トンに耐えられる強度。)
(冬期・・・平均気温8℃未満、夏期・・・平均気温25℃以上)

全国生コンクリート工業組合連合会HPより。
7日後の圧縮強度(設計強度に対する発現割合)は、
外気温21℃のときは約60%発現するのに対して、
外気温4.5℃のときは約40%しか発現しない。

3.施工は問題ないか。余計な費用はかからないか。
 
極寒の中での鉄筋組みや型枠施工は大変な作業です。

僕ら設計者が現場を監理するのも一苦労です。

施工スピードや精度はどうしても他の季節よりも悪くなります。

そうなると、余計に手間賃がかかります。

また、積雪が多いようであれば除雪の手間賃を見る必要もあります。

コンクリート打ち込み前に型枠内に積もった雪をバーナーで溶かす手間もあります。

「雪の降る日に外で鉄筋を組む作業」想像をして頂ければ、どれだけ大変かがわかると思います。



【まとめ】

一番の対策は、
厳寒期のコンクリート打ち込みを避けること。

建てる会社にとっては、年間何十棟するうちの一棟かもしれませんが、

貴方にとっては一生に一度のマイホームのはずです。

なにも厳しい時期に基礎コンクリートを打ち込む必要はないと思います。

しかし、建てる会社はこういったことは言いません。

なぜなら、お客さんが「ある時期」を避ければ、その時期の現場の仕事がなくなり、逆に違う時期に現場の仕事が集中してしまうからです。

年間何十棟も建てている会社であればなおさらですよね。

僕(エスネルデザイン)はどうするか。

まずは、厳寒期の基礎コンクリート打ちを避けられないか建て主さんと相談します。

よほど完成時期にしばられてるような状況でなければ、避けたほうが建て主さんのメリットになると考えるからです。

年間着工棟数を追わない家づくりだからこそ出来る提案です。

また、状況を見てですが、

厳寒期の基礎コンクリート打ち込みも行います。

(氷点下になるような時期は避けます。)

それは、適切な設計者判断工事監理を適切にする自信があるからです。

追って、打ち込んだコンクリートの配合量の資料や、現場の状況を報告書にまとめて報告します。

これも年棟数を追わない家づくりだからこそ出来る提案です。
(年間何十棟も建てていたら細かな検討や現場の監理は疎かになりがちです。)

補正指示や監理や報告などを建て主に約束できない会社であれば、厳寒期の基礎コンクリート打ち込みはおすすめしません。

全てはケースバイケースですが、厳寒期の基礎コンクリート打ち込みに関しては大まかにこんなところです。

ちなみに、、

今年の新潟は異常気象。

寒気の影響で例年になく平均気温が2℃を下回る日が多い。
それだけ注意してコンクリート打ちをする必要がある。
マニュアルに沿うのではなく、その年ごとの気象条件を見極め、適切な設計者判断をしていきたい。

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いなか日記。68『雪の和島トゥールモンドで夫婦の時間を。』

ゆうです。

我が家にはあるルールがあります^^

それは子育てに忙しくても『月に一度は夫婦でデートする。』というもの。

家族の時間と同じくらい夫婦の時間も大切にしたいなと。

同じ価値観を持つ相方と、協力してくれる義母義父には日々感謝です。

今月のデートは『和島トゥールモンドのレストラン「バーグ」』へ。

和島トゥールモンドは夫婦デートの定番。

お金と時間が許せば毎回ここに来たいと思える場所。

僕らの結婚披露パーティーもここでさせてもらった思い入れのある場所。

何度も来ているが実は冬の来店は初。
今朝、雪が良い感じに降っているのを見て、
「よし!トゥールモンドいこう。」と思った。

入り口の薪ストーブも本格稼動。
電気を使わない原始的な暖かさはなぜか心が温まる。

レストランの扉を開けて感動した。
一面の雪景色が切り取られていた。

「あ、冬が一番いいわ。」

と思ったら、馴染みの店員さんも「僕も冬の景色が一番好きですね。」と。

新緑も田植えも稲穂も紅葉もいろいろな風景を見せてくれるが、雪景色が一番心を振るわせた。

曇りなのと逆光気味なので自然とモノトーンに映る店内。
(実際はここまで暗くはない。)

稲穂の時期のトゥールモンドはこちら^^
 →新潟観光大使。22『和島「トゥールモンド」。』

地元長岡産の安納芋のポタージュ。
「トゥールモンドのスープの中で一番好きかも。」と相方。

馴染みのスタッフの青柳さん。
カップル時代、結婚披露宴、妊娠中、出産後、、今後は息子も連れて来るんだろう。
人生を共に歩んでいるような不思議な感覚になる。(勝手に)

雪が積もったベランダ。
ペアガラスは空調で暖まっていて窓際でも寒くはなかった。

サーモンのリエット、自家製赤しそのソース添え。
スタッフさんが調理法から食材まで丁寧に説明してくれる。
それが料理をさらにおいしく感じさせる。
「サービスは最後の調味料」ですね。

魚料理。銀ヒラス、寺泊産ゆず胡椒と焦がしバターのソース添え。

銀ヒラスはスズキ目に属する白身魚で南半球で取れる高級魚だそう。
調理法(ポワレ:蒸し焼き)もあるが、とても身が柔らかくほろほろとくずれた。
身の旨味もソースもとてもおいしかった。

「最近一番好評頂いている当たりの一皿です。」とスタッフさん。

平日ランチの13:30からの回は人が少なくとてもゆっくり出来る。
静かにゆっくり過ごす昼下がりはとても心地が良い。
夫婦二人で来るにはおすすめの時間帯。

肉料理。デュクセルと越の鶏、胸肉のミキュイ、ラビオリ仕立て。
デュクセルは玉葱や椎茸をみじん切りにして炒めたソース。
ミキュイ(半生)の鶏肉はとても柔らかかった。

「トゥールモンドは野菜がたくさん食べられていいね。」と相方。

食後の一杯。砂糖入れがマカロンのようでかわいい。

これに焼きたてパンがついて一人2,500円。
料理も景色もサービスも価格も良くて最高。家から近いのに幸運を感じる。

雪のトゥールモンドおすすめです^^
特に新潟の雪を知らない関東の人には、関越自動車道から近いし良いんじゃないかな♪

知られざる「秘密のレストラン」と言った趣きもとても良い感じです。

おまけ…………….

雪のトゥールモンドの様子をムービーに撮りました。

雪がしんしんと降る様子には心が洗われますね。

おまけのおまけ…………….

相方が料理の写真を一枚にまとめていました。

相方は写真を撮るのが上手い(構図とか)。
僕より相方のほうがセンスある。

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新潟観光大使。32『ブルボン本社と柏崎のケーキ屋「ファリーヌ」。』

ゆうです^^

前回書いたの原酒造「酒彩館」に行ったあと柏崎を少しドライブ♪

初めて訪れたケーキ屋「ファリーヌ」さんはめちゃくちゃオシャレでセンスが良くて感動しました!


原酒造さんからブルボン本社までは車で数分。
どちらも柏崎駅前の中心街にあります。

ブルボン本社ビル(2015年完成)。

ブルボンは1924年に柏崎で創業した。もうすぐ100周年。
田舎町の柏崎の中心に、都会的でモダンなこの建物が立ちそびえる感じは正直とても「浮いている」のだが、この建物からの刺激で街に化学反応が起きることを秘かに期待している。
皆さんは「ブルボン」と言えばなにを思い浮かべるでしょうか^^
若い人は「プチシリーズ」?
柏崎花火で上がるプチクマくん花火はとても人気♪)
それとも「アルフォート」?
僕ら地元柏崎民が思い浮かべるのは(たぶん)、
「ルマンド」か、
(少し前にアイスになって話題になった。)
「エリーゼ」あたりかと^^
これを食べて育ちました。地元の誇りのお菓子ですね。

柏崎を少しドライブ。

柏崎市民文化会館(2012年完成)。
ちなみに会館の愛称は、、

「アルフォーレ。」
全国公募から選ばれ、由来はフランス語のart(アール:芸術)とforêt(フォレ:森)を組み合わせた造語だそう。

ブルボンのアルフォートと似ているのはオマージュかな^^
(母は先週ここでベートーベンの第九(歓喜の歌)を120人で歌った。)

駐車場には旧日本石油の赤レンガ倉庫を模した公園管理棟が建っている。
1899年、日本最古の製油所として建設された日本石油のレンガ倉庫はかつては5棟あり、中越沖地震で被災したことでその役目を終えた。
 →新潟観光大使。21『柏崎市西山町「草生水まつり」。』

…………….

さてさて、目的のケーキ屋「ファリーヌ」さんへ。

原酒造とブルボン本社とアルフォーレとファリーヌさんは徒歩圏内。
(柏崎観光ルートになるか!? )

入り口からしてすでにセンスの良さがにじみ出ている!
アルミスコップがこんなにかっこよく見えるなんて!
(実物でないと伝わらない空気感があった)

どーん!
ネットでこの店内写真を見て「行こう!」と思った。
インテリアが動機付けになることもある。

日常的にいろいろな建築を見ているけど、

「ここ最近で一番感動したかも。」(内装・小物・デザインに)

と感じた店内でした^^

お菓子が並ぶ。
東本町のほうで5年、この場所に移転してこの1月でちょうど1年経ったそう。
気さくな店長さんといろいろお話ができた^^

一番人気商品のスコーンはこの日はすでに売り切れ!(相方ショック!)
天気の良い日は早々になくなってしまうそうです。

So フォトジェニック!
(これぞ「インスタ映え?」)

ルクルーゼの鍋はインテリアとして新たに買ったのではなく、
店長さんが鍋好きでずっと愛用していたものを並べているんだとか。

とてもオシャレだし、見た目のインパクトがすごいし、これを見にだけでも行きたくなる。(特に建築好きは)

それがただの内装ではなく、愛用していたものだと知って鍋たちがさらに素敵に見えた。

お菓子だけでなくプリンやジャムも作られている。

オシャレな小物たち。
アラジンのトースターの雰囲気がとても良い。

スコーンはなかったので、店長さんのおすすめのケーキを二つ購入。

めちゃくちゃしっとりとしていておいしかった!(お世辞なしで感動)

調べてみると「ファリーヌ」とはフランス語で「米粉」という意味だった。

しっとり感の秘密がわかってなんか嬉しい^^

と、思って材料シールを見返したら「小麦」って書いてあった笑
(しっとり感の秘密はきっと「バター」ですね!上の写真に書いてあった。)

ファリーヌさんおすすめです♪

おまけ…………….

このあと僕の実家に息子を見せに行ってきました。

母の手編みのニット帽をプレゼントしてくれた^^
なんと昨晩編み上げたんだとか。すごい!

じいじもばあばも孫の前では特別幸せそうな笑顔になる♪

それを見て僕も幸せになる。
(たぶんお互いにそう思ってるんじゃないかな)

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新潟観光大使。31『柏崎、原酒造「酒彩館」と越の誉。』

ゆうです^^

週末は家族3人で柏崎の僕の実家へ。

その前に柏崎の原酒造「酒彩館」で内祝いのお酒を買いに行ってきました。

原酒造さんは、創業200年以上の柏崎の酒蔵で、「酒彩館」は酒蔵に併設する公式ショップです。

2010年に建て替えられ現在はモダンな雰囲気に生まれ変わりました。

入り口から入ったところ。酒彩館と新しい酒蔵が並ぶ。

看板商品は『越の誉』 。
「郷土の誉れとなる愛される酒を造りたい。」という想いが込められている。

蔵に書かれた「な」の書体がかわいい。「なべや」という屋号なんだそう。

入り口には大きな杉玉が!
杉玉は造り酒屋の看板として軒先に吊るされるもので、杉の葉の枯れた色を示すことで酒の熟成度を表現している。

息子も上機嫌♪

外周りを一通り見学してから建物の中へ。
(いつも相方には「早くいこーよー」と急かされる、)

広く開けたモダンな店内。
ちょうどすいている時間帯でゆっくり見学ができた。

原酒造の特別商品『銀の翼』
全生産量の数%しか造っておらず柏崎でも特約店のみの販売となっている。
出来上がる11月が毎年の楽しみ^^
今年は友人が僕の誕生日に大吟醸をプレゼントしてくれた。
 →いなか日記。56『銀の翼と名前入りの絵本。』

越の誉には『幸せを呼ぶ酒』という副題がついている。
大切な仲間と味わいたいお酒。
 →いなか日記。54『初雪と祝い酒。』

発泡する日本酒の「あわっしゅ」
酵母の出す天然の炭酸ガスが米の甘さと相まっておいしい。
最近では特別な日に頂きました。(気分はシャンパン?)
 →いなか日記。60『一級建築士合格発表!祝賀会で「わだの」さんへ。』

日中国交正常化を果たした角さんの写真が。
日中共同声明の式典では原酒造のお酒が乾杯酒として振舞われた。

「角さんとこの酒が中国との仲を取り持ったのかー」

僕が生まれる前の話だがとても誇らしく感じる。

観光ツアーのお客さんが大勢来られて、奥の試飲スペースでいろいろなお酒を呑んでいた。(うらやましかった!)
聞くと、白根の農家さんたちの集まりだそう^^

雪に包まれる中庭。
酒彩館では音楽の演奏会も開かれる。モダンな店内で庭を見て酒を呑みながら音楽を聴く。
なかなかの贅沢ですな♪

お目当ての内祝いの酒を購入^^
選んだのは柏崎の特別な酒「銀の翼」の大吟醸。
けんさんめぐみちゃん送ってるからお楽しみに!

おっちゃんに直筆で名入れしてもらった^^
達筆!話すと「最初は一番へたくそだったんだ。」って。
いろいろな話が聞けて楽しかったです♪

「越の誉」のスペシャルおちょこも頂きました。
これから家での晩酌はこれで飲もう♪

…………….

冒頭に「2010年に建て替えられた」と書きましたが、

原酒造さんは2007年の中越沖地震(震度6強)で被災し建物の半分以上が倒壊しました。

築 70 年の木造土壁の蔵(幅18m、全長65m)は大きくひしゃげ、その壊れ方は木造の構造のテキストに載るほど悲惨なものでした。

おそらく多くの人が「もう駄目かも、、」と思ったことでしょう。

しかし、原酒造さんは復活しました。

「酒彩館」でのイベントやあわっしゅのような新しい酒造りなど精力的に活動されています。

僕は地震を経ていっそう原酒造さんの「ファン」になりました。

きっと柏崎の中には僕と同じような想いの人がたくさんいると思います。

原酒造さんありがとうございました^^

「越の誉」「銀の翼」は僕の世界一好きな日本酒です。

これからも呑んだ人を幸せにするお酒を造り続けてください。

ファンの一人としてずっと応援しています。